見出し画像

自由な哲学者スピノザとは?🌈

1970年代に流通していたオランダ紙幣。

そのオランダ紙幣の最高額面(1000ギルダー)の紙幣に描かれていた肖像画の人物。

それが、『スピノザ』です。

名前の通り、自由なスピリチュアル哲学者。

スピノザは、ポルトガルでのユダヤ人迫害から逃れオランダへ移住してきた、裕福なユダヤ人貿易商の家庭に生まれます。

幼少期から、学問の才能を見出していたスピノザでしたが、家業の手伝いに専念するため、高等教育は受けず、商人として働いていました。

しかし、

「商人として利益を得るより、人生を全うする方が最終的な利益は大きい」

と判断し、商人をやめてしまいます。


そんな彼は、自由な宗教観を持っていたため、正統派ユダヤ教徒であったにも関わらず、当時のユダヤ教信仰の在り方や聖典の扱いに対して、否定的な態度をとっていました。

すると、1656年、アムステルダムのユダヤ人共同体から、ヘーレム(破門または追放)を受けてしまいます。

ユダヤ教信仰者から、幾度となく暗殺されそうになったこともあったそうです。


そんなヘーレムから8年後の1664年。

スピノザは、『デカルトの哲学原理』を発表しました。

「自然とは、動植物のことではなく、人や物を含めた全てのことである」

彼は、神即自然の概念を解いたんです。

同じ哲学者であるデカルトが説いた「非人格的な神概念と伝統的な自由意志の概念」を徹底して退けました。

その結果、世間から「無神論者だ」と言われ、非難されてしまいます。

「世界一危険な思想家」

彼は、このように呼ばれていたそうです。


後に、スピノザの思想は、無神論ではなく、神のみが存在すると主張する「無世界論である」と、評されることになります。

「神は、超越的な原因ではなく、万物の内在的な原因である」

要するに、神は、崇める存在ではなく、私たちの中に無限に存在するものであると説いたんです。

「精神の変化は身体の変化に対応しており、精神は身体から独立しているのではなく、身体も精神から独立となりえない」

身体と精神は神の中で一つに合わさると考える『心身平行論』を主張したのもスピノザです。これは、デカルトの『心身二元論(身体と精神は別の存在である)』に対抗したものであると言われています。


政治的な思想も持ち合わせていたスピノザは、オランダ共和国の政治家たちに対して、こう語りました。

「理性を欠いた人々に対しては、外から自由を与えることが法の目的である」

つまり、不幸を排除する目的でつくられた国家の法律に自ら従う、理性に導かれた国民が当たり前ではないことを、政治家たちに伝えたんです。

現実を見つつ、理想的な政治への考え方を保持し続ける、彼の姿勢は、多くのオランダ共和国の政治家に影響を与えました。

「国家の徳は安全の中にのみある」

スピノザは、国家の権利や主張によって国民が保護されることが重要であると訴え、当時の君主政治を批判しました。


オランダが産んだ、最高で自由な哲学者『スピノザ』。

彼は、現代の私たちの自由意思の在り方を説いてくれた人物なのかもしれませんね😌

最後まで読んでいただきありがとうございました🌈

もしよろしければサポートをお願いします😌🌈