見出し画像

1万人の人骨で装飾された教会に行ってみた!

世界には数多くの美しい教会があり、とくにヨーロッパ各国を旅行する際は外せない観光スポットのひとつですよね。今回は、チェコにあるかなり変わった教会をご紹介したいと思います。知る人ぞ知る、人気スポットクトナーホラという街にある、セドレツ納骨堂です!

アクセス

アドレス:セドレツ納骨堂
Zámecká, 284 03 Kutná Hora, チェコ

わたしはプラハに宿を取っていたので、プラハ中央駅から電車に乗って向かいました。チケットオフィスに行って、クトナーホラに行きたいと伝え、プラハ~クトナーホラの往復を購入しました!写真の1階部分、青く光っている自動扉のオフィスです。プラハ中央駅はとても大きく清潔な感じで良かったです!

画像4

乗客は、セドレツ納骨堂目当ての観光客が多かったです。向かいの席に座ったカップルと仲良くなり、同行することに。(笑)

クトナーホラの駅に到着しました。田舎の小さな駅で、電車の本数が少ないので、帰りの時間をきちんと調べてから向かった方がよいです。わたしは何も考えずに駅に戻ってきてしまい、近くに店は何も無いので、1時間ほど本当に暇でした…。

駅から15~20分ほど歩いて、セドレツ納骨堂に到着しました。周辺の小さな一画だけ観光地化されていて、お土産や屋台があります。

チケット:大人90 CZK 学生または子ども 60 CZK (2019年9月)

見学レポ

入り口からいきなり骸骨のお出迎えで衝撃的でした。どんなものか分かって行ったものの、いざたくさんのしゃれこうべを目の前にすると鳥肌が立ちました。

画像2

しかし、じっくり見ていくうちに、怖いという気持ちはなくなり、各々作品の緻密さ、精巧さに感動しました。

ひとりで来ている観光客が多いのかなと思っていましたが、意外と家族連れやカップル、幼い子どもたちも多く来ていました!

教会内の中央にあるシャンデリアは、圧巻です!

画像3

人間のほとんど全ての骨が使われているそうです。例えば蝋燭を置く台座のところは、おそらく骨盤を重ねていて、花びらのようにみえます。

人工的に整えた素材ではなく、そのままの人骨を使うというのは、形も大きさもばらばらで、技術的にかなり難しそうですよね。

上部に座っている天使の虚ろな表情も、怪しい雰囲気があって良かったです。それにしても、いったい誰が何のために…というのが気になるところですよね!

歴史をざっくり紹介

13世紀頃、とある修道院長が、ゴルゴダの丘の土(イエス・キリストがはりつけにされた場所とされている)を墓地に撒いたことから、神聖な場所として有名となり、中欧各地より埋葬希望者殺到したといわれています。

15世紀のはじめ、墓地の中央に教会が建設され、埋葬されていた無数の遺骨は、掘り起こされ、教会地下の納骨堂へと積み上げられていきました。

19世紀に神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世(マリーアントワネットの兄)の治政に、シュヴァルツェンベルク侯爵家が教会を買い取り、後見人となりました。侯爵は地下に積み上げられた遺骨を使って教会内部を装飾するように木彫り師に依頼しました。

装飾を施した木彫り師、フランティシェク・リント (František Rint) は、自らの名前を階段出口の脇の壁に残しているんです。しかも、きちんと骨を使ってアルファベットを形づくっています。

画像4

そして、とんでもない依頼をした張本人シュヴァルツェンベルク侯爵家のエンブレムが教会左奥あります。

画像5

紋章の右下部には、一羽のカラスがしゃれこうべの左目を突いている飾りがあります。カラスは、16世紀のオスマン帝国との戦いのシンボルであったそうです。

侯爵の意図は、はっきりとわかりませんが、人々が遠ざけがちな”死”は、決して恐ろしいものではなく、いつも隣にあるものだ、というメッセージを表現したのかもしれません。

常識を破ってくれるものに出会うのはとても楽しいですよ!気になった方はぜひ訪れてみてください!

次回の記事でまたお会いしましょう。