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びじゅチューンがとまらない

はて、困ったぞ

7月某日、友人のKさんにとあるDVDをみせてもらって以来、私の脳内で四六時中、多種多様な音楽と映像が再生されることになってしまっている。

それはNHK(Eテレ)の番組だった

びじゅチューン!という番組がある。
概要は、こんな感じ
https://www4.nhk.or.jp/bijutune/

かつ、こんな感じ
https://www4.nhk.or.jp/bijutune/22/
である。

古今東西の美術的価値のある名作について、クリエイターの井上涼氏が独自に解釈し、アニメーションと歌を(ほぼ一人で)作り、解説するというもの。
アニメーションはAfter Effectで創っているらしい。

今回は、その数ある井上涼作品の中から、わたくしHAYAが好きな作品を適当に紹介していこうと思う。

(1)素朴な飯テロで賞「ムンクの叫びラーメン」

発想の源になった作品は、エドヴァルド・ムンク「叫び」(オスロ国立博物館所蔵)。「叫び」に描かれた赤い空は担々麺のスープの色に、フィヨルドは海苔に、橋はお箸のように見えてきて・・・ラーメン屋さんが舞台の曲になった。叫んでいる「ヲー」とう声は、日々のもやもやが身体から抜けてゆくときの、心が解放される音。

中央に描かれたあの人は店長だったんだ…と感心した曲。赤いスープの原料はピリ辛なのかもしれないが、優しい救いがあると感じた。


(2)プロジェクト大賞 「私を投げ入れて」

発想の源となった作品は、国宝「投入堂」(鳥取・三徳山三佛寺)。
断崖絶壁に建つ投入堂。こんな場所に、いったいどうやって建設されたのか?寺に伝わる縁起では「役行者が法力でお堂を手のひらに乗るほどに小さくし、大きな掛け声と共に断崖絶壁にある岩窟に投入れた」とされている。これが「投入堂」という名前の由来。
他のお堂の建設経緯もあわせ「自分たちで崖を登ったのかもしれない」と「びじゅチューン!」流に推理。お堂たちがあの手この手で協力するミッションを歌う。

お堂たちの織り成す妙な躍動感、もはやNHKでいうなら「プロジェクトX」的な感じの1分数十秒。
『あんなところに建造物を作るなんて、人間業ではない』と言われてきたけれど、まさかこんなふうにしてできたとは。
思い通りにいかなくても「まあ想定内」とドライに流して解決していくその姿勢は、ビジネスでも見習いたい。

(3)謝罪する気ないで賞 「貴婦人でごめユニコーン」

発想の源となった作品は、タピスリー「貴婦人と一角獣」(フランス国立クリュニー中世美術館)。貴婦人と動物たちの仲の良さが印象的。特にユニコーンは貴婦人がかわいくてたまらない様子。貴婦人は動物たちに甘やかされているのに違いない・・・と想像しました。これは絵ではなく、図柄を織り出した分厚い布・タピスリー。もともとは、フランスのお城の壁にかけられていたそうです。

謝るということについて考えさせられる。
「ごめんなさい」ではなくて「ごめユニコーン」。
「貴婦人だから失敗してしまいましてごめんなさい」という理論も若干「?」なのだが、そんなことより「ごめユニコーン」。
茶碗を割られてこんなふうに謝られて、あなたは許しますか。
私は動物好きなので、一角獣に謝られたらなんだろうと許す可能性が大なわけですが。
で、唐突に音楽の話をするけども、この曲のしぶいベース音が好きだ。
高校生だったら学園祭でバンド演奏したい。茶碗もステージ上でガシャンガシャン割るよ。

(4)これを聴いて仕事に立ち向かいま賞「月曜日モンスター」

発想の源となった作品は、フランスの画家ジョルジュ・スーラの「グランドジャット島の日曜日の午後」(シカゴ・アート・インスティチュート)。晴れていて気持ちよさそうな日曜日の午後。でもみんな無表情だし、手前の方には大きくて黒い影。もしかすると「あぁ、明日は仕事だ・・・」という気持ち=月曜日モンスターに心が襲われているのでは?点描画の特徴をからめ、「月曜日モンスターを小さな点にしてひとつひとつクリアすれば、月曜日も怖くない!」と歌うOL応援歌。点描画を意識して小さく区切りをつけたフレーズ/歌い方にも注目!

サザエさん症候群になっている人におすすめな曲。点描で描かれたこの絵画を、「タスクの細分化」という手法のすすめとして歌い上げている。これも学生だったら学校のピアノで弾きたい曲。

(5)希望を持ちま賞「オフィーリア、まだまだ」


発想の源となった作品は、ジョン・エヴァレット・ミレイ「オフィーリア」(テート美術館)。ぐったりと水に浮かぶオフィーリアが、もし背泳ぎの選手だったら・・・!絶望から一転、華麗に泳ぎ始めて川をぐんぐん下り、新しい海や仲間に会えるかもしれない、と想像しました。仕事や人生に対してちょっと気弱になっている人に贈りたい応援歌!

人生まだまだ、と思わせてくれる名曲。あと、特技があるって大事ですね。
映像的には、オフィーリアの胸のうえにいる花たちが2番でくつろぎ始めているのがツボ。

(6)ノリノリで賞「曜変天目ディスコ」

発想の源となった作品は、国宝・曜変天目(「稲葉天目」)。東京・世田谷の静嘉堂文庫美術館に所蔵されている。12~13世紀の中国で作られた作品。ミラーボールのような曜変は、釉薬が窯の中で化学変化を起こして生まれたもの。「曜」には「星」「輝き」の意味がある。

ノリノリで口ずさみやすい。現実逃避して踊りまくりたい人におすすめ。
モデルとなった器をネットで調べたが、本当にキラッキラで美しい。アニメの中では、オフィーリアやドジョウなど、びじゅチューン好きにはおなじみのキャラクターたちが躍っている。

ひとまずここでいったん終了

他にも名曲・迷曲を挙げたら、本当に枚挙にいとまがないので、今回はこのへんで。こんな感じで井上涼氏の世界に引きずり込まれている人、多数と思われる。また会いましょうバ~イバイ♪

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