孤独の道を選び、得られたもの #旅とわたし

社会人5年目になる頃、私は一人旅を始めました。

当時、精神的にかなり疲れてて、でも、その原因がよくわかんなくて、
いろいろ悩んだ挙句、考えるのがめんどくさくなって、ずっと憧れていた「世界一周」をしようと思ったからです。

結果的に、仕事をしながらだったので、世界一周はできなかったのですが、それでも、およそ2年間で、
小笠原諸島、青ヶ島、屋久島、フィンランド、ニュージーランド、カナダなど、自然の多い場所で、それぞれ1週間ほど過ごすことができました。

そして旅を終えた時、私は「孤独になろう」と決意します。

今回は、そんな私の一人旅の様子と、心境の変化について書いていきます。


まずは国内の島めぐり

世界一周という結論になったのは、

・何となく旅人に憧れている
・地球のことを深く知りたい
・きれいな星空を見たい

と、けっこう昔から思っていて、これらを実現するには、世界一周が手っとり早いと思ったからです。

ただ、世界一周ってどうやるんだとか、仕事どうすんだっていう問題があったので、
「東京に飽きてきたし、長期休暇の間は、どっかの孤島で過ごそう」と考え、小笠原諸島に突撃することにしました。

その時は、山小屋のような宿で、珍獣に囲まれながらも、時々人と交流して過ごしたのですが、言葉では表しにくい感動的なものを味わうことができました。

それをまた求めたくなって、次は青ヶ島に行きました。絶壁の孤島ゆえに、開発が進んでおらず、50年ほど過去にタイムスリップしたような気分でした。
出会った宿の人や旅人たちも、とても良い方で、心安らぐ時を過ごすことができました。

その次は屋久島に行きました。緑が生い茂る、美しい島です。

私は相変わらず精神が安定しなかったのですが、宿の人や旅人からは本当に優しくしてもらいました。
夜、みんなで一緒にカレーライスを食べたことが、なぜだか、すごく嬉しかったのを覚えています。


ドキドキとワクワクな海外一人旅

一人旅を始めて1年が経つころ、海外を旅することにしました。

とは言うものの、そりゃもう不安で不安で。
だから、最初は治安が良く、穏やかな印象のあったフィンランドに行くことにしました。

旅行代理店は使わず、宿や飛行機の予約など計画から準備まで、全部自分で考え、調べながらやったので、いろいろと大変でした。

ただ、そのかいあってか、緊張と不安を抱えながらも、道には迷わず、最低限の英会話で、宿にチェックインしたり、食事もできました。

街を歩いてみたり、美術館を巡ったり、お店で買い物したり、カフェで一息ついたりするうちに、少しずつ、不安な気持ちが晴れてきます。
同時に、ワクワクする気持ち、楽しみたいという気持ちが強くなっていきました。

そんなポジティブな感情が頂点に達したのは、ずっと見たかった、念願のオーロラを見た時でした。

本当に幻想的で、神秘的で、美しかった…!

オーロラは条件が良くないときれいに見れないのですが、まさかの大当たりで、本当に、心から来てよかったと思えました。


海外一人旅、素晴らしいスタートをきれた私は、次に、ニュージーランドに向かいました。

世界一星空がきれいと言われるテカポ湖で、星空の写真撮影に挑みます。

星空も、天候に左右されるので運が必要です。さすがに2度目の奇跡はないだろうと思っていたのですが、
なんと、ここでも大当たりを引いてしまいました…!

私は、大きな大きな宇宙の中の、小さな惑星に、ポツンといるんだなーと実感しました。

テカポ湖は、星空だけでなく、周辺の山々も美しく、とても居心地の良い場所でした。

調子が良くなってきた私は、次にカナダを目指します。ロッキー山脈と周辺の湖を見たくて、バンフという街に行きます。

カナダ旅行は曇りの多い日々だったのですが、雄大な自然や、きれいな街並みなどは十分味わうことができました。

そうして、美しい自然や宇宙の姿に魅了された私の心は、少しずつ癒されていきました。

ただ、最も大きな旅の収穫は、人からの学びでした。


旅してわかったこと

フィンランドの宿で、同じく一人旅をしているオーストラリアの女性が声をかけてくれました。

私はそんな流暢に英語は話せないし、ちょっと緊張していたので、若干申し訳なかったのですが、とても優しく話しかてくれました。

彼女と街ですれ違っても、人見知りすることなく、ニコッとして、そのまま自分の道を進んでいきます。

ニュージーランドやカナダでも、似たような風格の一人旅の方とたくさん出会いました。
堂々と自分の思うように行動する姿がかっこいいなと思いつつも、なにか自分に欠けているものを見せつけられたような気がしたのです。

そして、このとき気づいたのが、「私が感じていた不安の正体は、一人ぼっちを嫌ったり哀れんだりする世間体なのでは?」ということでした。

想えば、一人旅を始めたころは、周囲の視線が気になって、あんまり旅を楽しめていませんでした。

「旅行はみんなで一緒にするもの」「カップルでするもの」「友人同士でするもの」など、漠然と、一人で旅をすることは、かわいそうなことだと思っていたところがありました。

さらに、自分の生い立ちを振り返れば、「彼女ができた!」「結婚するよ」という報告にどこか悔しさを感じ、「結婚はまだか」「彼女はできないのか」という大人たちからのプレッシャーにさらされていました。


空気を読み、周囲の視線をうかがい、自分の本心を抑え込むことにエネルギーを費やしてきた私の心は、疲れ切っていました。
だから、人によるプレッシャーが一切ない大自然に身を置いて、そして、自分の本心に気づきたくなったんだと思います。

そうして、「実は孤独になりたかったのかもしれない」とか「実はもっと自由に生きれるんじゃないか」とか「自分の思い込みや勘違いで、自分を縛っているんじゃないか」と考え始めました。


普段の生活で、「孤独」を実験してみる

そこで、私は、仕事や友人関係、家族関係など、普段の生活を「孤独モード」で過ごしてみる実験を始めました。

具体的には、

・会いたくないときは、家族の誘いも断る
・大人数の飲み会はお断りする
・不要だと感じた仕事のMTGはお断りする
・仕事は緊急でない限り、定時で切り上げる
・自分からはご飯も遊びも誘わない

けっこう思い切ったので、最初は怖かったのですが、ポジティブな結果が3つありました。

それは、「時間が生まれた」ことと、「消費が減った」ことと、「健康になった」ことです。

それまで意義を感じなかった人との関わりの時間を減らしたことで、当然、自分の時間が増え、交際費はほぼゼロになりました。

すると、不思議なことに、「ご飯が美味しい」と感じるようになりました。休日一人で家で過ごしてる時も、「寂しい」とは思わなくなりました。
そう、私は、人に依存していたのです。そして、その依存症が治ってきて、脳に余裕がでてきたから、日常の些細なことに幸せを感じられるようになったのだと思います。

これらの変化は、他人からは見えないので、私の表面上の態度だけを見て、いろいろ言ってくる人もいましたが、
私にとっては、今まで感じられなかった、とてもポジティブな体験であり、「このまま続けよう」と決意しました。

なぜなら、生まれた時間とお金、回復した体力を使って、新しいチャレンジができるようになったからです。

私は仕事をしながら、

・心理学を学ぶために、通信制大学に通う
・油絵を描いて、コンテストに応募する
・料理をして、さらに健康を向上させる

ということに挑戦しました。

特に、体系的な心理学の知識は、私にとって、かなり大きな資産になりました。

例えば、上記の「お断り」という行為、最初はストレートにやっていたのですが、当然、友人は減り、会社でも嫌われたり、怒られるような事態が度々起きました。
しかし、上手な断り方や交渉術があることを知り、人間関係のリスクを最小限にして、自分の意見を主張できることを学びました。

これからも、心理学を応用したり、創作活動の幅を広げたり、新しいことを学んでいくつもりです。


孤独の道を選び、得られたもの

1人旅を通じた発見と、その後の実生活での実験によって得られたもの。

それは、自分の性質を軸にした、人間関係や仕事の再構築でした。

すると、少し、世の中が違って見えるようになりました。
なんというか、今まで私は、自分のことで頭がいっぱいで、周りの人たちの気持ちや状況に鈍感だったのです。

自分の身近なところで、こんなにも、人が困っていたり、動物が苦しんでいたり、自然が破壊されているんだなと。
そんなこともあり、継続寄付を始めたりしました。

なにより、私の病んだ心を癒しくれた自然環境や動物、優しくしてくれた人々への恩返しも込めて。

#旅とわたし

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