撮影時の被写体とのコミュニケーション。「ほめる」と「伝える」を両立させる方法。#カメラのハナシ
カメラを構えてモデルさんと話をする時、必ずコミュニケーションを撮る必要があります。
自分はポージングなどについて具体的な指示はせずに方向性や撮りたい雰囲気だけを伝えて、あとはモデルさんなりにポージングしてもらうようにしています。
でも、撮りたい写真と少し違っていたり、あと一歩という場面に出会すことが出てきます。
しかし、「違う」や「そうじゃない」といったマイナス要素はご法度。
この時「ほめ方」が鍵になってくると思います。
大きく分けて「ただ誉める」のと「伝えながら誉める」方法を自分は使い分けるようにしています。
どちらが良いとか悪いではなくそれぞれの特徴を生かしてコミュニケーションを円滑に進めることが目的です。
■ただ誉める時
「綺麗」「可愛い」などがそれに該当します。
(自分は恥ずかしくてあまり使えないのですが…笑)
今のポージングやシチュエーションがすごく良い状態の時にそのままの雰囲気でいてほしいことを伝えます。
素直に「今すごくいいので、そのままでお願いします」といった言い方をすることもあります。
■伝えながら誉めるとき
どういう方向性でもっとモチベーションを上げてほしいかを間接的に伝える方法です。
自分がよく使うのは
「マキアージュのCMみたい」
「サンローランの広告みたい」
といった言い回しです。
クールな印象、可愛い感じ、物憂げな表情、色々ありますが、
多くの女性にとってそれらを意味する共通言語の1つがメイクではないかと思います。
モデルを引き受けてくれる方は撮影に合わせてメイクもしっかりしているし、研究もしています。
化粧品はブランディングを中心としたマス広告が中心なので、CMのイメージをカメラマンが覚えていれば、それだけで言わなくても誉めることも方向性を伝えることも可能になるといった感じです。
特に男性である自分が、女性のモデルさんに向けて「ここをこうして欲しい」というのはすごく大変。
さらに「クールな印象で」と指示をしたところで想像しているクールに差があるとその時点で破綻してしまうのですが、具体的な広告を使って誉めることで意思の疎通も上手くいき、「その路線でどんどん他のポーズや表情も欲しい」ということも間接的に伝えられるので、すごく効果的です。
地元で起業し、フォトグラファーとディレクターとして活動しています。 仕事のこと、撮影のこと、ジャンル問わず備忘録として書き残しています。