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スーツと思い込み

YouTubeで動画を見ていると
最近しばしば目にするこのCM
(厳密にいうとこのCMではないかもしれないが)

2月も後半になってきたので
そろそろ4月から新社会人になる人が
いわゆるフレッシャーズスーツを買う時期である。

そんな顧客に向けて放映されているCMだと思うのだが、
私にはどうにも違和感があることが1点ある。

それは男性のフレッシャーズスーツの多くが
スリーピースだということである。

スリーピーススーツとは何かと言うと
パンツとジャケットに合わせて
ジャケットの中に着るベストがセットになっているものである。

私の中でスリーピーススーツのイメージは
何となくカジュアルなイメージがあり、
若い人が着るとチャラチャラと浮ついた印象が
出てしまうと思っていたのだが、
どうやら今の時代は新卒でいるスーツは
スリーピースが多くなったらしい。

スーツはトレンドが比較的明確に変わるものなので
この変化も別におかしくはない。

しかし、私の中ではやはり新卒社員が
スリーピースを着ていると違和感があるのである。

そんな風に思いながら、先日仕事でとある業者の方と
お話していると、
ふと先方が私と同じように若手社員のスリーピーススーツに
違和感を持っているという話をされていた。

こんなことに違和感を持っているのは
私だけだと思っていたので、
私としては急に自分の前に味方が現れた気がして
とても嬉しくなった。

その方曰く、スリーピーススーツを着ていいのは
仕事がデキる人だけだそうである。

それはそれで偏っている気もするが、
あながち私のイメージとも遠くない気がする。

若い人が着るとチャラチャラして見えてしまうのは
そのスーツ自体がデキる人風に見えるからこそであろう。

ではスリーピーススーツをカッコよく着こなせる人は
どのような人かを考えてみると、
私の中では石黒賢さんに行きついた。

昔流行ったショムニというドラマで
石黒賢さんはデキるイケメンビジネスマンを演じており、
スリーピーススーツをカッコよく着こなしている
イメージが私の中にあったからである。

このドラマの舞台は満帆商事(シリーズ2から社名が変わるが)
という商社であり、
その商社オフィスで石黒賢さんは颯爽と歩き
その姿がとてもカッコイイと私は男ながらに思っていた。

その当時の石黒賢さんの年齢はわからないが
恐らく30代前半ぐらいだったのであろう。

職場で明らかに信頼されており、
大口の仕事を任される絵は新卒3年以内という
感じではまったくなかった。

やはり、スリーピーススーツを着るなら
石黒賢さんがピッタリイメージにあう。

そんな風に私は思っていたのだが、
ふと気になってGoogleでその画像を
探して観る事にした。

何が気になったかというと、
今の時代のスリーピーススーツと
型が同じかという点が気になったからである。

冒頭にも書いたようにスーツというのは
トレンドが変化するものなので
ショムニが放映されていた1998年当時と
(驚いたことに26年前)
今ではスリーピーススーツと言っても
型が違うかもしれない。

それならば私の頭の中のイメージを
少し修正する必要があると思い
調べてみることにしたのである。

早速Google検索にワードをいれて
調べてみるとズラっと画像が表示された。

懐かしい画像が色々と表示されるのだが、
どれを見てもあるものが写っていなかったのである。

そう、スリーピーススーツ姿の石黒賢さんは
そこにはいなかったのだ。

それどころか、このシリーズで石黒賢さんが
主に着用していたのは三つボタンスーツである。

確かにこの当時の若手ビジネスマンは
三つボタンスーツというイメージがあったが
私はそれとスリーピーススーツを勘違いしていたのである。

どちらも胸元のいわゆるVゾーンが
狭いので頭の中で混同してしまったのであろうか。

とても不思議であるが、
この結果から石黒賢さん=スリーピーススーツというのは
私の完全な思い込みであることが明らかになった。

実は私達はこのような勝手な思い込みが
多々あるのかもしれない。

何事もそういうものだと受け入れず
一度調べてみることも大事なのだと
今回のエピソードで強く感じさせられた。

あと1か月半もすると世の中には
スリーピーススーツをカッコよく着こなした
新卒社会人の方々が町に出てくるのであろうが、
彼らがその見た目に似合うように
早くバリバリと仕事をこなせるように
社会人の先輩として教えてやろうと思う。

ちなみに数年前に一度DVDを借りて
ショムニを見たことがあるのだが、
今の時代では考えられないような
表現や風景が収録されていて驚いた。

一見あまり変わっていないようで
世の中はこんなにも変化しているのである。

そりゃ、右肩を上げると痛くなったので
近くの接骨院に見てもらうと
「四十肩」だと言われるのも仕方ない。

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