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なんでこれがうちにあるんだろう

この文章は、メルカリ株式会社とnoteで開催する「#メルカリで見つけたもの」の参考作品として主催者の依頼により書いたものです。


蚤の市が好きでよく行く。昭和のプールバッグや横断歩道の旗入れなど時代も場所も超えたものに出会えるからだ。買って帰ると家の空気がちょっと変わる。なんでこれがうちにあるんだろうという不思議な気持ちになる。(買ったんですけどね)

これが味わえるのがメルカリだと思う。

トイレが移動した

これまでに買ったもので「なんでこれがうちにあるんだろう」が起きたのが、なんの縁もない土地の信用金庫のカレンダーだ。一昨年は知多信用金庫のカレンダーをトイレにかけていた。それだけでうちのトイレが親戚の家のトイレになった(知多半島に親戚はいない)。正月に行って馴染みのない味の煮物を食べて、ちょっとトイレ借りますなんて言って入るひんやりしたトイレだ。カレンダー1枚でうちのトイレが移動してしまった。

1年間、知多地方の祭りを眺めていたのですっかり知多半島に詳しくなった。たぶんそのうち行くだろう。行った先の居酒屋で知多信用金庫のカレンダーがあったら泣いちゃうかもしれない。

知多信用金庫のはなかったが、北海道の信用金庫のカレンダーがあった。

北星信用金庫のカレンダーも買ったことがある。地元のイラストレーター渡辺俊博さんのイラストが良くてカレンダーきっかけで本も買った。

これもたまらない。テーブルに置くと実家になる。

知らない人の想いが残ってる

買った本に書き込みがあるのもいい。ここを大事だと思ったんだなと想像したり、ここ?と驚いたり、うっかり前の持ち主と対話してしまう。特にガイドブックの書き込みは前の持ち主の旅のテンションが伝わる。

このマカオのガイドには「行くべき」という書き込みがある。それだけで知らない人の旅行前の期待が入ってくる。記憶を失う前の僕が書いたのだと思ってもぞくぞくする。
書き込み本は「書き込みがあります」で検索すると出てきますよ。

タウンマップも当時の期待感がそのまま冷凍保存されている。88年のぴあマップには東京の新しいホールが特集されているが、最初にあるのは東京ドームだ。そういえば日本初のドーム球場で、ドームを出るときに空気圧で押し出されるのが面白かったんだったっけ。
また六本木には六本木ヒルズもけやき坂もなく、そこにあるのは「北日ヶ窪住宅」という渋い名前の団地である。その時代だとあのグループは北日ヶ窪住宅46という名前になっただろう。

82年版が出品されている!これは欲しい。

「よく分からない」でもいい

蚤の市はガラクタというか、よく分からないものが多いが、メルカリだって単刀直入に「よく分からない」「ガラクタ」で検索すると答えてくれる。

よく分からないうえに、かわいい。バナナでありつつ、オットセイ。鼻先がちょっと緑になっていて、よく分からないのにリアルである。ものすごく欲しい。

なんの役にも立たないが超かわいい。つまり人生で大事なことってこういうことではないだろうか。なんて大げさなことを言いたくなる。

ガラクタもしくは宝。世界にはそのふたつしかない。

すぐに届くクラウドファンディング

世界のアイディア雑貨が集まるクラウドファンディングも大好きだが、あれの難点はすぐに届かないことである。だが、メルカリにはクラウドファンディングの返礼品もたくさん出品されているのだ。
それってさあ、もらったけど要らなかったってことじゃない?とか言う理性的な自分はぐっと抑えて、アイディア商品を衝動買いしよう。

いい。こういうものが僕は欲しかったのだ。便利なものじゃなくて"便利さの期待感"が詰まっているもの。

縁もゆかりもない信用金庫のカレンダーも役に立たない超かわいい棒も、知らない町の知らない人の家にあるものだ。それを買って「なんでこれがうちにあるんだろう」と戸惑う。これはかなり贅沢な消費行動だと思う。

いろいろ紹介してきたが、ここにあるものはこの文章を公開して数日以内に僕が買うので欲しい人は早めに買ってください。

#メルカリで見つけたもの
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