映画"ホリデイ"のクリエイター的感想。

今日は何を見ようかしら、とNetflixをダラダラと徘徊していました。

そこで出て来たのがホリデイ。当時まだおこちゃまだった私ですが、ソフトバンクのCMをやっていたキャメロン・ディアスが出演する事を見て、逆にこの人すごい女優さんだったんだ・・・。と知った事を思い出しました。

今回もホリデイをクリエイター的目線で。主に構成について触れてみたいと思います。


ホリデイ

(2006年公開/ナンシーマイヤーズ)

メインキャスト:キャメロン・ディアス/ケイト・ウィンスレット/ジュード・ロウ/ジャックブラック

配信:U-NEXT/Netflix


あらすじ

ハリウッド映画CM制作会社の社長アマンダ(キャメロン・ディアス)は仕事こそ順調なものの、彼の浮気が発覚しクリスマス前に破局。

ロンドンの新聞社で働くアイリス(ケイト・ウィンスレット)は何年も想い続け、仲も良かった男が結婚することを知り、クリスマス前に破局。

何の接点もなかった二人は新しい一歩を踏み出すために、インターネットでお互いの家を2週間の休暇期間中交換する事しました。

自分の全く知らない町で、知らない人達と関わり、必要としていた大切なものを手に入れようとしていく。



映画の構成

今回は"構成について"というテーマでお話しできればと思うので、まずは大枠のシーンを私なりにまとめていきます。()の中は、主役の二人どちらのパートかという表記になっています。


➀あらすじ(アマンダ)

➁あらすじ(アイリス)

➂家の交換

➃街の人々との出会い(アイリス)

➄アイリスの兄・グレアムとの出会い(アマンダ)

➅アーサー(元有名脚本家のおじいさん)と親密になる(アイリス)

➆グレアムと最高のデート後に二人の子供の存在を知る(アマンダ)

➇アーサーに講演会の招待が来ている事を知り、歩く練習を一緒にする。(アイリス)

➈元の自分の生活や恋心へ悩む。(アマンダ)

➉仲良くなったマイルズが自分と同じような失恋をする。(アイリス)

⑪帰国しようとしていたが、グレアムと付き合う事を決意。(アマンダ)

⑫好きだった男を捨て、アーサーの講演会の成功・友人と付き合う事となる。(アイリス)

⑬ラストシーン


似ているようで少し異なるお互いのストーリー

文字にしてみると分かりやすいかな?と思い上記で構成について書いてみました。

お互い失恋→人との出会い→恋に対して悩み、吹っ切り、ハッピーエンド

この構成は同じなのですが、もう少し深堀してみます。


アマンダは、ほぼ一目惚れのような恋をし、理想的な男性だったものの実は子供がいる事を知ります。子供がいる男性とうまくやっていけるのか。仕事も順調な自分は結局遠距離の彼とはうまくいかないのではないか。家族と仕事について悩みます。

アイリスは、まだ前の男性に未練があるため恋には発展しません。でも人として魅力的なおじいさんや、友人達と出会い、最終的には未練も断ち切り、友人と付き合う事になります。彼女は未練に悩み、またアーサーを通して恋とは異なる人の魅力に気づいていきます。

このほんの少しのズレが、彼女たちのキャラクターを上手く引き出していて素敵だと感じる事ができました。片方の話で一つの映画にもなったかもしれないですが、2軸のストーリー展開が比較対象のように見れてより深く、二人のストーリーに没入させる秘訣なのかもしれません。



ちょっと小話

最後に、このような二つの同時進行のストーリーを小出しにしていく事を映像業界ではカット・バックと言います。なんだかヒーローの技名みたいで私はカッコよくてすぐに言いたがります。笑

まさにカットバックな映画で大成功したのは、君の名は。ですね。単純なカットバックの中に入れ替わりという複雑さを含めたのもヒットに要因の一つだと思います。

この技法を使うと、二つが同時進行するために飽きも来ないですし、テンポも上がって、最終的に一つにまとまったりすると、おぉー!となってなんだか気持ちがいいです。

誰かと一緒に映画を見たら、ちょっとカッコつけて”なるほど。カットバックね。”なんて言ってみちゃってください。笑

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