SE視点の転職活動

こんにちは、はむたまです。
前回の投稿からとても長い月日が流れてしまいました。
本業が忙しくなったことで週末note投稿の気力を失っていました。
また少しずつ上げていければと思いますので、よろしくお願いします。

今回は現役SEから見たときの転職活動について、他業界からIT業界に転職することを主眼に置きながら、どんな転職先を選ぶべきか検討します。
本記事を読んだことで以下について興味を持っていただければと思います。

  • IT業界はすでに薄利多売の業界で儲けは薄い

  • 社会影響力がある仕事は、IT技術ではなくビジネスコンサル

  • IT企業の転職なら海外のベンダーがおすすめ

では本題に入ります。
コロナバブルが訪れて早3年が経ちましたが、皆さんの関わる業界はすでにコロナ前の生活に戻りつつあるのではないでしょうか。
一時期はテレワークやサテライトオフィスを使ったリモートワークが主体な企業も、作業効率が落ちるということで出社を再開しましたね。
お客さん先に赴き、顔を突き合わせながらホワイトボードに互いの理想像を語り合うなんてことも元通り行われています。
コロナがもたらしたIT化という意味では飲食店や小売店のアプリ化やQRコード利用化くらいでしょうか。Zoomなどのオンライン会議ツールは使われてはいるものの一時期ほどのブレークスルーはなくなりました。
一方で変わらなかった部分も多分にあります。製造業などの現場での作業が必要で、かつ人が作業をすることを強いられる業界については、一時期思い描かれたような遠隔作業化は浸透していません。
スマートデータファクトリーやIoT工場といった言葉は独り歩きし、昔からシステム稼働していた工場のログや稼働実績を集計して、分析しているにすぎません。製造工程のフローをシステム化なんてものはおよそ30ー40年ほど前のパソコン黎明期時代からあるものです。

では今のIT企業が提供しているITサービスとは何が挙げられますでしょうか。AWSやGCPといった海外ベンダーが提供している技術を駆使し、自社でカスタマイズして利用することが難しいお客様に、中身が何か気づかれないようにパッケージ化して提供する形態です。もちろん自社開発をして、類似商品との差別化を売りにした製品もありますが、日経IT企業の開発製品はとにかくニッチな製品ばかりです。
理由は単純です。技術開発にお金をかけられるようなビジネス形態ではないからです。
皆さんがパソコンを買ってnoteを書こうと思ったらWindowsかMacかOSを選んで、ブラウザかChromeか検索エンジンを選択するくらいでしょう。わざわざ課金してまでnoteに似た編集ができるテキストエディタやnoteを立ち上げる手間が少し省けるツールを利用することは考えないでしょう。
上記のようなサービスを提供しているのがIT業界です。
もう少し正確にいうなれば、人が検知できない(24時間365日)の監視体制やバージョンが変わった際に利用者が考えずに利用継続できるようにサポートを提供しています。そこにはむしろ利便性を損なうような設定が必要になったり、二重管理が生まれるような多重下請け構造が存在します。

業務効率化や人的作業の削減を効果として売りにするIT企業の実態は、むしろ多分に人を使っており、コストが膨らむ一方なのです。
全自動化をするにも既存のシステムから移行が必要で、移行したあとのメンテンナンスにも人を使っています。このように多くの人の作業によってITサービスは成り立っているため、システム利用料が高くとも、IT企業に還元される利益は微小なのです。

上記の考えに一部反論をするならば、よりお客様の経営に近い上流工程のシステム開発なら儲かるのではないかと思うかもしれません。一部あってはいますが、その考え方は古くすでに間違っています。多くの企業はシステム化の提案(DXやRPAなど)を行った後、自社の開発部隊で実装から保守までサービス提供することを唄います。しかしながらお客様の求める要件を叶えるには海外で利用されている一般的なサービスを組み合わせ、あたかも自社で作り上げたかのように提供する必要があります。もちろん全部を好きなように作れるわけではないため、システムは綻びだらけで、統制が取れているようで障害が多発する杜撰な成果物が提供されます。
要件を的確に押さえてシステム化することで確かにDXが実現され、お客様のビジネスにプラスの影響があれば喜ばしいかもしれません。しかしお客様満足度が高くとも、システムの設定と保守に人を使いすぎます。

ときに、ITで社会全体を支える影響力のある仕事を求めてIT業界を選ぶ人もいます。私はこの転職理由は少し的外れに感じます。例えば銀行員が日常業務がアナログすぎることに嫌気がさし、もっと効率的に変革するにはIT技術が必要だと思うが、技術も知識もなくて学びたいから転職したとします。そこで学べるのはIT技術を使ってシステムを構築したり、保守したり、お客様に提案できることで、実際の業務に関わることはほとんどありません。
銀行員として窓口営業していたころのEXCEL管理や台帳管理が手間かもしれませんが、意味ある数字や要望を確認して、次の行動できるのはやはり銀行員です。IT技術を使えば省力化や一元管理、ベテランの営業マンの判断に寄せることはできますが、目の前のお客様と話をして、その人の将来を支えることができるのは銀行員です。
なので私はIT技術で何かを成し遂げたいと思うのではなく、成し遂げることがITでできるなら使うくらいのスタンスがいいと考えます。

話を戻しますと転職も同じです。ITで何かを成し遂げることを目的とするのではなく、成し遂げたい将来に関係する業界に転職すべきです。どんな地震が来ても倒壊しないビルを作るなら建設業でしょうし、さらに最先端のことがしたいのなら研究者もあるでしょう。
それでも転職を志す人の大半は、既存の業界に嫌気がさしていて、別の業界で少しでも給与がよさそうな会社を選びますよね。
そんなときはIT業界も捨てたものではありません。他業種に比べると平均給与は高く、若手から現場に触れることができるので習得難易度が低いです。また特定の専門知識を得れば海外のベンダーで働くことも可能です。
日本の企業で転職する際には500万ー1000万程度の求人も転職者も多いのではないでしょうか。視野を広げてみて、海外のベンダーにした場合、SEの平均給与は1000万を下りません。それくらい技術開発するSEに価値を置いています。
現状ありものを組み合わせて、薄利多売のビジネスに成り下がった日本のIT企業に未来はありません。銀行員における金貸しのような本質的な仕事をIT企業で経験するには、海外ベンダー一択でしょうか。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?