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Brandingを超えたBondingを実現するために。

Brandingについて考える機会があり、そんななか色々とリサーチをしている中で、デジタルエコノミー時代のリテールを考える上で必要と言われているBOSSモデルを思い出したので、備忘録メモ代わりに整理してみた。

BOSSモデルのBは、Bonding, not Branding、のBでBrandingではなく、Bondingがより重要になるとのこと。
Bondingは

顧客と体験を共有した結果、築かれた密な関係

と解釈できる。(英語では"A close relationship that develops as a result of shared experiences with a brand.")エンゲージという考え方に近いかもしれない。ここでのBrandingは狭義で使われており、既存の大手企業が大金を使ってマス向けにブランド広告を行い構築するものを言っていると思われる。

例として、以前もnoteで取り上げたDollar Shave Club(DSC)について言及していて、誰もGilletteのCEOの顔は知らないけど、多くの人がDSCのCEOの顔は知っている。つまり、GilletteよりもDSCのほうが顧客とのBondingが強いと。当然顧客に直販をしているDSCのほうが、小売店などを通じて販売するGilletteよりも顧客とのつながりは強い。大金をかけたCMよりも手作り感のあるyourube動画のほうがBondingを強くできる。。(とはいえ、Harry'sのように小売店を通しても顧客とのつながりを作ることもできる。)
Glossierのように、商品を販売する前にblogを通じてコミュニティが形成され、それにより強いBondingが形成された例もある。
3ドル均一のリーズナブル日用品ECのBrandlessも基本ネット直販だが、期間限定でPOPUP SHOPを展開し、CEOが一日中SHOP内でユーザーとコミュニケーションを取るなどBondingを強めていた。
ロゴのタトゥーを入れているユーザーもいるというエアロバイクのPelotonなんかも、ライブストリーミングやコミュニティでBondingしているイメージが強い。

では、どのようにすれば強いBondingを構築できるのか?もちろん単に直販すれば良いということではない。David Bell曰く、下記の3つが必要とのこと。。

プロダクトの機能的&エモーショナル&象徴的価値

ベースとしてプロダクトは大事だよ。という至極当然の話。
機能的に優れているというだけではなく、顧客の課題を踏まえたエモーショナルな部分やプロダクトを通して自己表現ができるとかも大事だよ。とかはいわゆるBrandingでもよく語られる部分で、特に目新しいことではない。

むしろ海外D2Cブランドなんかを見ていると、機能的な価値を絞り込み、その分エモーショナルな価値や象徴的価値を押し出しているものも強いような印象がある。

・プロダクトは(少なくとも1要素以上で)既存のものよりも優れているか?
・文化的背景や顧客の課題を踏まえて、エモーショナルに共感される要素を持っているか?(シンプルに言うと。。使うことで良い気分になるか??)
・プロダクトを使うことで顧客の自己表現が可能か?

会社としての透明性

DSCのCEOの顔は知っているが、GilletteのCEOは誰かすら知らない、みたいなのも透明性の一要素。また、EVERLANEのような透明性をプロダクトに落とし込んだブランドもある。その他、使っている原料のシンプルさや原産地の開示、製造工程を開示、調査結果などのリーズニングなど。いわゆるコーーポレートブランディング的な部分に近い。

D2Cブランドはスタートアップが多いため、他ブランド展開をしておらず、基本はコーポレートブランド≒サービスブランド。そのため、コーポレートとしての透明性の訴求が、ブランドそのものの透明性の訴求につながる。

・顧客がコーポレートのことを知ることができるか?
・プロダクトのコアとなる部分について根拠が示されているか?

説得力のあるコンテンツやエンゲージメントの高いコミュニティ

Glossierに代表されるようなブログを起点としたコミュニティや、allbirdsのようなインスタを活用したコミュニティ、DSCのコンテンツMEL、他のD2CブランドではFacebookグループを使ったクローズドコミュニティなどもある。スタートアップだけではなく、Nikeのような大手企業もランニングアプリなどを使ってコミュニティを構築していると言っている。

自然発生的にコミュニティが生まれることもあるが、意図的に場やコンテンツを用意していることが多い。むしろ、コミュニティの中からプロダクトが生まれてくる、とうのが理想形に近いのかもしれない。

コンテンツについても押し付けのストーリーではなく、顧客が潜在的に感じている課題が言語化されているようなものが必要と思われる。

・ブランド/コーポーレートを表現するコンテンツはあるか?それは、顧客にとっての課題が言語化されているか?
・ユーザーコミュニティが発生しているか?そこからプロダクトが生まれてくる/改善される気配があるか?


まとめてみると、特別なことを言っているのではなく、スタートアップとしてブランドを作っていくとするとまあこうするしか無いよね、という内容とも言える。また、直販かどうか、というのはあまり関係がない。実際David Bellは小売店をメインチャネルにしたD2Cブランドもあると言っている。

そもそもブランドを作っていく、ということと顧客を獲得していく、ということは別モノであり、グロースが求められるスタートアップでは顧客獲得に資源配分が偏りがちになる。そこでしっかりと上記の3点にリソース(時間や人、お金)を避けているのか?というのはチェックリストとして時たま確認したい。


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haztr | snaq me hattori

hattori。食のスタートアップ「スナックミー」代表。コンサル→VC→スタートアップ起業。
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