【 反省×所感×お知らせ 】

皆様、いつも大変お世話になっております。

ha | za | ma の松井です。

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、この度はWEB即売会限定商品のオーロラ加工に関して一部のお客様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしてしまい、本当に申し訳ございませんでした。

大筋としましては、主に靴のヒールパーツにオーロラ加工をかける際、どうしても仕様として個体への加工の乗り方に差異があり、またムラや乗らない箇所が生じる場合がございまして、ただ弊社側よりそういった仕様に関する十分な事前説明がなかったため、該当の箇所が仕様であるか否かということに関して通常より多くのお問い合わせを頂きました次第です。

弊社平均で通常こういったお問い合わせは多くともアイテム販売数における全体の約1%程度には納まるのですが、今回は約3~4%に上ったこともあり、僕としましては事態を重く受け止めておりまして、WEB即売会限定商品のオーロラ加工に関して頂きましたお問い合わせへの返信が僕の方で落ち着いて参りました今というタイミングにて(もしまだ返せていない方がいらっしゃいましたら本当に申し訳ございません)、全体に向けて具体的な経緯説明をさせて頂くべきと考えました。

また良くも悪くもこの機会は ha | za | ma というブランドがどういったスタンスでデザインやものづくりに取り組んでいるかを、僕自身もデザイナーとして経営者として今一度振り返り、そして何よりもお客様に知って頂くきっかけになるかと思いまして、初めてnoteを書いてみております。

恐らく大変長くなりますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

そこでこの文章における一番大切な結論を、早速申し上げさせて頂きたいのですが、まず今回の件に関しましては、一般的に共通認識が存在せず人によって感じ方が大きく変わるアイテムであるにも関わらず、弊社側からの事前情報の共有が不十分であり、お客様側と弊社側のアイテムに対する認識の擦り合わせが足りなかった事がほぼ全ての原因だと考えておりまして、この責任は全て弊社引いては僕にあると強く受け止めており、この点に関しまして、ご心配をお掛けしてしまいましたお客様には改めて重ね重ね心より深くお詫び申し上げます。

本当に申し訳ございませんでした。


つきましては、以後こういった事態を二度と引き起こさないために、今回のように認識の差が問題になりかねないアイテムに関しては、社内にて販売の際のリスクに対する意識を一層引き上げ、商品ページに仕様としてどういった事象が考えられるかの事前説明を徹底していく所存にございます。

また何故オーロラ加工に対して強いリスク意識が持てなかったのか、引いては商品ページでの事前説明を行わなかったのかという理由にも念のため触れさせて頂きますと、自身の判断の順序や諸々の経緯を振り返り、おおよそ下記の点が挙げられると現在認識しております。(言い訳のつもりは全くございませんが言い訳がましくなっておりましたら大変申し訳ございません)

1.サンプルとして十分な数の実験は繰り返し、この製品の仕様としてどういった現象が起きるか十分に把握していたつもりではおりましたが、その仕様の起きる位置や範囲/形状によりお客様が受ける印象や見え方が大きく異なることにまで考えが及んでいなかった事。

※例えば、オーロラ加工における仕様の一部<部分的に色が乗らない>が、同じ抜けでも青く暗い色合いに生じるとあまり気にならず(あくまで僕の主観にはなりますが)、明るい色合いの箇所にあると気になりやすいという点が挙げられます。

2.今回のアイテムとデザインが近い前例として、2021SCシーズンで販売させて頂きました「美来永光のドレスローファー」という商品があり、こちら全く同じヒール素材に全く同じ加工をかけていたのですが、ほとんどお問い合わせが無かったためそこに漠然とした安心感を持ってしまっていたこと。

※ちなみにこちらはヒールの形状に伴う硬度によって加工の乗り方が変化してくることも現在は認識しております。また手や牙といった有機物に対し、鉱石の様な無機物モチーフの方が加工のムラなども気にならないのではないかと、感覚的にではありますが考えております。

※また「美来永光のドレスローファー」は展示会で実物を見て頂いていたお客様がかなり多かったことも、お問い合わせがほぼ無かった一因であると考えております。

上記2点が十分な事前説明がなかった理由でして、それに加え出荷の際に、もちろん弊社側で十分に検品を行い正直相当数のヒールをお客様にお送りできないものとして弾いてはいるのですが、最終的にはあくまで””仕様の範囲内であるか否か””を主要な判断軸に出荷のお手続きを行わせて頂いたことにより、今回お客様側のご不信を招き多大なるご迷惑とご心配をお掛けしてしまう結果に繋がったと考えております。

また補足ではございますが、お客様によってオーロラ加工に対する良し悪しの判断軸がかなり違うといった側面もあり、それによって弊社側のご対応軸にブレが生じたことも様々な混乱や憶測を招いた原因の一つという見解でおります。
(ただこの点に関しては、どうしても今回の製品の性質上、最終的にはお問い合わせ頂きましたお客様お一人お一人のご要望を丁寧にお聞きしながらご対応させて頂く事が、問題解決のために最適であると考え、頂きましたお問い合わせに対してはそのように僕の方で全てご対応させて頂いております)

以上がWEB即売会限定商品のオーロラ加工製品における件の全容となりまして、この度は弊社商品に関して多大なるご迷惑とご心配をお掛けしてしまい、改めて本当に申し訳ございませんでした。

今回の反省は""必ず""活かし、ha | za | ma をより良いブランドにできるよう僕はもちろんスタッフ一同精進して参りますので、まだ見放さずにいて下さる方は何卒今後ともよろしくお願い申し上げます。



ただ今回のお話はここで終わりではなくもう少し続きまして、今のha | za | maって結局どんなことを大切にしながらデザインやものづくりを進めているのかを、今後弊社のアイテムのご購入を検討して下さるお客様にとっても参考になるかと思い、正直すこし怖さもありますが書かせて頂きたく思います。

まず ha | za | ma のアイテムって高いですよね。確かに高い。

最近はどんどん高くなっていて「松井さん流石にぼったくりなんじゃないの?」って思われている方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。笑

でも安心して下さい。正直 ha | za | ma って売上は落ちたことがなく前期もばっちり売上は伸びたんですけど、何故か利益が落ちてました…(全然安心じゃない)

少し話は逸れましたが、まずは ha | za | ma が何で高価格なのかといいますと

・繊細で制作に高い技術を要する
・加工の希少価値が高い
・オリジナルの資材が多い

が大半の理由を占めています。

ただこれはブランドを始める前から感じていたことですが「価格が高い=強度が高い、傷がない」という感覚が一般的な消費者様の大まかな共通認識としては存在していて、僕自身ももちろんその感覚はありますし痛いほど理解出来る部分でもあるのですが、事実としてこの共通認識とha | za | ma が高価格な理由はなかなかに相反してしまっている側面がございます。

もちろんだからといって決して ha | za | ma のアイテム強度が低いとか、傷が多いとかそういう事が言いたいわけではないです。

更に言うならha | za | ma のアイテムの生産背景における縫製技術が低い、検品体制が甘いとも考えてはおらず、これらの点は今まで弊社のアイテムをお買い上げ頂きました大部分の方にはご理解は頂けると思うのですが(もちろん間違えたことが全くない訳ではなく、どなたから見てもそうという訳ではないと思いますし、違う感じ方をさせてしまった方には大変申し訳なく思っています)、やはり ha | za | ma というブランドが高価格である理由はデザイン性が大きな要因であり、ブランドとして追求していきたい点もデザイナーの僕自身に強くある「今まで見たことないものをお客様に見て、手に取って頂きたい」という想いが重きを占めています。

要するにちょっと極端ですが、ha | za | ma の価格は、生地を裁断する際に効率を無視して傷が一切ない箇所だけを選りすぐり、様々な資材も傷が一切ないものができるまで何度も作り直し、そうやって弾き出されている訳ではないということです。(シンプル目なデザインでもかなり高価格なラグジュアリーブランドなどは逆にこうした要因で価格が上がっているのではないかと推測しております)

もちろん ha | za | ma でもそういった作り方はできますが、現在のデザイン性に加えてそういう作り方をしてしまいますと余りに高価格帯になってしまい、かなり多くのお客様のニーズに反してしまうと推測されるため取り入れてはおりません。(ただこういう話を0か100かで話してしまうと難しい部分もあり、当然出来る限り生地傷を避けたり、綺麗な資材を選んだりという企業努力は多くの場面で行っております)

また念押しをさせて頂きますと、確かに今回即売会限定商品のオーロラ加工の件をきっかけにこういうお話をさせて頂いているのですが、オーロラ加工の件で生じた問題の原因は弊社側からの事前の情報共有不足が全てであり、今後は反省を必ず活かして様々なリスクを有するアイテムに関しては予めのご説明を徹底していくという結論も変わらず、この点が今回の文章において最重要事項であることは間違いございません。

それならば何故こういう話をしているかと言いますと、やはりha | za | ma は今後も徹底して攻めたものづくりをしていきたいと考えておりますので、その際に少しでもお客様の方で価格を含めた諸々にご納得頂けますように、引いてはご購入の際の判断材料になればという想いから綴らせて頂いた次第でした。

こうしたブランドの考え方に関しては、賛否両論があるのは当然ですが、この世界で全ての人が賛同するコンテンツはないと確信しておりますので、あくまでも僕自身が信じたいもの、楽しめるものを追求していければと考えています。



また最後にお知らせがあるのですが、以下の画像をご覧頂けましたら幸いです。



わかりますか…

この牙と手の山…

そう…

これら全て前回のWEB即売会限定のオーロラ加工商品を作る際に検品でB品として弾かれたヒールの山なのです…

正直こんなにB品を出したのはha | za | ma 人生の中でも初めてです…

牙ヒールに至っては写真にうつっていないものも含めますとお客様にお買い上げ頂いた足数と同じ数のB品がございます…

ここで売上が伸びているのに利益下がっているという先の一文に繋がってくるのですが、正直この数のB品は経営的にちょっとまずくないですか…?

つきましては、来たるべき1ヶ月後の12/16-18に東京のみとなってしまい非常に恐縮の限りではございますが、恵比寿の会場にてB品セールを主目的とした実地即売会を行います。
※ご入場は電子チケット制にする予定でして、詳細は後日ご案内させて頂く予定です

そしてこの実地即売会における企画の1つとして、弊社がB品として会場にお持ちするヒールパーツの中からご希望の物を左右で2つ選んで頂き(あくまで種類は同じものをお選び頂くこととします)、後日アッパー部分をおつけしてお送りするという流れにて、宣戦布告のドレスシューズ<aurora ver.>、惹きずり込まれる運命のヒールパンプス<aurora ver.>、惹きずり込まれる運命のドレスシューズ<aurora ver.>、を定価より割り引いて販売する試みを行います。

※ちなみに先日までの出荷において一度B品と判断されたものの中には、事前にご説明をさせて頂ければネットからA品として販売しても問題ないと考えられる寧ろめちゃくちゃかっこ良いB品というものも多分に含まれまして、そういったものはWEB即売会にて入念なご説明のもと定価で販売させて頂く予定でおりますので、画像ほどの数量は実地即売会には持ち込まれないことを予めご理解・ご了承くださいませ。また体感ですが、実地即売会に持ち込まれるものは宣戦布告のドレスシューズ<aurora ver.>の牙ヒールが大半を占めると思います。

まとめますと前回のWEB即売会限定商品のオーロラ加工シリーズの量産の際に、何らかの様々な事情でお客様にお送りする事が難しいと判断されたヒールパーツが大量に生まれてしまいまして、でもその中には先に実物さえご覧頂けましたら個性や個体差として受け入れて貰えそうな素敵な牙や手達が一定数存在しているため、詳細はまだ(仮)の段階ではございますが、また仕組みとしては本当に弊社というか僕判断になってしまって非常に恐縮の限りではございますが、10%off・20%off・30%off・40%offくらいに棲み分けて各ヒールパーツを会場に置かせて頂きますので、そちらを選んで料金をお支払い頂けましたら、後日その選んだヒールが付いた靴が届くという流れになります。(納期はまた設定致します)

またこの実地即売会では、過去シーズンの他のB品アイテムのセール価格販売も行い、実物を見て頂いた方が販売リスクが減りそうなアイテム(美来永光の腕時計など)や、余裕があれば実物を見て頂いた方が良さがより伝わりそうなアイテムも可能な範囲で持って行ければと考えておりまして、今までの ha | za | ma にはあまりなかった企画となりますので、もし宜しければご来場をご検討頂けましたら幸いです。(全てが全てセール価格ではございませんのでその点は予めご理解・ご了承下さいませ)

原則としては、そのまま身につけて帰れてしまうのも最高ですね。
(もちろんB品のヒール状態から選んでご購入頂く企画に関しては、後日納品となります)

そして最後のお知らせになりますが、この流れにて12/23-1/10の期間、ha | za| ma 2022 WEB即売会 2ndを開催いたします。

こちらにおきましては2021SC商品をメインとして、過去シーズンの在庫商品や、入念な事前説明を踏まえオンラインストアから販売可能と判断された前回のWEB即売会限定アイテムのオーロラ商品の在庫も販売される予定ですので、こちらは全国の皆様にも是非とも楽しみにお待ち頂けましたら幸いです。

ちなみに今回は即売会限定新作を製作する余裕がなさそうですので、存分に過去商品と向き合い検討して頂けましたら大変嬉しく思います。

※補足ですが12/16-18の実地即売会におきまして、12/23-1/10に開催するWEB即売会で販売予定の靴のサイズサンプルも会場に置くようにいたします。あまりお試し頂ける機会がないと思いますのでもし宜しければ。



以上、異常に長くなりましたが【反省×所感×お知らせ】の流れにて、初noteを書き綴らせて頂きました。

今回のように間違えることももしかするとまたあるかもしれませんし(ないとは信じたい)、諸々ご心配やご不便をお掛けしてしまい非常に恐縮の限りではございますが、最終的な筋は通せるブランドでありたいと考えており、これからも独自路線を突き抜けていく所存ですので、もし宜しければ今後とも ha | za | ma のことを何卒よろしくお願い申し上げます。

恐らく想定の範囲外であろう長文を読んで頂き、本当に本当にありがとうございました。



ha | za | ma 松井

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