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自分史上最強の失恋がカウンセラーへの第一歩だった

・プロローグ

この物語は自分史上最強の失恋をして「なんでふられたんだ?」という謎解きをはじめて「そうだったのか!」っと答えにたどり着き、初めて自分で自分を観る目を持ったカウンセラーの話です。

1・出会い

当時27歳だったわたしはアマチュア劇団に入って芝居をしてました。その劇団に彼女は入団してきました。頭文字をとって「Oちゃん」と呼ぶことにします。Oちゃんはわたしより4歳下の23歳です。

一目可愛いくもあり、綺麗でもあり俗にいう容姿端麗でした。

始めて劇団に来たOちゃんは芝居の稽古をイスに座ってながめてました。横に劇団の代表が座っていろいろ説明をしていました。

「父が厳しいので入団していいかどうか、父に聞いてから決めます」と言ってOちゃんは劇団をあとにしました。

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2・ひょっとしてオレのこと好きなの?

次の稽古日には最初からOちゃんの姿がありました。イスに座って稽古を見学していました。

稽古が終わってわたしはトコトコとOちゃんの所に向かいました。横に座って

わたし「入団どうなったの?」

Oちゃん「父から許可をもらいました」

わたし「ホントに、良かった良かった。よろしくお願いします」

Oちゃん「こちらこそよろしくお願いします。それであの、わたし本を沢山読みたいんですよ」

わたし「ホントに!じゃあ劇団の本、代表にお願いして借りてけばいいじゃん」

Oちゃん「いんですか?じゃあそうします」

Oちゃんとの初めての会話はこういう感じでした。

・事件は起きた

Oちゃんは劇団にきた3回目から稽古に参加しました。

稽古終了と同時にOちゃんが猛ダッシュでわたしめがけて走り寄ってきたのです。「実はわたし空手、習いたいんですよ」と言ってきました。わたしは「ハァ~?」っと思いました。

当時のわたしは劇団をやりながら極真空手もやっていたのです。代表から聞いたと思います。

これはOちゃんと仲良くなれるチャンスだとわたしが張り切って教えたのはいうまでもありません(笑)

・う~ん好きなんだろうな・・・

次の稽古の時、わたしは少し早めにきて横になってました。そこにOちゃんがやってきました。そしてわたしの寝ている前でパンチやキックを始めたのです。明らかにわたしに空手を教えて欲しいっと背中が語っておりました。

「Oちゃん、オレと一緒にやる?」

「ハイ」とOちゃん。

ひょっとしてOちゃんはオレのことを好き?と漠然と思いました。

3・告白

恐ろしい偶然で当時わたしの勤めていた会社とOちゃんの自宅が車で5分くらいだったのです。なので会社が終わってOちゃんを迎えに行って劇団の練習に行ったりしました。

「2人きりになっているのに、Oちゃんオレに告白しないのかな?」

と能天気なわたしは思ってました。

・ガチョーン!オ~マイガッド!

それからしばらくしてOちゃんがこんなことを言ってきました。

「トレーニングジムに見学に連れて行ってもらえませんか?」

当時、極真空手をやっていたわたしは週2,3回、ウエイト・トレーニングをやりにジムに通っていたのです。仕事が終わって電話してからOちゃんを迎えに行きました。そして、この時の電話で告白したのです。

「今付き合っている人いるの?いなかったらオレと付き合ってくれないかな?」

次の瞬間Oちゃんの口から恐ろしい言葉がでました。

「わたし森さんのこと好きだったんですよ。でも、2日前に友達から紹介されてその人と付き合うことになりました。もう少し早く言ってくれたら・・・」

わたしは頭の中が真っ白になりました。メチャクチャ動揺しましたが、なんとか落ち着いて

「分った。その話はジムの見学が終わったあとにしよう」

と言って、とりあえず迎えに行ってジムの見学に行きました。見学を終えてわたしたちは近くの漁港へ向かいました。

そしてどうしてもOちゃんを彼女にしたいわたしは、なぜ告白が遅くなったのかを延々と語ったのです。それだけ必死でした。

その必死さが伝わったのと、わたしのことを好きだったOちゃんは

「このままで終わりにしたくない」

と言ってくれたのです。そして

「紹介してもらった人をお断りするので少し待ってもらえます?」

と、この言葉を聞いて天にも昇る気持ちでした。

4・この世の春を迎える

それからというもの、週2回の劇団の稽古のOちゃんの送迎はわたしがやりました。そして、劇団で稽古している時も何かにつかて隣同士。

とにかくOちゃんが隣にいてくれるだけでとても気持ちが癒されるのです。

ただ一つ気がかりな点は・・・友達から紹介された男性が絶対に別れないと言っているということ。

一旦はつきあおうと決めた男性。それを自分の都合で白紙に戻すことにOちゃんは罪悪感を感じていて別れられないでいたのです。結果的に二股状態。

そんな状態で劇団の公演1週間前になりました。週2回の稽古が週5回になります。1週間前は中日の水曜日だけが稽古の休みとなります。この日にわたし達は焼肉デートをしました。

食事を終えて「カラオケでも行こうか?」とわたし。「そんな気分じゃない」とOちゃん。どことなくまだ一緒にいたい2人の空気感。わたしは車を海岸線へと走らせました。

5・幸せホルモン、オキシトシン全開!

当時、地元の夜のデートコースのメッカ、海岸線に車を停めました。わたしはOちゃんを抱きしめたくてしょうがありませんでした。

しかし、あることがそれを踏みとどまらせていたのです。Oちゃんの初めての男性体験はむりやりだったからです。それを聞いていたので、どうしても抱きしめることができませんでした。

沈黙のままの2人。わたしが「Oちゃん、時間大丈夫?」と聞きました。Oちゃんには門限があったからです。

「うん、大丈夫。森さんは?」と聞かれて「えっ~オレ!いいんだよ、ここでOちゃんといられるほうがよっぽどいい」と言った瞬間、Oちゃんがわたしの胸に顔をうずめてきたのです。左手を肩に回し、右手で右手を握りしめました。

わたしの脳内はオキシトシンとアレドナリンが噴火しまくっていたことでしょう。まさしく至福でした。

わたしはこの場面で聞きました。「オレだけと付き合えない?」と。するとOちゃんは「できない」っと悲しい答え、続けて「その人は前の彼女にひどいふられ方をして女性不信におちいっている。わたしと付き合って少しでも女の子と付き合って良かったなと思ってもらいたい」と言いました。

言葉がでてこないわたし。しばらくして抱きしめたOちゃんを放しました。そしてこう言いました。「膝まくらして欲しい」照れて「恥ずかしい」というOちゃん。わたしはOちゃんの膝の上にクッションを置き、チョコンと膝枕。

あ~もうこの世の楽園♪まさしくこの歌状態です。


至福の時はどれくらい続いたのでしょうか。門限に厳しい父親がいるOちゃん。大幅な門限破りです。さすがに「そろそろ帰ろうか」と言ってOちゃんを自宅まで送って行きました。

6・天国から地獄へ

翌日、劇団の稽古でした。Oちゃんを乗せて劇団に行きました。そしてわたしはこの日の稽古中、Oちゃんを見ているのが苦しくて苦しくてしょうがありませんでした。

それは自分だけの彼女にならないからです。昨晩のデートでOちゃんへの想いは更にヒートアップしていたのです。

好き過ぎるとこんなに苦しくなるものかと初めて知りました。「こんなに苦しいのならOちゃんを諦めよう」っとその時思ったのです。そして代表に「今日はこれで帰ります」と言って劇団の稽古を早が上がりしました。

翌朝起きて、そこでやはりまだまだOちゃんを好きでしょうがない自分がいました。「やっぱり好きだな、諦めるなんて無理だ」と改めて思いました。

・ふられる

その日の仕事が終わり迎え行くためOちゃんに電話をいれました。そして衝撃の発言がOちゃんの口から飛び出しました。「付き合っている人がいるのに、他の男性の車の横には乗れない」と。

続けて「森さんだったらわたしじゃなくても、直ぐに新しい彼女ができるから」と言われ1万トンの流れ星が頭を直撃した気分でした。

何が起こったのか全く意味不明です。一昨日海岸線で抱きしめて膝枕をしてもらったばかり。それが突然の別離宣言。わたしはパニックに陥りました。

えっえっえっ???なになになに???今思えば本当に若かったと思います。突然の別離宣言の理由は今なら分かります。前の日に突然帰ったわたしの行動がOちゃんをメチャクチャ不安にさせたのです。

当時のわたしは理由など一切分かりませんでした。そして辛く切なく苦しい状態で週末に公演が行われました。何が辛かったって、劇団にいれば必ずOちゃんに会う事です。

芝居でも絡みがあり、どうしても会話をしなければなりません。気分はボロボロ、傷心状態。まとめ役だったわたしは苦しい胸の内を誰にも明かすことなくなんとか公演を乗り切りました。

・悲しみがとまらない

公演が終わるとしばし劇団は休みに入ります。わたしは仕事が終わってから車でふらっと出かけ、適当なところに車を停めてその場で泣き続けました。涙が止まらないのです。

あれだけ燃え上がっただけにその反動たるや物凄かったです。そしていつも「なぜ、ふられたんだ?」このことばかり考えてました。

わたしはこの苦しみを少しでも和らげようと3歳年下の女性の友達に電話をしました。「女の子の気持ちを教えて欲しい」と正直に伝えました。27年間の人生で生まれて初めて、女性の気持ちを知りたいと思いました。

7・自分の言動をかえりみる自己俯瞰への第一歩

この女性と食事に行き「女性の気持ち講義」が始まりました。食いるように聞いたのを覚えてます。

友達「森さん、女性って基本的にすぐに不安になる生き物。だから不安にさせちゃいけないんだよ」

わたし「ハイ」

友達「彼氏が何をしているか分からない時間があると凄く不安になる。だから絶対にそういう時間を作っちゃ駄目。会えない時はどこで何をしているか伝えること」

わたし「ハイ」

友達「それと例えば仲間で何処かに遊びに行ったとする。そういう時も、ところどころで特別に扱って欲しい」

わたし「ハイ」

友達「その日二人だけの時間が持てなかったとする。そういう時は、帰宅後、電話を入れて彼女の気持ちをフォローすること。気にかけてるよ、見てるよってちゃんと伝えて欲しい。そこまでしてもらって大事にされているって信頼できる」

わたし「ハイ」

耳をダンボのようにして聞きました。講義終了後「ありがとうございました」と深々とお礼。

帰宅後わたしはOちゃんに対しての自分の言動を振り返りました。そうするとでてくるでてくる、自殺行為と思われるような発言の数々が。特に他の女の子の話をOちゃんに嬉しそうにしたのはバンジージャンプです。

そして今までわたしの前から去って行った女性達も一本の線に繋がりました。わたしは初めて自分の甘さを痛感させられました。

付き合いだしても自分の好きなことを優先させて、彼女のことは二の次、三の次。たまにあって話を真摯に聴いてもそんなのは付け焼刃。自分が大事にされていないことを女性達は感じ取っていたのです。

全ての原因は自分にあった! わたし人生で生まれて初めて自分を振り返りました。まさか、全ての原因が自分にあったとは夢にも思いませんでした。この時の振り返りがカウンセラーへの第一歩だったと思います。いい気になったり、勝手な思い込みは必ず自分に返ってくる。自分には見えてない自分が他の人にはしっかり見えているということも。

エピローグ

この後もわたしもOちゃんも劇団を続けました。面白いもので、半年後くらいでしょうか。あれだけ好きだったOちゃんのことが自分の中で良い思い出となってきたのです。

大きな痛みのあとには大きな学びがあるということを実感しました。それと今後あれほどボロボロになる情熱的な恋は二度とできないと思うので、やはり出会えて良かったと思いました。

カウンセラーには必須の「自己俯瞰」。それを振り返った時に、人生初の自己俯瞰はやはりこの超大失恋が発端という話でした。ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました。


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