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Stray Kidsのコンビについて(2KidsRoom全28エピソード感想)

はしがき

私がSTAYになってそろそろ一年が経つのですが、振り返ってみると自分でも信じられないくらいの量の文章を書いてきました。


新規ハイの勢いで書いた沼落ちエントリ


新規だしメンバーの掘り下げに占いの力でも借りるか〜という軽い気持ちだけで始めてしまった個人についてのエントリ(ちゃんと全員分あります)

で、「沼落ち」「個人について」ときたら次はコンビについてだよな〜と思いつつも、書くのになかなか踏ん切りがつかなかったんですよね……


とりあえず推し(ハン)周りだけ書いたやつ

そうこうしているうちにキッズルーム動画の最新版、2KidsRoomが始まりました。
わ〜めっちゃ楽しみ〜どんな組み合わせで来るかな??と思ってたら

運営「全ケミ28エピソードやるで〜〜^^」


正気か???????



正気かはわからないけど本気だった。
本人たちも最初この企画を聞いたとき「マジか…………」って思ったんじゃないでしょうか。自分の回だけでも量が多いのに自分以外のペアが出演してるときも別室でトークしなきゃいけない。まさに地獄の徹子の部屋。(残念ながら彼らには伝わらない概念)一本の動画が15分前後、28本で約7時間なので収録時間はそれ以上だったと思います。本当にお疲れさまでした。

(圧巻の再生リスト)

最初感想を書くつもりはなかったんですが、終わってみるとやっぱり自分の言葉で残しておきたいなと思ったので今更ながら書いてみることにしました。とは言ってもこれだけの本数の動画を一つ一つ見返しながらまとめていくのは体力的にも精神的にも本っっっっっ当に大変で、何度辞めようと思ったかわかりません。食べても食べても体重が減っていくしなぜか利き手と逆の手が腱鞘炎になった。(スマホ時代の宿命)
でも皆さん、誰かが書いた推しケミの怪文、読みたくないですか?私は読みたい。奇怪なら奇怪なほどいい。なので誰か一人でも届くべき人のところに届いたらいいなという思いで書きました。これを以て私なりの「Stray Kidsのコンビについて」の文章とさせていただきます。


はじめます




※サブタイはフレーバーです




EP.01 ヒョンジン × フィリックス
「THE ART OF LOVING」

一番手はヒョンリクスです。初手ヒョンリクスはつえ〜んだわ……まあみんなだいたいヒョンジンかフィリックスが入口ですし。(諸説あります)
で、すべてのエピソードを見たあとにこれを書いているので総括みたいになってしまうんですが、2KidsRoomはヒョンジンの成長の物語だと思うのです。過去のキッズルーム動画のヒョンジンは「自分が何を言うか」にこだわっているふしがありましたが、今回のフィリックスとの会話では一貫して「相手にどう伝えるか」を重視しています。ヒョンジンが辛かったときフィリックスに英語で泣きついたというエピソード、二人は笑い話にしていましたが、私はそこに母国語でない言葉を使ってでも相手にわかってほしいというヒョンジンの切実な思いを感じました。昔はヒョンジンが疲れているときもずっとふざけていたというフィリックスもまた、繊細なヒョンジンに接するにあたって何度も自分のコミュニケーションの在り方を見直したのではないでしょうか。
「今までは本当の友達になるということに努力が必要だとは知らなかった」というヒョンジンの言葉は、エーリッヒ・フロムの「愛するということ」にある「愛とは先天的に備わっているものではなく知恵と努力によって習得する技術である」という主張を彷彿とさせます。ヒョンジンがもしフィリックスとの長い対話の中でその考えにたどり着いたのだとしたら、それはとても素敵なことだと思います。フィリックスが「君は僕が生きる理由の一つだ」と言ったのも、自分の存在が相手に大きな影響を与えていることを実感できたからかもしれません。太陽は他の星辰ほしが自分の光を受けて輝くのを見て、初めて己の大きさを知ることができるのですから。



EP.02 チャンビン × スンミン
「バラ色の人生」

ブーブーワンワンクルモンズです。(牧場?)
見ていて改めて思ったんですが、スンミンは本当に心の底からチャンビンを慕っているんですね。確かにスンミンはトムとジェリーよろしくチャンビンのことを死ぬほどイジり倒すんですが、宿舎が分かれたとき真っ先にチャンビンに電話をかけてビデオ通話しながらご飯を食べたりとなんだかんだで一番頼りにしてる存在なのかなと思います。この回でも「運動しているとき(僕に)会いたくならない?」と聞いたり、逆にチャンビンに「僕が運動するのに君が一番必要ないよ?」とすげなくされてちょっと不服そうな顔をしたりと、ふだん飄々としているスンミンにしては珍しく欲しがりなんですよね。普段チャンビンに頼っている分、相手にも頼ってもらいたいのかなと感じました。スンミンは実生活でも弟でスキズの中でも下の方なので、たまには頼られる役割も担いたいのかもしれません。
「(チャンビンが)普段上手くこなす人だからっていつも上手くいくわけじゃない」というのも、本当にその通りだと思います。それをちゃんと分かっていて、きちんと労うのはスンミンなんですよね……。普段は相手を褒めて褒めて褒めちぎる側のチャンビンが、何とも言えない表情をしていたのがとても印象的でした。
「同じことを繰り返す日常、みんなやファンの隣で地道に過ごすことが幸せ」という境地に至るまでに、どれほどの苦しみや葛藤があったのでしょう。二人とも裕福な家庭の長男として生まれ、もしかしたら他の人より職業の選択の余地があったのかもしれません。それでも敢えてこの険しい道を選んで良かったと思えるなら、人生はきっと美しい色をしているはずです。



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EP.03 リノ × アイエン
「あの世へ持っていけるもの」

アリランです。この二人を前にして他のメンバーが全員「何このコンビ?????????」みたいになってたんですが、そんなに「ない」んですかね??アリランは……あります……。
そんな周りの心配をよそに、二人とも死後の話など結構エグめの内容で盛り上がって(?)いました。リノが死んだあとの話で「もし僕が夢でついてきてって言ってたらついてきてね!」と言っていましたが、普通に道連れにしようとしていますね……。それに対して「僕が先かもしれないじゃん」「僕が(やみ路の)道を磨いておくよ」って返すアイエンもなかなかのものですが。
で、ヒョンジンが言っていたようにお互いに怒らせないようにしているというのは興味深いです。年下のアイエンがリノを怒らせないようにしているのはともかく、年上側のリノもアイエンを怒らせないようにしてるというのは独特の距離感ですね。二人とも媚びず引かずのパキッとした性格をしていて、似た者同士お互いの逆鱗がわかるのかもしれません。でも誰かが落ち込んでいるとアイエンは肩に手をかけたり、リノはさり気なく声をかけたりと、二人とも普段の「ツン」が強い反面、人の気持ちに寄り添える優しさもちゃんと持ち合わせているのだと思いました。
そんな二人が当たり前のように十年後やそれ以降のステージの話をしてくれたのはSTAYとしては嬉しい限りです。たとえあの世へは何も持っていけないとしても、リノが言うように最後の最後まで車いすに乗ってコンサート会場で会いたいですね。


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EP.04 バンチャン × ハン
「One small step, one giant leap」

チャニハニです。冒頭で触れた通りハンのコンビの話は以前のエントリで散々やったんですが、今回は2KidsRoomの感想なのでもう一回やります。推しの話はできるときにしろって言いますし。
バンチャンが機嫌悪いときハンは声をかけてくれるというくだり、スキズってバンチャンに限らず機嫌が悪いメンバーがいると近寄らないようにしている感じですが、ハンは確かにいい意味でそういう空気を読まない印象があります。最初のTwoKidsRoomでもバンチャンが誕生日に一人で作業していたらハンが何で一人でいるの?って泣いたというエピソードがありましたが、そういうバンチャンの近寄りがたい孤独や繊細さに奥せず切り込んでいけるのがハンの強みではないでしょうか。
あと、バンチャンが普段ゲームをやらないハンと一緒に夜通しゲームをやったというエピソードを本当に嬉しそうに話すんですよね……。ありふれた日常の一コマのように感じますが、バンチャンにとっては特別なことだったのかもしれません。特にバンチャンにとってハンは(アイドルとしての技巧的に)手がかからないメンバーで、相対的に彼へのプロデューシングには時間を割いていないと思われます。その分一対一の思い出というのを大切にしているのかなと感じました。最後に「お互い成長したね」って年下のハンの方から言っているのがちょっと笑ってしまったのですが、そうやって言えるほど長い年月を共に歩んできたのでしょう。
もうバンチャンはハンが初めて事務所に入ってきたときのことをほとんど覚えていないそうですが、二人の出会いが3RACHAの萌芽となり、そして自らがセルフプロデュースするStray Kidsへの足がかりとなったのだとしたら、それはやはり偉大な飛躍のための小さな一歩だったのだろうと思うのです。




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EP.05 チャンビン × ヒョンジン
「ボヘミアは海辺にある」

ヒョニビニです。ヒョンジンはスンミンと並んでチャンビンを苛立たせるツートップですが、このへんは年齢が一つ違いならではのバチバチ感だなと思います。(儒教の教えとは……?)
この二人は同じものを見て同じことをしていても、受け取り方が面白いほど異なります。塩パンのことをチャンビンは「海水に溺れたパン」で、ヒョンジンは「君から海の香りがするパン」「海を抱いたパン」と表現していましたが、これがまさにリアリストとロマンチストの違いだと感じました。「誰とするか」が大事なチャンビンと「何をするか」が大事なヒョンジンの話も面白かったです。ヒョンジンのようなタイプの方が繊細な反面、孤独には強いですね。
チャンビンの肖像画を描く描かないの話で、本当は嬉しくないのに嬉しいフリをしていたらどうしよう?と心配するヒョンジンに対して、チャンビンが「(そう思うのは)」君がそうしたことがあるからだよ」とズバッと指摘するのは非常にチャンビンらしい鋭さです。で、暗に自分は本当のことしか言わないよ、と仄めかしてからの「(君は)僕の人生に非常に影響を与えたんだ」という文句はなかなか心憎いですね。話を聞いているヒョンジンも心なしか目が潤んでいるように見えました。
チャンビンはこの回だけでなく、2KidsRoom全般で「表現すること」の大切さを説いています。そこに「何を」「どうやって」伝えるかを重視するヒョンジンのようなきめ細やかさはさほど見受けられません。ヒョンジンは言葉に対しても完璧で美しいものを見せたい、間違いは許されないという芸術家であり、チャンビンはまず言ってみることが大事で、うまく伝わらなかったら都度修正すればいいというプロデューサー的なスタンスなのかなのかもしれません。
即興的で計画性に乏しい二人が、この放送が終わって一週間以内にV LIVEをやろう!と宣言していましたが、無事実現して良かったです。言葉の世界は疑おうと思えばいくらでも穿ち見ることのできる深淵ですが、同時に口に出せば願いが叶うユートピアでもあるのです。


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EP.06 フィリックス × スンミン
「降っても晴れても」

デンニャンズです。この二人は数年前からデンニャンスクールと銘打ってコツコツとコンテンツを作り続けているという、先述のヒョニビニとは真逆のコンビですね。私は完全にヒョニビニ寄りの人間なので本当に頭が下がります。
あと、開幕早々ダルめのアクションを取ってくるスンミンに「手が焼けるな」って言うお兄さんフィリックス、割と貴重じゃないですか?フィリックスはメンバーの中でも下の方で、上にも下にもしっかり甘えている印象が強いので……。STAYになってもうすぐ一年になる私でもたまにどっちが上だったっけ?となります。すみません。
今回の話ですごく印象に残ったのが、スンミンがフィリックスの歌を褒めているシーンです。他のメンバーがフィリックスの声やパフォーマンス、コンセプト力を褒めることはあっても、歌に言及したのはスンミンが初めてではないでしょうか。スンミンが言っているのは恐らくMuddy Waterのラップのことだと思うんですが(違ったらすみません)あれは確かに私も唯一無二だと感じました。スンミンはボーカルということもあり、聴覚から得るものを大切にしているのでしょう。反面、フィリックスの「髪を染めると考え方や行動が変わる」という話ではいまいち腑に落ちない顔をしていたのがちょっと面白かったです。スンミンはビジュアル面ではあまり派手に印象を変えてきませんしね。(奇しくも今回のカムバは前髪メッシュでしたが……)フィリックスのほうが視覚情報に敏感なのかなと思いました。フィリックスはハイトーンのときは陽気ですが、黒髪だと若干ナイーブな印象を受けます。
フィリックスがスンミンへのメッセージに英語で「君は頭から爪先まで素晴らしい人だ」と書いていたのが、なんともストレートで良かったです。どんなときでもコツコツと自己研鑽に励む、真面目で努力家の二人が報われる世界であることを願っています。


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EP.7 バンチャン × リノ
「10月はたそがれの国」

ヒョンラです。「超つまらない組み合わせ」(スンミン)「お年寄りの2人」(チャンビン)と散々な言われようですが、リノにとっては唯一自分が「弟」になれる組み合わせです。リノのこと合法でリノヤ〜って呼べるのはバンチャンだけですし……。
前回のTwoKidsRoomが3年前で、そのときは何でもない雑談で盛り上がっていたのですが、今回はしっかり年長者同士の会話でした。特にリノが「次男みたいだった?」と言うところ……明文化はされてはいないけど次男の役割ってやっぱりあるんでしょうね。もともと三男で自由にやっていたリノがグループのナンバー2になってしまったというのは、結構なプレッシャーだったのかもしれません。バンチャンがリノのことを他の弟たち以上に弟扱いして可愛がっているのは、せめて自分くらいは変わらず頼れる兄でいてあげようという優しさを感じました。
反面、「年長の新人、キャリア採用」のリノにダンスのリーダーという役目を与えたバンチャンのバランス感覚は本当に感服します。リノもそういうバンチャンの細やかな気遣いを感じるからこそ「チームより自分を気遣ってほしい」という言葉が出たのでしょう。それが言えるのはやっぱり次男のリノしかいませんから。
バンチャンがリノに「韓国語は最後まで聞かないといけません」と言われたあとに「主語をしっかり話してほしいんだけど」と言い返すのはなかなか面白かったです。仏教と儒教の国に生まれたリノの「人生は実践だよ、どうせ死ぬ時の順番はないから」という言葉は、果たして英語圏で育ったバンチャンにどう響いたでしょうか。


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EP.08 ハン × アイエン
「Today is a good day to die」

ポッポズです。ポッポズ待ってた。この回から撮影が別日になり、テーマカラーもイエローからピンクになっています。28エピソードぶっ通しで撮影じゃなくてよかった。
で、開幕からずーーっとアイエンとポッポする話ばかりしてるハンジソン……ホワイトデー・キスデー・自分の誕生日と何かにつけてポッポをせがむのしつこすぎて笑う。ハンって普段そんなに他人に対して執着を見せない分、一回スイッチが入ると止まらないんですよね。まあアイエンの方は毎日それが7人分なのでかわし方も手慣れたものですが……。あとアイエンが話しているときに膝がハンにぶち当たったり、勢い余って小道具のフレームを壊したりとアイエンの勢いの良さ(?)が際立っていました。
ハンはアイエンに自分の物をよくプレゼントしているんですよね。この回でも冷蔵庫持っていっていいよって言ったりとあげ慣れている感がありました。このあたりの会話、部屋を出て夜中に水を飲みに行くのは面倒でしょ?とか、台車で持っていけば重くないよ?とか何でもない話なんですが、彼らにも普通の人のような日常があるのだなあと感じ入るものがありました。
あとハンって物をあげる=ヒョンらしいことと捉えていそうだなと思います。他のメンバーにあげてる話もあまり聞きませんし。アイエンは本物の「兄」でもあるので、「弟」のハンが頑張って兄のふりをしてるのは面白いんじゃないでしょうか。そりゃあ「ジソンア」って呼んじゃいますよね。ありがとうございます。(?)
ハンが死ぬ間際にアイエンがポッポしてくれるそうなので、そのときにようやくハンの悲願が成就するのかと思うと私も嬉しいです。たとえ冗談でも今際の際には側にいるよという約束は、アイエンのユーモアと優しさを感じました。


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EP.09 チャンビン × フィリックス
「巣立ちの日」

チャンリクスです。フィリックスが寝るときチャンビンの抱き枕を使っていることに皆ドン引きしていますが、チャンビンはチャンビンで満更でもなさそうなのでハッピーエンドですね。(そうですね)でも「(抱くと)目が合う」という話しぶりからして恐らく他のメンバーも一回は試してますよね……?
そんな二人は動画でも最初から最後までず〜〜っとイチャイチャしていますが、それに反して話の内容は結構重めです。フィリックスはチャンビンに非常に傾倒していて、この回でもチャンビンの言うことがすべて、といったのめり込み具合。チャンビンもそれを心配していて、これからは自分の意見も言わないといけないよと諭していたのは流石だなあと思いました。フィリックスはもともとそこまで我が強くなく、渡韓して右も左もわからない中でチャンビンのように強く頼れる人をお手本にしてずっと生きてきたのだろうと思うと少し切なくなります。
ただ、その儚さが天性のパフォーマンス力に繋がっているのかな、とも思います。チャンビンが自分の声にスキルを乗せないと魅せられないが、フィリックスは声そのものに魅力がある……というニュアンスのことを言っていましたが、前の回でもヒョンジンがフィリックスのダンスについて似たような感想を述べています。それについてフィリックスは謙遜もしないけど、特に語ることもないんですよね。私はフィリックスのパフォーマンス力の源泉が知りたいのですが、もしかしたら言葉に落とし込めるものではないのかもしれません。
フィリックスがチャンビンのことを最近「君(お前)」と呼ぶようになったと嬉しそうに話すチャンビン。自らの足で立つことを促されたフィリックスはちょっと寂しそうでしたが、フィリックスがチャンビンの元から完全に巣立つとき、また新しい関係性を見せてくれるのではないでしょうか。


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EP.10 リノ × ヒョンジン
「青春と朱夏」

エアフライヤー組です。この二人は「今」です!「今」!!元々この二人は仲が良い方だったと思うんですが、最近更に仲が深まったと他のメンバーも感じるというのは、目に見えて明らかな変化があったのでしょう。「幸せを探して旅立とう」という二人のテーマがあるのは何かいいですね。
ヒョンジンは他のメンバーとの回だと相手の労をねぎらい美点を褒める場面が多く、それもヒョンジンの一面だとは思うのですが、リノ相手だと非常にリラックスして相手に流れを委ねているように感じました。お互い一人っ子同士で何の役割も担わなくていいから自然体でいられるのかもしれません。私も一人っ子なので、二人の関係性の心地よさがなんとなくわかる気がします。「必要なものがある」というよりかは「いらないものがない」という感じで。ニュアンスの違いが伝わりますかね?
コンビニでリノが会計してるときにヒョンジンが自分の分をそっと置いてくる……というのも、恐らくヒョンジンはリノ以外にはやらないんじゃないかなあと思います。リノにそれやるの勇気あるな!?と皆が思うような諸々のイタズラも、ヒョンジンにとっては別に何も怖くないのでしょう。リノはリノでヒョンジンを部屋においでよとしきりに誘うのも、新しい宿舎で気張って弟三人の面倒を見る中で、何の気兼ねもなく口にティッシュを詰められるヒョンジンの存在が恋しいのかもしれません。まさかボクスンアの口に詰めるわけにはいかないですし……。
ダンサーとしては面白いくらい真逆で、型をどれだけ美しく見せるかに心血を注ぐリノと、何をどう表現するかに全てをかけるヒョンジン。青春の終わりから朱夏への旅路に、二人の関係性は変化していきました。これからも変わり続けていくのでしょう。山を越えて天の川を渡って、幸せを見つけるために。


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EP.11 ハン × スンミン
「スタンド・バイ・ミー」

マーガリンズです。別名デンカス。デンカスって呼ばれてるの初めて知りました。デンデンイ+クォッカらしいですが、普通にデン+カスだと思ってました。すみません。
というかまたケンカしてたんですね。今年の冬って割と最近じゃないですか……。今回も別にスンミンだけが悪いわけじゃないと思うんですが、スンミンは煽り検定一級なのでタイミング悪くハンの地雷を踏んでしまうのでしょう。財布事件然り。でもハンが謝れるようになったことにスンミンが感動したというくだりでハンジソンどんだけやねん……となってしまいましたが、ハンは普段道化をやっててもプライドは高いんですよね、意外と。
あたしンちのユズヒコと藤野の話も、言われてみると確かに似ています。日本のアニメの話してくれるの嬉しい。ユズヒコがドンドン、藤野がハンドルと名前がちょっと似てるのもいいですね。(ちなみにお父さんはヨンボクだそうです)それもあって、二人の関係は男子の友情という感じが一番近い気がします。今回、全体的にスンミンがぽや〜っとしていた気がするんですが、動画でも言っていたように相手がハン(やコンゴンズ)だと恥ずかしさがあるんですよね。おかしくなりそうだよって言うスンミンがとても可愛かったです。でもまあ真の友情は気恥ずかしいくらいがちょうどいいのではないでしょうか。
何かを始めるのに時間がかかるスンミンと、ペース配分が苦手なハン。自分の弱点がそのまま相手の得意とすることであり、普段はちょっとしたことでケンカしてしまっても、窮地に陥ったときは全面的に頼る。ハンはスンミンのことをネット小説の準主人公みたいだと言っていましたが、そこに少しでも「主人公わたしの相棒」という意味も含まれていたらいいなと思った次第です。


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EP.12 バンチャン × アイエン
「ヘルメスとジョーカー」

親子ズです。私はたまにチャンビンにはリノがいるしリノにはバンチャンがいるけどバンチャンは誰に甘えればいいのか??ということを考えてしまうんですが、そういえばアイエンヘンニムがいました。アイエンもちゃんとバンチャンが弟という認識でよかったです。さすが弟持ち。弟がいるのはこの二人だけですからね。
この二人は個々でもよく練習生時代の思い出話をしているんですが、この回ではもう少し突っ込んだ、チーム作りやデビュー選抜といった事務所の仕組みの話をしてくれます。特にアイエンがキッズチームの年長側だったというのは初耳でした。LOUDのゲフンとかと一緒だったんですかね?そんなちびっこたちのお兄さんポジションだったアイエンと、長らくJYPのマンネとして過ごしてきたバンチャンが同じグループにいるというのは不思議な縁を感じます。キッズチームのときの話などを踏まえると、アイエンはスキズとしてデビューできなくても次のチャンスがあったと思うんですよね。特に最初は釜山から通っていたので練習量が足りておらず、今回の選抜は見送ろうとなってもおかしくなかったはずです。それでもバンチャンが個人練習をつけてまで一緒にデビューしたいと思ったのは、やっぱり例のジョーカーのステージが唯一無二だったからなのでしょう。
この二人は最年長と最年少ながら、最もJYPの戦略に翻弄されたと言っても過言ではありません。アイエンはバンチャンのことを「金の斧銀の斧に出てくる神様」と言っていましたが、アイエンにとってバンチャンは自分を導いてくれる上位の存在なのでしょう。そしてバンチャンにとってもまた、アイエンはそれに限りなく近い存在だったのかもしれません。


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EP.13 ヒョンジン × スンミン
「WHEEL OF FORTUNE」

スンジニです。ちょっとスンジニは襟を正して見ないといけないと思っていたのですが(?)個人的には一二を争うエモーショナルな回だったと思います。現代の吟遊詩人・ファンヒョンジンからスンミンへの親愛の情が惜しみなく発揮されていました。ヒョンジンは本当にスンプの鑑ですね……。
で、ヒョンジンもスンミンも他のメンバーには愛嬌を見せたりふざけまくったりと良くも悪くもアイドルっぽい振る舞いをしていますが、二人でいるとお互い割と辛辣で遠慮がない気がします。それがなんかすごく普通の20代男性同士のやりとりっぽくていいんですよね。特にスンミンが無言でどつくのはヒョンジンしかいないかもしれない。更にハンやフィリックスも二人のことを「おかしい」「見てて疲れる」と言いたい放題で、上下関係が厳しい分、同い年の関係というのもまた独特なのかなと思いました。
ヒョンジンの「君は僕の歌手だよ」「誰にも奪われたくない」「君は僕のものだから」の三段活用には全STAYが騒然となりましたが、私はその後の「いい人にしてくれた気がするんだ」にも非常に心を打たれました。果たして一生のうちにどれだけそんなことを思わせてくれる友人に出会えるでしょうか。いつもは淀みなく喋るスンミンも、珍しく言葉を詰まらせていました。ヒョンジンはスンミンの言葉で成長できたと言っていましたが、ヒョンジンの言葉もまたスンミンのどこかに組み込まれているのでしょう。人間が人間らしく生きる上でなぜ他者の存在が必要なのか、という問いに対する答えの一つを見た気がします。


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EP.14 バンチャン × チャンビン
「光あるもの、彷徨わぬ星」

運動ズです。その名の通り筋トレをよくする二人です。ハンが二人のことを「2つの太陽が昇ってる感じ」と言っていたのは、もしかしてバンチャンの「燦」とチャンビンの「彰」から連想したのかな?と思いました。意味としては「きらめき」と「あきらか」で、どちらも明るさにまつわるものなので。違ったらすみませんが。
実はこの二人は表舞台だとそこまで際立った絡みがない印象があったので(この間ペペロゲームしてましたが……)自分たちも飽きるくらいくらい一緒にいるし、他のメンバーから見てもずっとくっついてるというのは結構意外でした。でも確かに3RACHAとして作業したり、前の宿舎でもルームメイト、今も部屋がすぐ隣とほぼず〜〜っと一緒なんですよね。それで更にジムにも一緒に行くんだからすごい。一日24時間のうち26時間は顔を合わせているんじゃないですかね。(?)そりゃ更に表でも絡もうという気にはならないだろうなと思います。
バンチャンがお父さんでチャンビンがお母さんというのも言われてみると謎の納得感があります。一家の大黒柱だけどクリエイター気質でちょっと繊細なお父さんを叱咤激励する鬼メンタルのお母さん……チャンビンはバンチャンの愛嬌にメチャクチャ厳しくて絶対に甘えを許さないので笑ってしまうんですが、バンチャンがもしぐらついてしまうときがあるとしたら、体を張って支えてくれるのはやっぱりチャンビンなのでしょう。
バンチャンが「僕をまともに理解している人は誰もいないと思います、こいつ以外は」という言葉に、これまで彼が歩んできた孤独な道のりを感じます。そんなバンチャンが遠い異国の地で最大の理解者に出会えたことは、銀河の果てにもう一つの太陽を見つけるに等しい奇跡だったのかもしれません。

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EP.15 フィリックス × アイエン
「銀河鉄道の夜」

ポチャクズです。撮影日が変わったので今回からブルー系です。というかポチャクって可愛いって意味だったんですね。例によってポチャ+クズだと思ってました。(日本語に引っ張られすぎでは?)
実は前回の運動ズ同様、ここも仲が良いのは知っていましたが、普段どういう会話をしているのかあまり想像がつかなかったので今回の動画は色々と新鮮でした。部屋が隣同士で、フィリックスはアイエンのドライヤーの音で目が覚めるというのとか、お互いシャワー浴びるのが面倒臭いとき先に入って〜って相手に促すのとか、もう家族のそれじゃないですか。お互いシャンプーや歯ブラシのストックも使ってるみたいだし。ただ歯磨き粉を共用してるのはちょっとびっくりしましたが……いいのか?まあ天使と天使なので虫歯にはならないのかもしれませんが……(適当)
隔離期間の話もするかなと思ったらしてくれました。グループの仕事もお休みで、他のメンバーが戻ってくるまでしばらく二人だけで生活していたと思うんですが、もしかしたらその期間に更に仲良くなったのかもしれません。二人でずっと映画を見て過ごしながら皆の帰りを待っていたというのはなんとなくポスト・アポカリプスの世界だなあと思ってしまいました。このご時世、現実がフィクションを凌駕することばかりです。
この二人はどちらもカトリック教徒ですが、アイエンが輪廻転生の話をしていたのが興味深かったです。私はキリスト教の素養がないので彼らの死生観をふんわりとしか感じ取ることができないのですが、二人の"そこにいるだけで他人を癒やすことのできる優しさ"というのは、やはり信仰によるものもあるのかもしれないと思いました。


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EP.16 リノ × ハン
「世界の向こう側」

味噌です。味噌………………………………………………………………私のケミ人生は味噌から始まったので、最初に動画を見たとき、これはなるべく言語化せず感じたまま大切に取っておこうと決めていたのですが、そろそろ"時"が来たので腹を括ります。期は熟した。
二人とも日本料理好きなの嬉しいなとか、ハンがリノの友達と遊びに行った話初めて聞いたとか色々あるんですが、一番は今回最大のパワーワード「(リノヒョンは)僕が飼ってる金魚だから」←これ。このくだり、未だに消化できてない。ペットに例えるのも十分あれなんですが、直に触れ合える犬や猫とかじゃなくて「水槽の中の魚」なのかっていうのがまた……ハンにとってリノはエサあげてお世話して、それでもガラスの向こう側の存在なのか?と思うと言葉が出ない。リノはすべての生き物に対して壁が存在しないというのに……。だからこれはリノがどうという話ではなく、ハンと世界との間にある「断絶」みたいな話なのかもしれません。そのくせハンの方から「まだ僕をソウルメイトだと思ってる?」って聞くの………………………………………………ハンジソンほんま……………………………………………………………………………………そういう……………………………………………………………そういうとこ……………………………………………………………………
スンミンの「ハンはリノヒョンがいなくても生きていけるけどリノヒョンはハンがいないと生きていけない気がする」とか、チャンビンの「ハンは誰かに頼るタイプじゃない」というのもなんか分かっちゃう…………つら…………それでもハンにとってリノは「おもしろいから好き」だし、リノにとってハンは「普通だからいい」だし、僕たちは一つでソウルメイト、二人がそう思うのならそれがすべてです。
全体的に二人の会話の間のとり方が漫才みたいで、ずっと二人だけの舞台を見ているような感覚でした。この世は無常だし人生一生人間劇場、おじさんになってもお互いぶつぶつ文句言いながら一緒にご飯食べに行って特に何も話すことなく帰ってきて、周りから「あいつら何なんだ?」って言われる関係でいてほしい。


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EP.17 ヒョンジン × アイエン
「大切なものは目に見えない」

ソコンイェズです。「僕は今日だけを待ってたんだ」という愛の吟遊詩人ファンヒョンジン再び、愛してやまないアイエンとの対談が嬉しすぎて踊りながら入場してきたり、アイエンの好物の果物にまで対抗意識を燃やしたりといつになくテンションが高いです。ヒョンジンはアイエンと水があれば生きていける。
この二人はソウル芸術高校の先輩後輩なので、仕事仲間という面の他に学生としての顔も知っているんですよね。朝学校に行って、終わったら仕事に向かって、一緒に宿舎に帰ってくる毎日。ヒョンジンが沢山遊び回ったけどあまり覚えていないというのは、それだけ二人の思い出が学生時代からの地続き、日常の一部だったのでしょう。
ヒョンジンがイエベでアイエンがブルベという話、男性アイドルがパーソナルカラーに言及しているのを初めて見ました。事務所主導で診断してもらったりするんですかね?アイエンが金髪にしたいけど似合わない気がする、など自分の可能性の幅を狭めるようなことを言うと、ヒョンジンは誰がそんなこと言ったの?君なら絶対似合うよって一生懸命説得するんですよね。ヒョンジンは自分と似ているアイエンの悩み苦しみが手に取るようにわかるからこそ、何とかして助けてあげたいと思うのでしょう。アイエンはアイエンで明言はしていませんが、ヒョンジンの金髪がすごく好きだったり、ヒョンジンの絵を見て自分も絵を描こうと思ったりとヒョンジンに憧れみたいなものを持っていて、だからこそヒョンジンのイメージが強い金髪にすることに躊躇いがあったのかなと思いました。
感動的なのは、この撮影のあとアイエンが本当に金髪にするんですよね。きっとヒョンジンも嬉しかっただろうと思います。この厳しい世界でアイエンに傷付いてほしくないというのが、ヒョンジンの何よりの願いですから。


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EP.18 リノ × スンミン
「ロビン・グッドフェロー」

離婚危機です。別名見もののカヴァンズ。顔……
開幕早々めっちゃソファーの端と端に座ってますが、リノが言っていたように本当に仲が悪いわけではないんですよね。前の宿舎でもルームメイト、今も隣の部屋で、一緒にラジオもやっていましたし。特にラジオは二人だけで外部の人間と一緒に仕事をするのは初めてだったと思うので、そこで培った信頼関係、絆というものはやっぱりあるんじゃないかなと思います。一緒にご飯食べに行くのはもちろん、飲みに行ってるのもスンミンが匂わせてますし……(飲酒コンテンツ一生待ってます……)離婚危機とは何だったのか?まあチャンビンも言っていた通り愛がなければ不仲プロレスはできないので。
また、スンミンはこの回で自分のダンスについて初めて触れています。スンミンは歌にリソースを割いているのでダンスの練習に割り当てられる時間は他のメンバーより少ないと思うのですが、そんなときに「正しい道に導いてくれる」というリノはこの上なく頼もしい存在ではないでしょうか。正しさ、ってスンミンにとってものすごく大事なことだと思うので。そして内柔外剛のリノにとってもまた、外柔内剛のスンミンはある意味リノに取っての「正しさ」の姿で、心細いときや挫けそうなときに支えてくれる人なのだと思うのです。
「みんなといるときは意地悪だけど宿舎ではすごく良くしてくれる」「撮影のときに僕がいないと探しに来る」から始まり、リムジンサービスを見たリノが「頑張って収録したんだね、よかったよ」って恥ずかしそうに褒めてくれた……とスンミンにデレの部分をバラされまくったリノが、ゆでダコみたいに真っ赤になりながら所在なさげに髪の毛をいじっていたのがとても良かったです。リノは先手必勝みたいなところがあるので、スンミンみたいにそれをくぐり抜けてカウンターされるとどうしていいかわからなくなってしまうんですよね。横の関係には弱いけど縦には滅法強いスンミンが、普段は破天荒なリノを完全に翻弄しているのがまさに見ものの回でした。


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EP.19 バンチャン × フィリックス
「その日を摘め」

ホジュズです。豪州ホジュ+ズですね。この撮影のあと久しぶりにオーストラリアに帰省できて本当に良かったです。オーストラリア公演も決まりましたし。
何と言ってもこの回、フィリックスがめちゃくちゃクールなんですよね。これがオーストラリア人の成人男性としてのフィリックスの顔なのかと思うと興奮を禁じえません。バンチャンはこっちの生活が長いので愛嬌大爆発ですが……。
もう一つ、この回ではオーストラリア人である二人と他のメンバーとの対比が浮き彫りになっています。スンミンが「笑いのツボが僕たちとは全く違う」というのも恐らく文化の違いであって、例えば日本人の私が「見つけた!Stray Kids」などを見ていてもやっぱり笑いのテイストが若干違うなと感じるので、それが非アジア圏の人なら余計そうだろうなと推察します。我々が想像する以上に二人とも大変な思いで撮影に挑んでいるのかもしれません。
また、二人とも何かをお願いされるのが好きという話の中で、ハンがバンチャンに、リノがフィリックスにそれぞれ「相手の手を借りず自分一人でやったらとても寂しがられた」という経験があったことにちょっとしんみりしてしまいました。「他人に迷惑をかけない」というある意味美徳とされている振る舞いが、他の国の人にとっては心の距離を感じさせてしまうこともあるのだと思うと何とも切ないです。ヒョンジンが「一番ケアしづらい顧客」と言っていたのも、遠い異国の地で生きる二人への心遣いを感じました。
バンチャンはまだ若かった頃の過去、リーダーや年長者としての振る舞いを非常に悔いていて、この回以外でも何度か口にしています。そんなバンチャンに"Today is the present"のくだりを持ち出して今を生きることを説くフィリックスからは、「兄としてのバンチャン」ではなく、「友人としてのクリス」と話をしようとする姿勢を感じました。


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EP.20 チャンビン × ハン
「うしかい座のアークトゥルス」

ハニビニです。2RACHA!ハンがチャンビンの前でよく子供みたいに泣くのが計算ではないかという疑惑が出ていましたが、どうなんですかね。でもまあそのお陰?でソチャンビン可愛いランキング2位まで浮上できたのでいいんじゃないでしょうか。1位のアイエンの壁高いな〜〜。
で、この二人がまさかダンスの話をするとは思わなくてびっくりしたんですよね。私はラップはもちろん実は歌もうまいという面にばかり注視していて、ダンスについて考えたことがあまり無かったので……。でも確かにダンスに興味がなければ歌手なりラッパーなり別の道を目指していたと思うので、やはり二人ともアイドルになりたかったのだなあと思いました。ダンススタイルが正反対で、パワータイプとスピードタイプというのはラップのスタイルをそのまま踏襲していますね。ただ、練習生の頃はまったく同じだったというのは驚きです。チャンビンはそれもあって体を鍛え始めたんですかね?
チャンビンは基本的に年下メンバーを年長者として褒めまくるんですが、ハンに対してはそれに加えてプレイヤーとして「自分には持っていないもの」を褒めているように感じました。それはハンも同じで、普段天才と称されるハンが、チャンビンこそ天才であると言うのはなかなか趣があります。チャンビンは現実主義者で一見芸術家肌っぽさを感じないんですが、こと詩的な表現においては非常にユニークなものを持っているんですよね。私はelevatorのあの静かで抒情的なトラックにHellを足してHellevatorにリネームしたチャンビンの感性が物凄く好きなんですよ。すべてはそこから始まったので。(Hellevator再生回数1億回突破おめでとうございます)
話を聞けば聞くほど、この二人は元々与えられたギフトがとてもよく似ているなと思います。そんな同じスタート地点から出発した二人が、点と点としてお互いの個を確立するためにどれだけ遠く離れようとも、二人をつなぐ絆は途切れることはなかったのでしょう。


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EP.21 バンチャン × ヒョンジン
「英雄たち」

ベカ王です。私知ってるんですけど(?)ヒョンジンって結構バンチャンのお尻を叩いてるんですよね。冒頭でも尻叩きの話してるし。スキンシップが得意でないヒョンジンの精一杯の気遣いだとは思うんですが、正直ちょっと楽しくなっちゃってませんか???
この二人はバンチャン曰く師匠と弟子なんですね。チャンビンとハンはクリエイターとしてある程度完成されているので、次はヒョンジンを育てている番なのかもしれません。バンチャンはヒョンジンのアーティスト性を非常に気に入っていて、好みも似ているので一緒に曲作業するのが面白くて仕方がないんじゃないかと思います。
ヒョンジンはヒョンジンで、バンチャンへの理解がとても深いんですよね。あのバンチャンを「すごく単純な人だよ」って言える人はなかなかいないと思います。練習生の頃、皆を引っ張っていたバンチャンは今の自分たちより若かったというくだり、ヒョンジンはそういう「人生のものさし」を自分の中に持っているんだな……と感動しました。自分より年上の人間に対して、当時の相手の立場に立ってその労をねぎらうというのは誰にでもできることではありませんから。なんというか、師匠と弟子ではあるんですけど、どちらかというとヒョンジンがバンチャンに対して面倒を見ようとしている印象を受けました。
また、この回は他のメンバーから二人への評に結構ブレがあったのが結構面白かったです。スンミンの白いちゃんぽんの例え、本気でわからなかったし、チャンビンもフィリックスもふ〜ん……?みたいな顔をしていたのが忘れられない。この二人はどちらもアーティストとして言葉以外での意思疎通ができるので、外から見て分かりにくくても、お互いが自分の中に持っている物語の良き読者なのかもしれません。


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EP.22 スンミン × アイエン
「同行二人」

マンネズです。マック大好き末っ子たち。最後の撮影回はラベンダー色で、セットも若干広くなりました。この回の色合いが一番好きですね。
序盤からストレイキッズ随一の狂気・キムスンミンに「変態」って言われるアイエン……確かにケーキの角をぐるぐる削りながら味わったりクッションのファスナーを無限に開け閉めして楽しんでるのはだいぶ独特な感性だなと思いましたが、みんなの可愛いマンネを変態呼ばわりするのはスンミンくらいですよほんと。
スンミンが通うボーカルトレーニングにアイエンも一緒に行くようになった話がすごく好きなんですが、これ、事務所ではなく個人で契約してる外部のレッスンなんですよね。宿舎と事務所、仕事場とは別にもう一つ通う拠点ができて、そこに二人で連れ立って行くというのは、なんというか「巡礼」のようだな、と思いました。レッスンの時間が異なっても先に終わった方が待ってて一緒に帰ってくるというのも想像すると胸に沁みます。スンミンが一人で通っていたときは行ったり来たりする途中ですごく寂しくてたくさんのことを考えていたけどアイエンと一緒に通い始めてその道も面白くなったという話で、スンミンにもそういう「呑み込まれそうになる」ことがあったのか……と思ったのですが、同じ道でも志を共にする仲間がいるのといないのとではまったく違う景色なのでしょう。私マンネズ大好きなんですよね……来世はマンネズになりたい……。
ストレイキッズの末っ子であり二人だけのボーカルラチャは、奇しくも年長同士であるバンチャンとリノと同様に、二人だけになったことで乗り越えたものがありました。失ったものは多々あれど、得たものもまた大きいはずです。辛いことも楽しいことも、すべては歌のために。


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EP.23 リノ × チャンビン
「風雷の騎士団」

リノビニです。個人的には全28ペアの中で一番ねっとりしてる組み合わせだと思うのですがいかがでしょうか。お互いの(変)顔をスマホのホーム画面にしているのはあまりにも有名。現代人は一日にスマホを約2600回触るらしいですが、つまり2600回お互いの写真と目が合うということですよ。これは地味にすごいことだと思います。
リノに「今度またパスタ作ってね」「多めに作ってね」っておねだりしたり「奢るからお肉焼いてね(僕焼かないから)」って甘えるチャンビン、貴重すぎる。チャンビンはバンチャン相手だとプロデューシング諸々のパートナーになってしまうので、純粋に「弟」として接する相手はリノなのでしょう。普段チャンビンはリノに対してタメ口ですが、この回では改まった話をするときなどちょくちょく敬語を使っていたのがおおっとなりました。兄さんたちには弟のようには見えないと思うと言うチャンビンに対してリノがそんなことないよ、って返すのも良かったです。リノに対するバンチャンもそうなんですが、やっぱり他のメンバーよりも若干「弟」であることを強調して気にかけてあげていますね。
かつて弟たちに混じって沢山ふざけあってケンカしていた二人が、今はバンチャンの右腕と左腕として頑張ろうとしていることに、大人としての成長とほんの少しのさびしさを感じます。バンチャンがリーダー兼プロデューサーとしてグループの外側で戦っているとき、二人がグループの両端に立って中の皆を守り続けているのだと思うと頼もしい限りです。


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EP.24 ハン × フィリックス
「スカボローフェア」

ハニピリ、1415ズです。前回のTwoKidsRoomでも髪色や髪型が似てるなーと思ってたんですが、今回も似てません??ツインズ……。特にフィリックスが黒髪にしているのは珍しいので本当に奇遇だと思います。
この二人はどちらも(小)中高と韓国の学校には通っていないんですよね。オーストラリアで子供時代の大半を過ごしたフィリックスは勿論のこと、ハンもまた想像以上に同世代との共通体験が少ないことを思い知らされました。二十代前半の人間にとって学生生活というのは人生のおよそ三分の一から半分程度を占めます。そこで韓国の多数の子どもたちが経験しているであろう遊びや勉強、流行といった「あるある」を共有できない孤独は計り知れません。私はそのことがずーっと気になっていて……。二人が(韓国の)制服を着てみたかった、というのも非常に辛い。制服なんて毎日着ていた身としては、ダサいし動きにくいしでいいことなんて何一つないと思っていたので。
でも、周りのみんなが学校に通っている間に練習生として頑張ったからデビューできたと、後悔していないのならそれが正しい道だったのでしょう。そんな二人が今回初めてオーストラリアとマレーシアの学校の共通点を見つけて盛り上がっていた光景に、涙が出そうになりました。
デビュー当初はハンが自分のことをどう思っているのかわからなかったフィリックスと、フィリックスがどういう人がわからなくて他人に聞くしかなかったハン。そんな二人が手探りで歩み寄って分かりあえたこと、そして今日、孤独だと思っていた過去を書き換えたこと。それは魔法でも何でもなかったはずです。


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EP.25 バンチャン × スンミン
「さびしさの輪郭」

チョンダムズです。どちらも清潭チョンダム高校の出身。バンチャンにとってスンミンは抱きつきやすいメンバー不動の1位ですが、他のメンバーはだいたいそういうランキングだとアイエンが1位なので、相当スンミンがお気に入りなのだと思います。まあアイエンはバンチャンの「兄貴」ですしね……(そうですね……)
バンチャンの「たまにみんなで一緒にいるときも寂しさを感じることがある」という言葉にバン〜〜ㅠㅠとなってしまったのですが、この言葉、相手によっては傷つく可能性があるんですよね。自分の力不足で相手に寂しい思いをさせている、と感じる人もいるはずです。でもスンミンは相手の気持ちは相手の気持ち、そこに自分を責める意図はないと切り離せる人なのでしょう。だからこそバンチャンも本音を言えたのではないでしょうか。それに対してスンミンが「みんなでいるのに寂しいと感じるならそれは本当に寂しいということ」と、否定も同調もしないのは、彼にとっての最大限の思いやりなのだと思います。冷たいですかね?私はスンミンのような考え方の人が好きなのでこれには非常に共感を覚えました。
普段人前で泣かないバンチャンがスンミンと一緒にご飯を食べているとき思わず泣いてしまったという「涙のクッパ」も、自分が泣いたところでスンミンは動揺しないだろうという安心感故でしょう。メチャクチャいい話だったんですけど、泣きながら爆速でごはん食べるバンチャンはちょっと面白いなと思ってしまいました。すみません。バンチャンは結構年が下の方のメンバーに弱みを見せますね。
他の回ではどちらかというとバンチャンが相手に話題を振る印象がありましたが、この回では自分の内面について話すことが本当に多くて、それがとても嬉しかったです。何事にも熱く激しい魂を持つバンチャンの傷を癒やすのは、スンミンのクールな優しさなのかもしれません。


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EP.26 ヒョンジン × ハン
「俺たちに明日はない」

ジンソンです。リノとチャンビンがお気に入りのコンビ。勝手な想像なんですが、伝説のラップ上手ダンス上手のケンカのくだりとか、同性から見て好ましい「男の友情」という感じなのかもしれません。
二人のバスルームに空のシャンプーボトルが何個も放置されてるのわかりすぎて泣ける。確かに二人とも絶対捨てるの面倒臭がってやらなさそう。新しい宿舎の部屋割りをどうやって決めたのかはわからないんですが、「とりあえずヒョンジンとハンは二人まとめて隔離しとくか」という""意図""を感じるんですよね……考え過ぎかもしれませんが……。でもそこでケンカせずまあいいやで済ませられるようになったのは成長ですね。(?)
そして練習生時代の二人が犬猿の仲になったきっかけがついに明かされましたが、これは完全に……完全にハンが悪い……(また!?)ハンって最大の敵は自分、みたいなところがあると思っていたんですが、ヒョンジンをすごく意識して張り合っていたんですね。今でこそお互いの得意分野で棲み分けしているものの、練習生時代は自分の何が武器になるのか手探りだったと思いますし。デビューしてからケンカが減ったというのも、なんというか、お互い生存競争から生き残った故に相手と戦わなくても済むようになったからかもしれないと思うと切ないです。昨日の敵は今日の友ですが、逆もまた然りなので。
「誰かの幸せを祈るために君が不幸にならないでほしい」というヒョンジンの言葉……ヒョンジンは自分やみんなを率先して笑わせようとしてくれるハンのことをずっと心配しているんですよね。でも私は案外ハンにとってそんなに無理なことではないんじゃないかな、と勝手ながら思っています。ハンはやりたくなくてやらなくてもいいことはやりませんが、ハンにとってみんなの笑顔が必要なことなら、どこまでも頑張れる人だと思うので。


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EP.27 チャンビン × アイエン
「タイガー&ドラゴン」

パンクルズです。1999と2001なら2001のほうが大きいから僕が年上という謎理論を繰り出すアイエン……ここもマンネオントップなのでアイエンが「兄貴」です。(?)
チャンビンがたくさん食べるのは散々言及されているので知っているんですが、アイエンが元々大食いなのは知りませんでした。でも空腹を我慢する苦痛も快感というのはやっぱりその……ちょっと変わってますね……。アイエンが(疲れて)歩けなくなったときの気分が大好き、というくだりで「変態のように感じるかもしれないけど……」って断りを入れるの、前の回でスンミンに言われたのをちょっと気にしているのかと思うと可愛い。でもチャンビンの言うように苦痛を感じるのが好きな方が運動は続く、というのは真理だと思います。なんかコンゴンズは全員苦痛を感じるの苦手そう。
この二人はコンビとしてメチャクチャ目立つわけではないんですが、非常に独特な空気感があります。お互いの個性が増強されるというか。チャンビンが「今回の2KidsRoomにはCGも入るから」って無理矢理ねじ込んでくるの死ぬほど笑った。もう次で最終回なのに……。アイエンが「(編集さんに)苦労かけないでよ」ってすかさず言うのも面白い。アイエンは他のメンバーが何かやっててもだいたい苦笑いですが、チャンビンにはきっちり突っ込むんですよね。コントみたいというのも言い得て妙です。
練習生時代、アイエンがチャンビンの前でよく泣いていたというのは意外でした。一人で釜山から出てきて苦労していたアイエンを支えていたのはチャンビンだったんですね。チャンビンはアイエンとは出自も環境も全然違いますが、あの年でアイエンの辛さを汲み取ってあげられたというのはすごいなと思います。
キングダムで自分が納得がいく出来ではなくて泣いてしまったアイエンが今は泣かなくなったというのと、ずっと泣いていなかったチャンビンがソウルコンで涙を流して以来泣けるようになったというのはとても良い対比だなあと思いました。艱難辛苦を乗り越えた子供は一人前の大人になり、それを見守り続けた大人は子供の心を取り戻したのです。


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EP.28 リノ × フィリックス
「Last Train Home」

ラストはニャンニャンラチャです。いつも思うんですが、コンビ名として規格外の長さじゃないですか??イ兄弟なら三文字ですが……。
最終回にして私はフィリックスが結構気まぐれでおっちょこちょいなことを知りました。悪気はないけど約束とかめちゃめちゃ忘れちゃってるじゃないですか。それに対してリノがとても優しいんですよね……。これがヒョンジンやハンなら磔の刑ですよ。(?)リノが撮影の休憩中にいなくなるスンミンを探しまくる話とかもそうなんですが、リノは割とそういう「自分の管轄の範囲」から外れて一人だけ予想外のことをしている子が気になるのかな、と思いました。なんか本当に親猫みたいですね。
みんなで一緒にいるときは話さないのに、宿舎でみんなが寝たあとこっそり二人で抜け出してるのも、何とも不思議な関係です。でもちょっとわかる気がするんですよね。多分二人で何してるの?って思われがちで、特別なことは何もしてないけど、詮索されたりするのが恥ずかしいんじゃないでしょうか。休暇中にスンミンとアイエンは帰省したけどリノはフィリックスを一人にしておくのが忍びなくてと一緒に宿舎に残っていた……という話もそうですが、確かにこういう感じで二人でいると他のメンバーからは何をしているのかまったく見えませんね。
この撮影のあと、二人は日本での活動の際に箱根を訪れています。彼らがなぜ二人だけでそこに行こうと思ったのかはわからないのですが、次々と送られてくる写真や動画からはのびのびと観光を楽しんでいる様子が見受けられました。二人は帰りの飛行機の中でどんな話をしたのでしょうか。帰った後、みんなにどんな話をしたのでしょうか。二人が過ごしたその一日が良き思い出となってくれたなら幸いです。



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あとがき:全28エピソードを書き終えて


気がついたら20000字を超えていました。読む側に優しくない構成なのは百も承知でしたが、どうしても28エピソードを一連の流れとしてまとめておきたかったのです。同じ人物でも話し方や内容が時間とともに変化したり、前の回の話が後の回に影響を与えたりと、決して可逆性のあるものではなかったので。
書いている間は正直苦しさの方が勝りましたが、彼らのしてくれる思い出話に自分の過去を重ね合わせたり、逆にとんでもない行動や言動にそんなことある!?と驚き笑ったりと、楽しい時間でもありました。遥か遠い存在ではあるけれど、確かにこの地球の上で共に生きる隣人なのだと改めて思いました。

ありがとうございました。
愛を込めて。

2022.10.27 楡ゐすか



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