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「時をかける社畜」 発売中

2017年7月KADOKAWA富士見L文庫より、第二作「時をかける社畜」発売中です。

……と、遅まきながら宣伝などしてみようと思ったのですが、言いたいことは本文とあとがきにほぼほぼ書いたんだよな……何かあるだろうか。

ああそうそう、あとがきといえば、あの件があった。
「時をかける社畜」のタイトルと章タイトルは全て既存小説の題名を元にしているってやつ。
僕の小説に辿り着くくらいの小説フリークな方なら説明しなくてもわかるとは思いますが、念のためここで元ネタを明かしておきましょう。

まずタイトルの「時をかける社畜」は、もちろん筒井康隆さんの「時をかける少女」です。
青春SF好き、時間もの好きとしては外せない作品ですね。
個人的にはアニメ映画版が一番好き。
アニメを見た後に原作を読んで全然違うことにぽかんとした人は、僕以外にも結構いそう。

次に第一章の「月曜日は金曜日に始まる」は、あとがきにも書きましたが、ストルガツキイ著「月曜日は土曜日に始まる」です。
原作は奇想SFといった感じだったような。
中身はとても読みづらかった記憶が……ただその中でも一番印象に残っているのは、確か序盤のラストあたりで、「月曜日は土曜日に始まる」という不思議なタイトルの回収が行われる場面です。ロシアの人達も大変だなあと思いました。

第二章の「はてしない仕事」はエンデの「はてしない物語」から。
「モモ」は読んでいたけどこちらはまだだったので、確か「社畜」の執筆前後あたりで初めて読みました。
児童文学なのに示唆や風刺に富んでいるのは、エンデの特徴なんでしょうかね? あのむしろ大人が読んだ方が面白い感じ、いいですよね。
しかし買った後に電子書籍版が出たのは残念だったな……。
*しばらく前からなるべく電子書籍を買っている。紙の本は場所取るので……。

第三章の「誰がために定時はある」はヘミングウェイの「誰がために鐘は鳴る」
すみません、未読です。

第四章の「長い平日」はチャンドラーの「長いお別れ」から。
一時期ハードボイルドにはまっていたので、もちろん読みました。
そのはまった経験から「ニンゲンバスター九里航平」を書き、デビューから本作に繋がったとも考えられます。
マーロウに感謝です。

第五章の「時計じかけの労働」はバージェスの「時計じかけのオレンジ」
だいぶ前に読んだのであまり覚えてないけど……人工的に感情や行動を制御された恐怖が描かれた作品というイメージです。
類似の恐怖を「社畜」にも込めたつもりですが、どうでしょうか。
少なくともこの章タイトルは怖いのではないかと。

第六章の「失われた土日を求めて」はプルーストの「失われた時を求めて」から。
すみません、未読です。だって長いんだもの……。
ちなみにこの章タイトル、個人的にはタイトル候補でした。
ただより作品を端的に表している方はと考えると、今の方で良かったかなと。

といった感じで、数々の名作から拝借させていただきました。
ありがとうございました。

いつか僕も他の人に使われるようなタイトルの作品を出したいものです。

その分活字を取り込んで吐き出します。