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『サンタクロースが歌ってくれた』のはなし

2023/12/16(土)
演劇ユニットHORIZONさんの『サンタクロースが歌ってくれた』を見てきました。
私が見たのは13:00のHATチームの公演です。

感想

今回も配役がパーフェクトでしたね…!
どのキャラも個性があって、でも周りとの関わり方が上手で、アンサンブルとして上手くまとまっててとても良かったです。
HORIZONの団員さんの激重感情詰まりまくりなお芝居と、客演さんのいい意味でフラットなスッキリしたお芝居のバランスが凄くいいなぁ、と思って見ていました。多分重たい感情だけではストーリーの本筋がわかりにくくなってしまうし、感情ののせ方が変われば全然違うものに見えてくるので、そのあたりのバランスが良かったなぁと。

以下、キャラごとの感想です。

芥川

天野さんにしかできない光り方してました。心の底から主人公。少年漫画のヒーローよ。
優しくて暖かくて、キラキラしてて、眩しかった。純真。
それに照らされた芝原さんの太郎の闇の深さ計り知れない…って感じだった。光が強ければ闇は濃くなる…必然の闇落ち…

その上で、あの光の天野芥川さんが自殺する話見たすぎる…癖…

太郎

太郎めちゃくちゃヒロインですよね。尊…。「ただ、芥川さんに勝ちたかった」って想いが強すぎて、傷つけていることに気付けない。子どもみたいな素直な感情。罪深い人…
鬱々と、沸々とした闇の描き出し方がうますぎる。

あと、芝原さん演じる芝原鴇さん、イケメン過ぎません? 格好よくて刺さりました。
太郎の真の理解者。この人もこの人でもどかしい…。

菊地警部

こんなにギャグに全振りした草野さん見たことある?出てくるたび面白いんですけど。淀みないマシンガントーク。ずーっと喋ってるじゃん。って感じでした。
反対方面行っちゃう警部さんめちゃ笑いました。もうすごい好き。

巡査

独特の雰囲気があっていいな。癒やしですよね、全シーンにおいて。優しさとゆるさが好き。
俳優の鵜飼さんと少女探偵団とのシーンとか、人の良さが出ててマイペースなキャラ感が良かったです。

ゆきみとすずこ

とにかくかわいい。
現代っ子、リアリティやば。役者さんが実際若いっていうのもあると思うけど、存在感がめちゃくちゃリアルでした。
あと、足。寒そう…。でも、足は若さだよね。
素直で真っ直ぐなお芝居。映画の登場人物達のドロドロした関係性と感情に対して、二人がすごく真っ直ぐでよかった。浄化される…

会話のナチュラルさがよかったし、ふたりともセリフがすごく聞きやすかった。言葉を大事に喋っていていい。それぞれのキャラクターがはっきりしててわかりやすくていいなと思った。

ゆきみ

すごく、若くて可愛い女の子、なんだけど、お芝居が落ち着いていてすごく見やすかった。
お話にすごくきれいに溶け込んでいて、特にここが印象的!というキメのシーンがあるわけじゃないけど、物語を進めるのにいい仕事してた。映画の中の人たちとの掛け合いもよかった。
あと、ゆきみシンプルに歌がうめぇ。

すずこ

ツンとしたキャラなのに、嫌味がなくてすごいと思った。ミツが最初に出会ったのがすずこで良かったよね。変な深入りせずに付き合ってくれるサッパリしたところが良かったんだと思う。
芥川限界オタクでいいよね。タクシーのシーンで気持ちの動きがよくわかったから、その後のシーンでの芥川なら〜って、セリフに説得力があった。物語の大事な所で芥川の最高の理解者を発揮しててよかった。

監督

ゆきみとすずこの仲裁に入るシーン、奥様を止めるあの姿勢、あんなに綺麗にキープできる足腰と体幹ヤバない?
ソリで来た、不覚にも声出して笑った。
終始楽しそうで愉快で最高だった。
サンタ衣装、今年も似合ってたよ。

フミ

ゆうりちゃんの女役、可愛すぎる。
衣装の色味も柔らかいクリーム系の着物×優しいピンクの袴、ゆうりちゃんのやるフミちゃんの雰囲気にめちゃくちゃ合っていて、似合ってて、すごく良かった。淡いふわふわの女の子らしい感じ。最高に可愛い。
終始可愛い恋する乙女なんだけど、シリアスなシーンではすごく表情が良くて意思の強さとか、芥川さんへの気持ちとかがセリフの外側ですごく伝わってきた。ゆうりちゃんのお芝居は目が口ほどに物を言うって感じですごいといつも思う。
あと、8歳激カワでしたね。情緒の振れ方がすごく少女でした。かわいかった。

サヨ

今回の最推し。わさびちゃんの魅力全部のせって感じでしたね。好きです、あの感じ。めちゃ可愛い。明るくて元気で素直な子。天野さんの芥川も太陽みたいだけど、サヨちゃんも別ベクトルで太陽みたいな子だと思う。オレンジが似合う。こちらも衣装めちゃくちゃ素敵ね。
ちょっと前のめりなとこがあるけど、周りの人たちが大好きって感じが伝わってきてかわいい。
物語のテンポメーカーで、存在が軽やかだった。
あと関係ないけどまた長い三つ編みだね。

奥様

稲佐からの振り幅えげつないね。みんな言ってると思うけど。
気を失う奥様、倒れ方と速度感が綺麗。あれ結構体力いるよね?すごい。所作ひとつひとつが綺麗で奥様って感じだった。
奥様と監督の奥さんと、同じガワだけど違う人、っていうのがすごくはっきり分けられててすごいと思った。奥さんの方はすごい、ナチュラル。いや、どっちもナチュラルなんだけど、よりリアル寄りって感じ。不思議な感覚だった。これか、ゆきみとすずこの味わってる感覚!

ミツ

黒髪ロング可愛い。衣装もめっちゃ似合ってた。
太郎を売らずに毎回物語の最後でワインを飲んで自殺する。大きい愛の人。
ミツへの説得の「次の上映では生き返るじゃないか」って、普通に生きてる観客側からするとびっくりするくらい響かない言葉だったんだけど、きっと映画の中の人達はそういう価値観で生きてて、でもミツはその状況に一石を投じるべく動いていて、そこには本当に強い気持ちがあったんだろうなぁと思った。
その強い気持ちって、自分のためだけじゃなくて太郎のためでもあって、そういうところからも太郎のこと好きなんだなぁって感じられた。
端々に意思の強さと愛を感じて素敵だった。
あと、気絶する奥様を支える時のフットワークの軽さと安定感に、有島家の日常を感じた。

休団するの寂しいけど、アイドルになる夢を叶えた天葵ちゃんを応援してます。無理しすぎず、いつもの可愛い笑顔でみんなを幸せにしてきてください。頑張れ!

ハナ

周りの情緒ぶっ壊れ、感情の波に溺れがちの登場人物たちに囲まれている中で、ハナのお芝居のおかげですごく物語が頭に入ってきやすくなった気がする。ちゃんとシーンや登場人物の目的を明確にしてくれる印象。
周りを気にかけながらちゃんと個をもって意思をもって生きていて素敵だった。

BOOTSチーム

HATチームの芥川太郎警部を見て、まだ見ぬBOOTSチームの配役に、神かぁ!!!と思った。見てないのに。
はるかちゃんさっちゃん杏璃ちゃんのやる3人、マジで見たかった…

あと、BOOTSチームは雨が雪に変わる演出だと聞いて、雨の滴る鴻野芥川優勝じゃん、見たかったんですけどー!!!ってなってる。私は今回のはるかちゃんの芥川のビジュがどストライクです。

娘のお世話を旦那さんに任せた関係で土曜の昼しか動けなかったからやむなしだけど、BOOTSチームも見たかったなぁ…

物販

可愛い女の子セットでした💞
今回も皆さんビジュが良くて最高ですね。
ステッカーのイラストも超かわいい!

正直、芥川さんと太郎さんが1人くらい欲しかった(笑)でもトレカ引き始めたら沼だから、やめてみた…。
もう一回くらい引けばよかったかなあ。

娘が予定より早めに産まれてくれたおかげで見に行くことができました。ほんとに良かった…!背中を押してくれた方々に感謝…。

初めて触れる『サンタクロースが歌ってくれた』という作品を、純粋にお客さんとして見られたのは良かったなぁと思いました。

関係者の皆さん、公演お疲れ様でした。
素敵なものを見せてもらえて良かったです。
チョコレート食べたくなりました。
ありがとうございました。

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