#5「雲の水」


運命の水―。偶然の雲―。

雲の水は目に見えないが、確かに存在する―。


その男はこの世界を泳いでいた。

来る日も来る日も泳ぎ続けていた。

ある日空を眺めていると、上昇気流に出くわした。

空気はふくらんで冷やされながら雲になっていく。男は自分の中に水をみた。

雲となる水を眺めながら。


男はこの世界を眺めている。

自分の運命と、偶然の雲を楽しみながら。


(了)

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隼斗530(歌猫)

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超ショートショート集 「嘘」11編

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