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Ami Ⅲ 第1章 出会いと別れ      


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『ついにアミの宇宙船が戻ってきた!』
と思ったところドアが開き、映画俳優か王子のような、輝くスワマの少年が入ってきたのです。
するとなんとビンカが頷きました。
彼女は僕の目を真っ直ぐに見ることもなく。。。
僕は、僕を見る彼女の目に僅かな喜びすら見いだせませんでした。
そして、その美しい青年は、僕を軽蔑し嘲笑うかのように僕を見て、こう言ったのです。
「アミがミスをしたのさ。
だから彼は仕事を解雇されたんだよ。
異なる世界のソウルメイトなんか存在しないのさ。
ビンカと俺は、キア星から来たんだよ。
君は地球人だよね。
だから彼女は君のソウルメイトではなく、俺のソウルメイトなんだよ。」
そして、彼は彼女に延々と口づけを続け、彼女は情熱的に彼の首の後ろを撫で、彼の背中を掻き回しました。
涙が出そうで、泣きそうで、でも何もできませんでした。
引き裂かれるような感じがしました。
ビンカは僕を捨てて、別の男の子に乗り換えたのです。
大きな男の子で、今は18歳くらいの青年です。
僕のような13歳の小人ではありませんでした。
その時、何かノックの音が聞こえました。
「ペドゥリート」※ペドロの愛称
心と魂に鋭い痛みを感じながら、僕は目を開けると、海の家の自分の部屋にいたのです。
「ああ... 悪夢だったんだ。良かった。」
起こしてくれた祖母に内心感謝しながら、そう呟くと、気持ちが穏やかになっていきました。
アミが時々『被害妄想さん』と呼ぶのは正しかったのです。
僕は夢の中でもそうなんだ...と思いました。
「そろそろ起きる時間だよ。
私はヨガのレッスンに行かなければならないのよ。
今、起きてくれないとね。」
「今、行くよ、おばあちゃん。」
「それから、正午にお客さんの案内があるから、昼食を作るのが少し遅くなるのよ。」
「12時になったら、火を一番弱くしてオーブンをつけてもらえない?」
中には茄子入りマッシュパイが入ってるわ。
あとは帰ってから何とかするから。」
「はい、おばあちゃん、大丈夫だよ。」
「じゃあ、ペドゥリート。気を付けてね。」
祖母は『若返り病』を発症していたのです。
ヨガをし、ビタミンを摂り、服装も若々しくなり、美容師かコスメティシャンか脱毛サロンで働いているのか、何かわからなけど、以前の職業に就いたのでした。
今では、家にいる時間がぐっと減り、海辺の町で往診の仕事もするようになっていました。
そのおかげで、夏の間ずっと、家を借りられるようになったのです。
ビンカ...、僕がアミの船が現れるのをどんなに待ち望んでいるか。
初めて彼女を見たときから、あるいはその10分後くらいから、僕はいつも彼女のことを考え、彼女がそばにいなくても、別の意味で彼女がいるからこそ、僕の中に彼女の存在を感じられるようになったのです。
もちろん、僕たちは愛で結ばれています。
アミのおかげで、愛が宇宙最大の力であることを理解できていました。
そうして僕は、愛とは単に美しい感情ではなく、いや、それ以上のものであることを知ったのです。
アミが来てから、僕にとって新しい神様ができました。
僕は、多くの無神論者でさえ、宇宙の最も進んだ場所で彼らが持っているものと同じ、宇宙の発明者についての僕の新しいビジョンに同意するかもしれないと思います。
僕は、彼らからそれを受け取りました。
神様は今も昔も変わらないけれど、時間の経過とともに、僕たち自身の進化とともに、神様の見え方が変わっていくのですね。
最初、人々は創造主は石か雷か太陽だと考えていました。
そして、それだけではないことを知りました。
僕たちがより高い方法で神を考えることができるたびに、彼は僕たちにとって新しい神となるかのようです。
アミに出会う前の僕の想像では、神様は見張り役で、復讐心に燃えていて、厳格で、厳しく、罰する、怒りに満ちた主だったのです。
まあ、それは、ある人が僕を脅すために、あるいは自分もそう信じていたから伝えた考えであって、聖書自体にも、多少なりともそのように描かれているところがあるのですが。
そんなこともあって、子どもの頃はとても怖かったんです。
でも、神のことを考えなければ機嫌が悪くならないことがわかり、神の存在を疑ったほうが都合がいいことがわかり......。
しかし今、僕にとってのそれは、宇宙と僕たちを含むすべての生きものとなった、愛という優しく輝く『存在=知性』なのです。
このような見方は、星から宇宙船に乗って僕を訪ねてきた友人、アミから学んだもので、彼は僕に愛の神性を教えてくれたのです。
今、神は想像上の存在ではなくなり、僕が見て、感じ、生き、経験できるものになったのです。
もちろん、愛が神である以上、僕が愛を感じるたびに、僕は神を体験していることになります。とてもシンプルなのです。
単純な魂にはシンプルなことですが、古い魂とこの話をすると、神学的、知的な複雑さが出てきて、すべてが絡み合って、最後には神や愛から遠ざかってしまいます。
何が起こるかというと、この地球上では、僕たちの内面が少し歪んでいて、だから単純なことを理解するのが難しいということなのです。
「アミ、聞いて、どこにいても僕の心に同調して、直ぐに来てほしいのです。
ビンカに会いたいのです。
待っています。」
僕は毎晩のように浜辺の岩に座って、精神的に彼に語りかけました。
彼は距離に関係なく僕の考えを知覚できるのを知ってますから。
でも、何も起こりません。
僕は暗くなるまで空を見ながらテレパシーメッセージに集中し、少し悲しくなり、少し怖くなり、そして、がっかりして家に帰りました。
すでに2作目の「戻ってきたアミ」を完成させていたのに、その夏には来ないかもしれないと思ったのです。
それは、星の子がビンカを連れて、3度目に僕に会いに地球に来るために課した条件だったのですがね。
実は、「アミ小さな宇宙人」と「戻ってきたアミ」は、僕の話をもとに、いとこのビクトルが書いたものなんです。
30代で、文学にも詳しいのです。
でも、この新刊は、後ほどご紹介する素晴らしい「小さな助け」のおかげで、僕一人で書いています(忍耐、平和科学サイエンス)・・・。
そんなある日の夜、家に帰ると祖母が「ちょっと寂しそうだけど、どうしたの、息子? ガールフレンドとのトラブルかしら? 」
と尋ねてきました。
そう、まさにその通りなのですが、僕のガールフレンドについて伝えることは出来ません。
僕の愛する人、存在する全てのものの愛、僕の愛するソウルメイトが、200万キロメートル離れたところに住む宇宙人の女の子で、僕たちが出会うのは、同じく宇宙人のアミと彼の宇宙船にかかっている、なんてことは言えません。
どうしたらそんな話ができるでしょうか?
従兄弟のビクトルから精神科に行けと脅された事もあったのですから。
「ペドロ君は、想像力が豊かで、面白いことを思いつくから、書くのに苦労するよ。」と彼。
でも、「空想と現実は別物だから、本気にしないでね。」
っていう納得のいかない言い訳を、を1000回は繰り返したのですから。
「僕、悲しそうに見える?
いや、おばあちゃん、そんなことないよ。
気のせいだよ、ははは。。。」
それから話題を変えて、ちょっとテレビを見てから寝るのです。
しかし、ある素晴らしい夜、祖母はすでに寝ていて、僕は居間で一人テレビを見ていました。
CMが始まったので、チャンネルを変えようとしたのだけど、画面の中に地球に接近する宇宙船があることに気づいたのです。
アミの宇宙船を思い出して、そのCMをよく見ようと思ったら、なんとアミによく似た声がするではありませんか。
「あの宇宙船に乗ってくるのは誰? ミステリーです!みなさん!」
僕は彼のことをよく知っています。
やっぱりアミの声でした。
そして、「翼の生えたハートの岩の上のサプライズを見逃すな!」と付け加え、下痢止めの普通のCMが始まったのでした。
とてもおかしな顔をして、お腹を抱えながら必死にトイレに走っていく男が映っていました。
それは、直ぐにアミのジョークだと分かりました。
アミのいたずら好きが帰ってきた!
そしてついにそこにいた!
いたずらをしているのです。
彼にとって、テレビに現れ、好きな映像やコマーシャルやジョークを映し出し、好きな事を言うのはとても簡単です。
遠隔操作で、必要なら他の惑星からでも、彼が自分で作ったクールな電子機器の1つを使ってでできたのです。
祖母はすでに寝ていたので、僕は暗闇を気にせず、矢のように浜辺まで走りました。
喜びと希望に胸を躍らせながら、海辺にやってきました。
崖を登り、頂上に着いて、あちこち見回しましたが、アミとその船の姿はどこにも見つかりません。
そして、アミが、以前、彼が岩に刻んだ翼のあるハートが見えないように、遠くから催眠術をかけたことを思い出しました。
探してみると、そこにあったのは、石の下に白い紙が挟んでありました!
「アミからのメッセージだ!」と思い、嬉しさのあまり急いで開けると、確かにそうでした。
彼は、僕たちの言葉をよく知らなかったので、許されるスペルミスでしたが、「ペドロへ。明日の朝、森の中で。」と言うような事が書かれていたのです。
それを読んだ時の僕の喜びは、急性心筋梗塞を起こしてしまいそうなほどでした。ビンカ。。。
でもそのメッセジーには、驚く事が書かれていたのです。
「森の中で!」
僕は、岩場以外の場所にアミが来るというイメージがなかったので、とても不思議に思ったのですが、近くの場所の中で、人目を気にせず昼間に船を下ろせるのはそこだけなので、最適な場所だとわかりました。
そして、僕は嬉々としてベッドに入りました。
今、僕はビンカと再び抱き合うまで、あと数時間しかないことを知ったのですから。
うーん... 。
彼女のことを考え始めると、なかなか寝付けないのです。
再開が目の前だと思うと、感動で震えそうになりました。
結局、僕は眠りにつき、ある夜のような恐怖ではなく、彼女にまつわる素敵な夢を見たのですが、それは個人的な問題です...。



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