問題児が僕の前ではほとんど荒れないワケ | R6.4.24

少年院の教官時代も今も、職場における僕のポジションはおなじ。

便利屋

人手不足のとこに飛び込んでなんとかするのが仕事。サッカーで言えば、フォワードもディフェンダーも、右も左もこなせる超ユーティリティプレイヤーだ。

少年院時代は、院内の教育活動でおよそ「苦手」なものがなかった。どの実習もどの講座も、やれと言われれば最低限のことはできる。しかも当日言われても。

今の会社は8つの施設を運営している。中小企業のつねで慢性的な人手不足。ただでさえ人手不足なのに、感染症がはやった日にはもう目も当てられない。

先日は、現場のスタッフが全員体調不良になって、飛び込んだ僕がアレコレ回す事態になった。そんなことがあっても僕はわりと問題なくこなす。

こなせることよりも、そのための準備期間をほとんど必要としない瞬発力の方が武器だと思っている。

んで…

そんな働き方だから、現場を飛び回る中で「久しぶり」という状況もわりとある。今日は、約1ヶ月ぶりの子の支援に入った。

進級など、いろんな要因が重なったのか、施設でも不安定になり暴れることが多いと聞いていた子だ。

が…

今日はまったく暴れなかった。

むしろ基本的にはごきげんで、僕といっしょに走り回って普段より運動量も多かったし、ほかの子が変な動きをしてもほとんど乱れなかった。おそらくはここ数週間で稀に見る安定感だったことだろう。

実は、こういうことは昔からよくあった。

端的に言えば「安部がいると荒れない」というやつだ。

もちろん百発百中ではなく、僕がいたって荒れる時は荒れるのだが…それはそれでまた僕の腕の見せどころ。荒れてる時の対応もまた、ちょっとしたお手本にはなれていると思う。今も昔も。

とにもかくにも「僕がいると荒れない」という状況があるわけで、しかもそれは、一人や二人の話じゃない。

多くの場合、暴れがちな子が暴れない。カリキュラムを拒否しがちな子が、平然と参加する。施設に入るのを拒否して玄関先でぐずってる子が、僕が声をかけるとすっと入ってきたりする。

なぜか…?

いろんな理由はあると思うが、単純なスキルの話をひとつだけ紹介しておきたい。

僕が現場でいつもやっていること、それは…

「短いコミュニケーションをくり返す」こと。

もうちょっと具体的に言うと…

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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。