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季語六角成分図「秋晴」

俳句ポスト 第249回 2020年8月20日週の兼題。

季語六角成分図「秋晴」より。
(視覚)済んだ高く青い空。広々とした空間。秋の空の目が痛くなるような、心がしんとするような青の透明感。雲はほぼなく、鳥の渡りが横切るような。影は夏に比べ淡くなります。
(嗅覚)風の匂い。
(聴覚)風の音、葉ずれ。
(触覚)柔らかな日差しと空気の動き。
(味覚)なし。
(連想力)晴々とした爽やかさ、輝かしさ、のどやかさ、少しの淋しさ。運動会や遠足。
★視覚が強い天文季語です。連想力も少しありますが、基本的に視覚の印象から来るもの。他の感覚を足したいですね。また、秋晴、冬晴という言葉に対し、春晴、夏晴という言葉はないという点に注目すると、澄みきった空の見事さ、季節への賛美が含まれているように思います。
★近い季語がいくつかあります。「天高し/秋高し」は空の高さ、深さに注目するのに対し、秋晴は空の広やかさ、青の美しさに焦点がある気がします。「秋の空」は移ろいやすさという点が外せない。また、俳諧では傍題である「秋日和」の方がよく使われてきた歴史があるとのことですが、秋日和は穏やかな響き、秋晴の方がやや現代的で力強い響きという印象。こうして比べてみると、「晴」の一文字の効果は絶大だなぁと感じます。

季語六角成分図に関する注意事項


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