”共に行こうぞ!”
「勝利の先にこそ、希望はある!」
なんとか戦いを制することができた。戦闘は、得意分野だ。
報告に、姫の元へ向かう。
「姫、我々の勝利で…
言いかけ、止まる。リュウセイが隣にいる。
「リュウセイ!よくやったのじゃ!」
「朝飯前ですイージリー!」
体を、休めなくては。
姫がこちらに手を振っている。
「ガイアール!戦いぶり、見事であったぞ!」
感謝の意を示し、そっと、踵を返す。
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横になり、ふと考える。いつからだろうか。姫やリュウセイを避け気味になったのは。
嫌いなわけではない。むしろ、戦友として心強く頼りにしている。
ただ、二人が揃っているのに割って入るのは、なんとなく居心地が悪いのだ。
リュウセイは姫を何よりも大事に思っているように見受けられ、姫もリュウセイを信頼している。
それならば、あまり邪魔立てするのも道理ではないだろう。
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今日もリュウセイと姫が話している。
自分が居ても、暑苦しいだけだろう。
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ある晩、声が聞こえた。
自分の魂に、まるで共鳴するような。
“らしくないぞ”と𠮟咤する。
“真っ直ぐ向かっていくのが、取り柄だろう?”と声が言う。
気が付けば、目が覚めていた。
夢と、思い違いから。
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「ありがとうリュウセイ!」
「ユーアーウェルカム!」
「やったな!ガイアール!」
「それほどでもありますかね」
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