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Base Ball Bear 全曲紹介・感想・解説 40曲目 DEATHとLOVE

本日二回目の更新。ケンイトウです。

今回は40曲目『DEATHとLOVE』。なかなか積み重なってきました。

アルバム「C」のコンセプトそのものずばりの曲名。

【曲・歌詞について】

ミッドテンポですが、なかなか面白いビート感。
ドラムのフレーズも結構遊びが多くてダンサンブルな曲になってます。
ウワモノのリードフレーズが気持ちいい、いい歪みです。湯浅ギターの真骨頂。

アルバム「C」で言えば「GIRL OF ARMS」潜りきったところからの急浮上といった感じで、後半へのいいアクセントになってます。

それでは歌詞について。

逢いたい君こそ逢えなくって 箱を被って、生きる
心の中、虎を飼った少女 爪立て笑って! come on

DEATHとLOVE

小出氏の描く「少女」って、普段は周りの人と同じように生きているけど、実はとんでもない。みたいな描写が多くて。
よくよく考えるとある意味それって当たり前で、
普通」に生きてるあの子だけど自分にとっては「特別」っていう裏返しでもあるのかなと。
「特別」を歌っているように聞こえるけど、実際は誰の恋愛にも当てはまるようになっていて。
だから自然とリスナーに刺さる歌詞になってるのかなぁ~と思ったり。

そして「come on」を「噛む」と読ます隠しきれないセンス。

逢えない君こそ逢いたくって 布団に潜って、夢(ゆめ)る
「愛」という字の上手い少女 心臓、触って!

Aメロ。「夢る」というヤバ造語動詞。以降「~ってる」という表現が多くなりますが、もう片鱗が出てたんだなぁと。

思い出に変わる 永遠に変わる 変わらないこともある
考えてみても、どこにもいない 君はもう

君がいた夏が消えていくよ だから手を振り
君がいたことが笑えてくるよ そう、泣いた後に

Bメロ~サビ。この部分はキャリア通してベボベ感をかなり象徴するフレーズと思っていて。
この時点では「思い出」という過去は変えられないからこそ、今を生きたい。
例えばアルバム「C」の次曲『STAND BY ME』で「永遠は悲しい 目の逸らせない、一瞬を」と歌っていたり。

この曲時点での「永遠」=「思い出」は失ってしまったものへの「想起」の意味合いが強いですが、
キャリアを経て、のちの『カナリア』では
失くしたもの 失くすくらいなら始めからいらなかったと思ってた
だけど最近 1引く1ほど単純じゃない気がしたんだよ
失くす前の手触りをまだ確かに憶えてるから
」と歌っていたり。

キャリアを重ねることで、認識というか捉え方が変わって表現されるのもベボベを追ってる楽しみの一つだなぁと感じます。

逢いたい気持ちに 歯止め効かなくて
怪物みたいに悲しくなる 捨てた花束

2Aメロ。サビ後のギターフレーズからのドラムのタム回しがめちゃくちゃ気持ちいいです。
花束」という単語も今後たま~に出てきまして、「過去、あるいは過去の選択」=「」の「積み重ね」というニュアンスなのかなと。

思い出に変わる 永遠に変わる
都市はただ輝く 背中押すように、答えを突きつけるように

2Bメロ。しっかり「都市」という単語を使って、自分の意識なんて何の影響もせずに存在する「世界」との対比。
突きつける」という言葉選びが「都市」の無機質感を強調していい表現だだな。

【まとめ】

まさにアルバムコンセプトを象徴した一曲だなと。
改めて聴いてみて、キャリアを通してもかなり意味のあるフレーズが多くて、原点ここにありという印象です。

次回は41曲目『ラストダンス』。
引き続き引き続き引き続き引き続き引き続きアルバム「C」の収録曲。

ひっさびさに1日2曲書いてみました。好きなもののアウトプットはやっぱ楽しいです。
引き続きよろしくお願いします。

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