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すんばらしい吹奏楽の演奏パフォーマンスで毎日泣いてる

このバンドのロバート・W・スミス『神曲』のステージがエグいから見て

吹奏楽界の有名曲、『神曲』。ダンテ・アリギエーリの同名作品が題材になってて『地獄篇』『煉獄篇』『昇天篇』『天国篇』の4曲で構成されています。昔は吹奏楽コンクールの自由曲でこの中のどれかがよく選ばれてた印象。吹奏楽コンサートでもよく演奏されてたと思う。インパクトが強いのよ。吹奏楽なので管楽器と打楽器で演奏されるものなんだけど、この曲は演奏者に声出し(クワイヤだけでなくうなり声!)や足踏みを要求してくる。ピアノもいる。鎖もいる。ド迫力。

『神曲』のストーリーをざっくり言うとダンテさんの地獄めぐりで、地獄行って氷漬けのルシファーを見て煉獄の山登って終点が天国のツアーです。詳しくはご自身で調べてね。

で、何がきっかけだったか忘れたんだけど、この『神曲』が聴きたくなって、上手な演奏してる動画はないかしらと探してたの。で、出てきたのがこのシンガポールのバンドの演奏会の動画だったの。ナレーションのLadies and gentlemen..から始まる古式ゆかしい曲紹介から始まる動画。ダンテ『神曲』の内容の説明から始まる、ちょっと冗長な説明。

そしたらまあ、途中から度肝抜かれたよね!!

この動画のコメント欄全部同意よ!!!!鳥肌止まらん!!!!!!

朗読と音楽が一体化して表現する『神曲』の世界

"I SEE HIM IN THE FLESH, LUCIFER, THE DEVIL HIMSELF!!"でビックリしますよね。いや、読んどる! 『神曲』の物語の内容を朗読しとる!! 管楽器、打楽器、クワイヤ、うなり声、ピアノ、鎖、そして朗読!! 

見たことねえ!!!!!

このナレーションの導きにより、一気に『ダンテさんの地獄めぐり』に連れていかれる感覚。またこの朗読がすごい。これが曲と曲の間に繰り広げられるのではなく、がっつり曲と絡んでるのも衝撃。没入感パない。声の力で楽曲の世界の解像度が上がり、曲と共に高まっていく、興奮!

もう、毎日この動画見ています。毎日地獄めぐりしてます。そして昇天し天国へ上がる時に泣いてます。「星が……星々が見える……見えるんや……歓喜や……成仏してしまう……ニルヴァーナや……」って泣いてる。イエスかブッダかどっちだよ。本当『天国篇』の冒頭クッソヤバい。惑星の名が読み上げられてくるところヤバい。星が見えてくる! そこに存在しないのに、聴覚だけで、頭上を回る星の渦が見えるように感じる! こんなに多幸感あふれる『天国篇』聴いたことがない!

それにしても、この「曲の内に題材になった作品の朗読を挟み込む」というのは、楽曲単体だけ観察していては出てこない視点だと思うんですよね。こういうアプローチ非常に面白いので他にもやってくれないでしょうか。朗読と音楽のマリアージュですよ。強烈な鑑賞体験になる。楽曲だけ純粋に味わいたいという人にはこの朗読が邪魔と感じるかもしれない、作曲者の意図する演出ではないと言われるかもしれない、ですが、いや、こういうのもあっていいですよ。これ鑑賞してる側は飽きないですよ面白いです(ここまで上手い朗読者を探すのが大変だけど)。マジ挑戦してほしい。マジ可能性。やってくれる吹奏楽団あったら教えてください、聴きに行きます。


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