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誰でも習得できる能力エコーロケーション🌈

コウモリ・イルカ・クジラなどが使っている、音や超音波を発し、その反響で物体の距離・方向・大きさなどを読み取る能力『エコーロケーション(反響定位)』。

一部の目の不自由な方も、この能力を持っており、発した音の反響で、障害物の方向・大きさ・輪郭を読み取ることができます。

発する音としては、舌打ちによるクリック音や白杖(はくじょう)で地面をたたく音、指をパチンと鳴らす音などがあります。


このエコーロケーション、実は、訓練を行えば、誰でも2週間ほどで習得できると言われています。

イギリスのダラム大学心理学部の研究チームは、2019年に、エコーロケーションが訓練によって習得できるのか、実験を行いました。

この実験には、目の不自由(全盲)な方12名と健常者14名が参加。

期間は10週間で、合計20回のセッションが行われました。

1回のセッションで行われたのは、T字型・U字型の交差点やジグザグに曲がった廊下など仮想迷路を移動するトレーニングや、舌打ちによるクリック音を使って物体のサイズや方向を把握するトレーニング。

最後のセッションでは、参加者が歩いたことのない仮想迷路をエコーロケーションで移動するテストが行われ、それまでのトレーニングで、どれくらい能力が習得できたのかを調べました。

すると、目が見える・見えない関係なく、大幅に能力が向上していることが判明したそうです。

しかも、目の不自由な79歳の男性も習得できていたことから、年齢や視覚障がいの有無が関係ないことが明らかになったんです。

さらに、この男性の脳の動きを確認したところ、目が見える人が物を見たときと同じ反応を示していたそうです。

これを化学に応用しようと、現在、研究が進んでいます。


2020年に、アメリカのパデュー大学とドイツのミュンヘン工科大学の研究者が、ドローン飛行でエコーロケーションを使った実験を行いました。

ドローンに、高周波の超音波を出すスピーカー1台と、その音を拾う4台のマイクを搭載し、周囲にある壁や障害物を正確に検知することができるか調べべたんです。

すると見事、探知することに成功しています。

この研究が進めば、今後、人の目で監視する必要がなくなり、AIでの無人飛行が可能になります。ドローン飛行が、より安全かつ効率的に行えるようになるんです。

もちろん、ドローンだけでなく、車にも応用でき、監視義務のない自動運転や無人タクシーが今後増えると予想されています。


一昔前の感覚が研ぎ澄まされていた侍の世界。

「音で空間を見る」

目を酷使しがちな私たちこそ、エコーロケーションの訓練をすべきなのかもしれませんね。

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