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最強の要領集団

 ツバメが雨の中を飛んでいた。ツバメが飛ぶところをちゃんと見たことがなかったが、異常な軌道で空を飛んでいる。スズメとも違う。羽を広げたり、閉じたりして、急上昇、急降下、急旋回を繰り返しながら、飛んでいる。変な飛び方だなぁと思いながら、人は決して鳥にはなれないとも思った。飛行中に急に羽を折りたたむなど、飛行機では再現できない。僕達がやっていることは、あくまで鳥の真似事なのだ。それを認識すれば、どういう振る舞いをすれば良いか分かってくるはすだ。星野源さんの、[ばらばら]という曲の哲学にも共通しているな、と風呂に入りながら思った。二人は一つにはなれない。あくまでもばらばら。だが、それこそ自立と共存の要なのだと思う。

 今日は、久しぶりに座学教官から、オーラルの試験対策をして頂いた。航空機事業を営む上での4大原則というものがある。安全性、快適性、定時性、経済性だ。教官がエアラインでパイロットをしていた頃、常にこれを軸として働かれていたそうだ。航空会社は、サービスという商品を提供している。お客さんの立場から考えれば、どの優先順位で商品が求められるのかが見えてくる。常にお客さん目線で飛行機を飛ばせられるパイロットになろう。

そして、オーラルの最後に二つアドバイスを下さった。

一つ、決められた訓練期間で訓練を完遂させること。

一つ、仲間と協調性をもって訓練をしていくこと。

エアラインに入れども、社内の審査に決められた期間、時間内にパスしなければ、そこで終わりだ。だから、要領がいる。

パイロットは、最強の要領集団というのをアメリカの教官が仰っていたことを思いだした。

要領を身につける為にはどうしたらいいのか、その鍵になるのが、二つ目の仲間との協調性である。つまり、全部一人で解決しようとせず、補完し合うということだ。彼が分からないことは、僕が教え、僕が分からないことは、彼に教えてもらう。この能力を養うことが、最も必要なものをピックアップできる能力に繋がるのではないか、と思う。逆に必要なものをピックアップできる能力の強化は、協調性強化へのキーポイントとなると思う。僕なりの考察だが、要領を得る方法は、これからも学んでいこう。