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Ami Ⅲ 第16章-地球内部のシャンバラ秘密基地

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アミが、見せたいものがあると言ったので、僕は、てっきり違う世界に行くのだと思っていたのです。
だから、窓の向こうに青い地球が大きく見えたので、「アミ、あれは地球だよ。」と言ってしまいました。
「そうです。あなたに見せたいのは地球です。」
「フム...。あまり目新しいものはないだろうけど...。
海の文明を見せてくれるって言ってたけど...。
そういうこと?」
「違います。
そこへは、ビンカの原稿を持って行くためにキアに行く時に立ち寄るつもりです。
地球上だけじゃなくて、人工惑星を見に行くこともできるのです。」
「どうして人工惑星を作るの?」
と、ビンカが遮りました。
「すべての太陽には死ぬ時期があり、爆発してすべての惑星を焼き尽くしてしまうのです。
だから、そうなる前に、太陽系の住民を一斉に避難させなければなりません。
そのために、巨大な宇宙船のように操縦できる人工惑星が作られ、他の太陽の軌道に連れて行くのです。
でも、それについては、また今度説明しましょう。
それに、あなた方が望むなら、過去を見てみることもできるのですよ。」
彼は、宇宙船を降下させ、ヒマラヤ山脈の上空を進み始め、息をのむようなスピードで雪に覆われた丘のひとつに突っ込みました。
シャヤ・サリムやヘクシスと同じように、僕たちは内部へ到達するために固体の物質を通過しているのです。
ビンカはショックを恐れて目を閉じてしまいましたが、僕はそうしませんでした。
何も起こらないと判っていましたから。
それに、岩を貫通するとき、ガラスの向こうに何が見えるのかを知りたかったのです。
結局、何も起こりませんでしたが。
一瞬、黒いものが見え、すぐに素晴らしい透明度に包まれました。
「私たちは、再び文明の領域にいます。」
と、アミはとても明るく言いました。
僕はシャヤ・サリムやヘクシスのようなものを期待していたのですが、全く違っていました。
以前の場所は、近代的な都市の印象でしたが、ここは、儀式などの領域に到達したように見えました。
窓ガラスの向こうに、小さな白い町か村が見え、小さくてほとんどが半円形の建物で構成されていたのです。
そして、街の中心部には、とても印象的で美しい球体の大きな建物がありました。
他に大きな建物は見当たりません。
その光り輝く球体は、わずかに湾曲した4本の支柱によって支えられており、またその底は地面に置かれていたのです。
この建物が地下基地の最も重要な部分でした。
木々、草原、花々が立ち並ぶ4本の大きな並木道が、それに向かって収束し、それぞれの支柱の前で終端を迎えていたのです。
そこには、たくさんの宇宙船とたくさんの人がいましたが、それにも関わらず、とても調和がとれていて平和な感じがしました。
「この基地はシャンバラと呼ばれています。」
「シャンバラ!
聞いたことがあるよ、アミ...。
歌で聞いたような気がする。」
「ペドロ、シャンバラは多くの古代の伝統の中に存在しているのです。
アガディールやアガルティ、エルドラド、シャングリラなど、まだあまり知られていない基地のようにです。」
「もし、それらが秘密基地なら、どうして伝承者たちはその存在を知ることができたの?」
「多くの伝説には、人が知識へと至る道を啓発する真理が含まれているのです、ペドロ。
私たちが、意図的に手がかりを残していることもあります。
まるで物語であるかのように、少しは現実であるかのように。
あなたが書いた本のようなものです。」

僕には、その場を上手く説明することが出来ませんでした。
「ほら、あの中央の球体の形をした建物は研究所です。
寺院だとも言えますがね。
あそこで行われている作業は、通常、寺院の中で行われているのと同じこと、つまり、より高いレベルの精神的なエネルギーの生成と関係があります。」
僕には、それが寺院の目的であるとは思えなかったのです。
「特定の宗教に関係なく、地上的ではない観点から見れば、それが寺院のより高い目的なです。
それは、電気のようなものだと考えてみて下さい。
電気が、火力、原子力、風力、太陽光、ダム発電所の何処から来るものであろうと、電気をつける必要があれば、気にしないでしょう?」
「それはそうだね。」
この基地には「精神的な電気」を生成して惑星の他の地域に放出するプロの瞑想者がいるのです。
つまり、その高周波の質の高いエネルギーと振動がそれを受け取る人々の魂の中で『光』になるということです。
彼らの否定的な信念が『感情の中心』である、内なる霊的な光の受容体をブロックしていない限りですが。
「否定的な信念?」
と、ビンカが訊ねました。
「スピリチュアルなものは存在しないと、全身全霊で信じている人たちのことです。」
僕とビンカは笑いました。
「笑わないでください。
そういうものなのです。
すべてが闇だという盲目的な信念です。
そして、その『切断されたケーブル』では、シャンバラという『発電所』の『電気』がその『家』に届かなくなり、『光』がなくなるのは当然のことなのです。

信じたものは、信じた者の人生において現実となることが示されているのですから。
だからこそ、私たちは、自分が信じていることと、信じていないことにもっと注意を向けなければなりません。」

この街には神秘的な雰囲気が漂っていることをはっきりと感じました。
「そうです、ペドロ。
ここでのエネルギーは違っていて、より高く、より細かいことに気づいたでしょう。
それは、私たちが光り輝くエネルギーの放出源に近いから、そしてあなたが自分の内なる感覚に前より注意を向けられているから起こることなのです。
「どういうことなの?
この街はシャヤ・サリムとは違うってことなの?」
「違います、ビンカ。
『進化していない』あるいは 『文明化されていない』世界には、ある仕事に専念する拠点と、他のことに専念する拠点があるのです。
しかし、その拠点がある人類の自由意志を尊重して、すべてのことが行われなければなりません。
シャヤ・サリムではキアの社会進化を研究しており、社会進化のために、我々のようなある種の高度な知識が、悪人の手に渡るのを防ごうとしています。
他の拠点では生物学的進化が研究され、他の拠点では文化的、科学的、技術的進化が研究されているのです。
一方、シャンバラは、スピリチュアルなエネルギーを必要とする地球の人類に、そのエネルギーの生成と伝達に専念するセンターの一つなのです。」
寺院、すなわち 実験室は、ダイヤモンドや水晶のような物質でできた、巨大な板やテラスの中央に位置していました。
「この惑星で最大の水晶振動プラットフォームです。
とても上質な水晶です。
この水晶には、精神的なエネルギーを集中させ、増幅させるという特質があります。
だからこそ、高い精神的、感情的、霊的な波動を発生させるための作業がここで行われ、それらのエネルギーは、ここから惑星全体に投影されているのです。
そして、それを受け取る人もいれば、拒否する人もいます。
当然、拒否をすれば彼ら自身の進化を遅らせることになるのです。」

最終章 第17章 小さな助け coming soooooooooon  !!!

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