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人類史上最もお金持ちになった国王🌈

1230年代に建国された、中世西アフリカのサヘル地帯(現在のアフリカのマリ共和国周辺)に栄えたイスラム教徒の黒人王国『マリ帝国』。

マリ帝国に関しては分かっていないことが多く、首都がどこにあったのかも謎に包まれたままです。

王権については、決定的な説はありませんが、マンデ人(現在のマンディンカ族)だったのではないかと言われています。

マリ帝国は元々、ガーナ王国の支配下にあった国でした。

<ガーナ王国とは?>
8世紀から11世紀にかけて、隊商(隊列を組んで砂漠を歩く商人)たちが、金と塩を運ぶ際の中継地として利用し、繁栄した黒人王国。

13世紀の中頃、スンジャタ・ケイタと呼ばれる英雄が現れ、台頭し、マリ帝国の前身であるマリ王国が誕生します。

<スンジャタ・ケイタとは?>
マンデ人の口頭での伝承で語り継がれている「スンジャタ叙事詩」に登場する半ば伝説的な人物。

マリ王国は、9代目の王、マンサ・ムーサ王の時代に最盛期を迎えます。

支配域を一気に拡大し、14世紀には、帝国と呼ばれる規模に成長しました。

この繁栄には、ムスリム商人(イスラム教徒で商業に従事する人々)が行っていた『サハラ横断交易』が大きく関係していると言われています。

<サハラ横断交易とは?>
地中海沿岸と西アフリカの間で行われていた交易。主に、金と塩の取引が行われていた。

マリ帝国は、アフリカの主要商業都市(トンブクトゥやガオなど)を支配下に置いていました。

岩塩の産地であるタガザやブレにある金鉱で採取した塩や金を売却し、巨万の富を得ていたんです。

当時、採取し売却していた金の量は凄まじく、現在の価値にして、数兆円にものぼるそうです。

そして、ムーサ王が、1324年から1325年にかけて行っていたハッジ(メッカへの巡礼)。

1万人を超える女性奴隷を引き連れ、200kgを超える金を積み、サハラ砂漠を横断していたんです。

金に囲まれたムーサ王が、ラクダに乗り、砂漠を練り歩くことで、広範囲に支配を拡大していきました。

ムーサ王が保有していた金は、現在の価値に換算すると、少なく見積もっても約40兆円。人類史上最高額の資産を保有していた人物です。

彼は、巡礼ルートの途中にあるエジプトなどで、金を湯水のように使っていたとされています。

その浪費癖はひどく、旅の途中で金を使い果たしてしまうほどでした。

その影響で、周辺の金の価格は暴落。

その豪勢な生活ぶりが、ヨーロッパへと伝わり、国自体が「黄金の王国」と呼ばれるようになってしまいます。

当時のイスラム教徒は、金貨や銀貨が経済の軸。

そのため、金の消費は世界経済に非常に大きな影響を及ぼし、マリ帝国は衰退の一途を辿ることになります。

もう少し先を見通すことのできる王であれば、今でも存続を続け、世界経済の中心国となっていたかもしれませんね😌

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