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「悩めるトレーダーのためのメンタルコーチ術」

トレーダーとしての力量は、ノイズの多いデータのなかからパターンを検知し、それに基づいて行動できるかどうかで決まってくる

p192

700ページほどの書籍なので、かなり分量があります。翻訳が微妙な箇所も多いのですが、書いてあることは伝わってくるので咀嚼して読む感じです。

記事では、個人的に役に立っているところだけ抜粋して、最後に章ごとの紹介を簡単に記録しました。


ストライクゾーン

 自分のトレードのセルフコーチになったら、ニッチの外に出ないようにし、得意なコースに球が来たらバットを振り、限界に近い結果を生み出せる球を強打することが仕事になる。
これは、トレード「してはならない」とき、マーケットに参加「してはならない」ときを知るという意味である。

アグレッシブなトレーダーに共通するパターンは、自分の枠組みを外れたところでトレードをしすぎて資金を失い、その結果、本当に得意なコースが見つかったときはもうそのアドバンテージに乗じるだけの図太さを失っていることである。

p146

得意なパターン/時間帯/銘柄が決まっているのに
よそ見をしたり、思いつきで新しいアイデアを試してしまうとアホな失敗をする。

得意コースの範囲内であればリカバリー出来るのに、ニッチの外だとどう動いて良いか分からず、ただガチャガチャと両建てしたり切ったりを繰り返して、マイナスが積み重なってしまう結果になることがほとんどだ。

また、ダマシに引っかかったあとでも、得意コースであれば平気で入り直せるから強い。

 わたしはあるトレーダーが頼もしいアイデアでトレードを仕掛けるのを観察していた。彼は途中でやめたが、新たなシグナルが出てくるとまた同じトレードを仕掛けた。そしてまた仕掛けていた。3度目の正直だ。するとトレンドに乗って特大の勝ちを手に入れた。

彼の回復力はその粘り強さ、つまり疲れや落胆にもめげずに長い間目標を持続させる能力が身を結んだものだったのだ。

p190

握力

普通はトレードを仕掛けるよりも勝ちトレードを追っているほうが深い確信を必要とする。

p212

ノイズに振り回されずにポジションを持ち続ける方法として

 ① 利益目標を設定する(=利益確定価格)
 ② 小さな成功を重ねる

 トレーダーが早めに利食ってしまう理由がいくつかある。ひとつは、利益目標を損切り価格ほど明確に決められないからだ。利益目標は、全体的なボラティリティ、明確な支持線や抵抗線の存在、トレードするパターンの時間枠など、多くの要因を踏まえて設定する。

頭の中に明確な目標があればそのトレードを続けるのは簡単だ。

p210

もちろん、明確な目標があってもアイデアに自信がなければポジションを持ち続けることは難しい。

 目標より手前で利食いしたいと思ったときは、全てを決済せずに一部残しておく。小さなロットだけでもターゲットまで持つことができれば、それが体験として記憶されるため、アイデアに対する信頼を深めることができる。

負けるパターン

 トレード技術とは別のところに、失敗する原因があるケースについて。「コーピング」「過剰防衛」とかの専門用語については、あまり違いがよく分からないまま読んでるかも、、

 トレードで一貫して資金や機会を失うパターンを繰り返しているときには、幼少時代からのコーピング方略(それまでは自分を助けてくれたが、成長してからもずっと切望している方法)を繰り返している可能性が高い。

p112

 典型的な例は、自分は両親の求める基準や期待にはけっして及ばないと感じているトレーダーである。そのトレーダーは自分の劣等感をトレードに持ち込んでは、自分が本当に成功していることを立証するために軽率にリスクをとるが、当然トレードで何度勝利を重ねても空虚感を埋めることはできず、さらに大きなリスクをとっては最終的に自滅してしまう

こうなると、トレード手法をちょっといじった程度では問題解決には至らない。ジレンマの中心にある葛藤がなくなるまで、トレードで自分の脚本を演じ続けることになる。

p296

トレーダーの性格

スポーツや戦闘、チェスといった脳を使うゲームでは、勝利を収めるのは殺害本能のある者である。彼らはいつ有利な立場に立てるのかが分かっており、いざそのときが来たら徹底的にその利点を追求する。

p240

(本全体の構成)

第1章
 →「手順」の説明が多い。上達するための道筋をどのように作るか

第2章
 →「焦り」「恐怖」「不安」の解説と、それらへの対処法

第3章
 →「快感」「ゾーン」「自信」などプラスの感情を育てる

第4章〜第7章
 →良いトレードを一貫して実行するための学習について。同じことが何度も書いてあったり、量も多くて正直把握しきれてないです、、

第8章 ビジネスとしてのトレードのコーチング
第9章 プロのトレーダーから学ぶ
第10章 エッジを探して
 →こちらはタイトル通りの内容がそれぞれ記されています。


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