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自転車の弱点

昨日大阪某所に出張に行った。

どこも過疎化が進む時代の中、
その町はここ数年で居住者が増えたらしく、
駅を降りて目的の会社まで歩く10分ほどの距離でも
買い物に行くと思しきマダムの方と
沢山すれちがった。

この町でも自動車は走っているが、
マダムたちの移動は圧倒的に自転車である。

私がすれ違ったマダムは100%自転車にのり
そのうち半分ほどの方が
お子さんを載せる補助シートを自転車に
取り付けていた。

やはり乗り物には地域性がでるものである。

そう思いながら見ていると、
それらの自転車には別の特徴があることに
気が付いた。

90%ぐらいの確立で傘を固定する道具が
取り付けられていたのである。

昨日は春らしい良い気候だったので
雨傘をさしながら乗る人は見なかったが
日傘を固定して運転しているマダムを
チラホラと見かけた。

傘を自転車に固定するこの道具自体は
かなり以前からあったと思うが、
一時メディアにもよく取り上げられていたので
とても有名になった。

私は大学生の頃、毎日片道10km以上を
自転車で通学していた。

公共交通機関がない場所ではないのだが、
定期券が非常に高かったことと
自宅から大学までは京都市内をズドンと
東西南北に突っ切るような位置関係だったので
毎日色んなルートで京都を見る事ができて
距離のわりに自転車通学を苦痛と思うことは
ほとんどなかった。

だが、それも晴の日限定である。

自転車は雨が降ると俄然弱い乗り物になる。

片手で傘をさすわけにはいかないし、
かといって夏場にレインコートを着て
長距離自転車をこぐなど、ほとんど罰ゲームである。

なので、撥水のウインドブレーカーなどを着て
通学はやり過ごしてきたのだが、
当時から雨にぬれずに自転車に乗れれば
いいなとずっと思っていた。

自転車に傘を固定するこの道具を
当時の私が知っていたならば
迷い0で導入していたことであろう。

だが、この傘を固定する道具は
違法なのではないかという議論が
過去から繰り広げられているのも事実である。

厳密にいうとこの道具を使うこと自体は
全く違法ではないのだが、
固定する傘の大きさや長さに制約が
出てしまうのだ。

エコの観点から本当は自転車で行きたいのに
雨の日を思うと自転車で行くことができない。

そんなニーズは間違いなく多いと思う。

私も通勤で毎日バスを使用しているが、
雨の日を気にしないでいいのであれば
運動も兼ねて駅から自転車に切り替えたいと
思っている。

何とか雨の日も気にせず自転車に乗る方法は
ないものだろうか。

そんな風に思い調べてみると
こんな商品が販売されていることがわかった。

大阪にあるコロポックルという会社が
製造販売している商品らしい。

コロポックルWebサイトより

同社のWebに記載されている商品紹介などを
見る限り、
少なくとも10年ほど前から販売されているようだが
残念ながら私はまだ一度も街中でこれに
遭遇したことはない。

見た目が目立つことや値段がそこそこするのが
大きな理由であろう。

考えてみれば原付でもピザのデリバリーで使用されるような
屋根付きのものが市販されているにも関わらず、
街中で見る事はほとんどない。

これはやはりその値段の高さ故であろう。

昨今環境問題のことが色々と叫ばれ、
いかにCO2排出量を下げるか議論がなされている。

また、先日も経済的な観点で自動車を保有することが
いかにコストがかかるかを記事に書かせて頂いた。

今後さらに自動車離れは加速する中で
必ず議論になるのが、
その代替をどうするかということである。

タクシーやカーシェアももちろん
一つの選択肢であるが、
これらの選択肢は結局のところ
自動車を使うという観点では大きな差にはならない。

ある意味自転車というのは
この時代のニーズにとても合った乗り物ではないだろうか。

余計な二酸化炭素も排出せず、
こぐことで膝への負担が少なく運動効果も得られ、
そして、歩くよりもずっと早く
維持費用、メンテナンス費用もそれほどかからない。

日本は島国で勾配のある居住地が多い国ではあるが、
それも今の電動アシストの技術を使えば
それほど大きな問題にはならないだろう。

しかし、そんな理想的な乗り物である自転車の
最大の弱点は雨の日に乗りにくいことである。

今回ご紹介した自転車に取り付ける屋根は
まさにそんな課題を劇的に解決してくれる
優れものである。

これを導入することで見た目が気になってしまうのは
現時点で他の人があまり使っていないからに他ならない。

こんなに画期的な商品なのに
街中であまり見かけないのは
とてももったいないことである。

政府がこのような商品の購入に
補助金を出してやれば、自転車の普及率が高まって
CO2排出量削減につながっていいのではないか。

この商品の会社とは私は何の関係もないが
ふと出張で降り立った町で出会った自転車から
こんなことを思った平日の昼間であった。

ちなみに自転車に傘を固定する道具は
「さすべえ」という商品名で売られているらしいが、
日本全国で出荷されるうち半数以上は大阪に
販売されているらしい。

なぜ大阪のおばち…もといマダムだけが
これを喜んで使うのだろうか。

そんな謎も掘り下げてみたい今日この頃である。

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