ヨーロッパの移動民族ジプシーとは?🌈
世界には、環境の変化によって、移動しながら生活をする人たちがいます。
有名なのは、モンゴルの遊牧民です。
『ゲル』と呼ばれる、白いテント状の移動式住居。
見たことがある人も多いのではないでしょうか?
実は、ヨーロッパにも、有名な移動式住居で生活する民族が、存在していたんです。
1421年、山の上にある教会『アラス』。
そこに、複数人の謎の男が現れました。
当時の記録によると、「肌や髪が黒く、髭を伸ばし、服装を含めて当時の西欧市民と大きく異なる見かけをしていた」といいます。
6年後の1427年。
パリに現れた彼らは、「自分たちは低地エジプトの出身である」と、名乗っていたそうです。
そこから、「エジプトからやって来た人」という意味の『エジプシャン』を略して、彼らのことを『ジプシー』 と、呼ぶようになりました。
ジプシーは、単に馬車で移動し、生活するだけの民族ではなく、器用で賢い働き者でした。
例えば、フランスで、微兵が足りないと緊急募集すれば、彼らが現れたり、行く先々で仕事を多数引き受けたり。
次第に、彼らが、重宝されるようになっていきます。
男性だけではなく、女性のジプシーもいました。
彼女たちは、派手な手作りのおしゃれな衣装を身にまとい、音楽で人々を楽しませてくれます。
さらに、彼女たちは占いが得意で、派手に装飾された馬車の中で現地の住民を占い、現地の住民の心の支えとなっていたそうです。
しかし、欧州で国家の権力が強まると、都市や農村に属さないジプシー対して、取り締まりが強化されていきます。
国から追放令が出されたり、国によっては、死刑の対象になるなど、迫害を余儀なくされます。
そして、また他の国へと移動していくんです。
常に、誰かの目に止まり、同じ場所に留まり続けることができなくなり、移動し続けていた、ジプシー。
最後は、ナチスドイツによる差別が過激化し、一気に姿を消していきました。
近年、様々な研究により、ジプシーの紀元が分かってきました。
彼らは、「アレキサンダー王の末裔だったのではないか」と、言われているんです。
そんな凄い血筋を持つ『ジプシー』。
彼らの歴史は、未だに注目され続けています。
ヨーロッパでは、
派手に着飾る馬車『ジプシーワゴン』
派手な民族衣装『ジプシースタイル』
そして、『ベリーダンス』も、ジプシーが始まりです。
ジプシーが、馬車で移動し生活しながらも、人々に平和と知恵をもたらそうと賢明に活動してくれたおかげで、私たちの知恵や感性が豊かになっていったのかもしれません。
ミステリアスながらも賢いジプシーは、今も尚、多くの人々に愛され続けています。
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