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【ライブレポート】Rome Streetz、初来日備忘録

先日、5月4日は、Rome Streetzの記念すべき初来日公演の日だった。(前日に渋谷DUOで急遽行われたゲリラライブも運良く拝見することができた)

Romeが大黒天さながら目を細めてニンマリと口角を上げる度、ギラギラと光るグリルズがFlexされ、首からぶら下がる重量感のあるマイアミキューバンにはレザーブレイド(カミソリ刃)のヘッドが揺れる。そして、中指にはバランスを示す「GRISELDA」の天秤のモチーフが施された、フルダイヤの厳ついカスタムリングが煌めいていた。

そう、Westside Gunnの手引きにより、「Griselda Records」に加入して以降、彼を取り巻くラップキャリアは数年の内に劇的な変化を遂げたのだ。

3年ほど前、彼を取り上げた記事を書いた頃よりも明らかにグレードアップした装いと、相変わらずハイペースな作品リリースや客演仕事で、今一番脂の乗っている時期であろう。

そんな中、横浜でHIP HOPカルチャーを体現し続けるインポートショップ、「build467」から来日公演のアナウンスを聞きつけ、行くしかないだろうということで、MIYASHITA PARKにあるOR TOKYOに潜入してきた。

コアなHIP HOPマニアがひしめく会場の熱気は、いわゆるメインストリーム系統の"ノリ"とは全く異色のものではあるが、その居心地の良さは、同じ嗜好の人間同士が一同に介すことでしか生み出せないディープな一体感でもある。

夜明けも近づく頃、RomeのマネージャーであるCoach Bombayの「Konnichiwa!!!」のシャウトと共に幕は開け、バックDJのNaquaiがスピンすると、Warren LotasのTシャツにBAPEとFUTURAのコラボジャケットを羽織り、St. Louis Cardinalsのフィッテドを被ったRome Streetzがステージに登場する。初っ端から「Fire At Ya Idle Mind」のファーストヴァースで待ち侘びた日本のファン達のハートを鷲掴みにした。

ライブ構成は、Camoflauge Monkがプロデュースしたキラーチューン、「Big Steppa」をはじめ、Conductor Williams関連多めの「Kiss The Ring」「Noise Kandy 5」からの楽曲がほとんどを占めていた。

中でも、彼の代表曲の一つ、「96 Nauti Windbreaker Shit」のパフォーマンスは、「GRISELDA」加入前からのRomeファンにとってはハイライト・シーンであったであろうし、アンコールでは、出たばかりのWavy Da Ghawdとの最新作「Buck 50」から、「Runnin It Up」を初披露してくれたのは嬉しいサプライズだったはずだ。

欲を言えば、DJ Muggsとの「Death & The Magician」の楽曲やDJ Premierプロデュースの「Runway」の1ヴァースも聴きたかったところだが、切れ味の鋭いスピットスタイルとスキルフルなライミングで、余裕の貫禄を見せ付けた彼の四半時のライブパフォーマンスは観衆を完全にロックしていた。

国内では今後も中々お目にかかれないであろう、Rome Streetzのナマのラップスキルを体感できたことは、GWの最高の一時となった。

最後に、この貴重な機会を企画・協賛した関係者の方々にBig shout outを送りたい。

Rome Streetz御一行も、きっとまた日本に来たくなったに違いない。

peace LAWD.

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