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季語六角成分図「唐辛子」

俳句ポスト 第248回 2020年7月23日週の兼題。

季語六角成分図「唐辛子」より。
(視覚)鮮やかな赤色をしたツヤのある折れ曲がった実。上向きに林立する実(辛い種の場合)。干している様。観賞用のカラフルで丸っこい実。
(嗅覚)刺激臭。油で炒めた匂い。
(聴覚)ほぼなし。
(触覚)ツルツル。下手に触ると指先や唇がヒリヒリする。
(味覚)辛い!食欲を刺激し、消化吸収も助ける。カプサイシン。ピーマン、ししとうなど甘味種もある。
(連想力)南蛮、熱帯、中華料理、防虫、厄除け。
★第一に味覚、嗅覚だ!と思っていましたが、例句を見ると実が熟れた様、干している様を描写したものが多く、意外にも視覚が強い印象です。あくまで植物季語であり、調理や料理、加工されたものでは季感が弱まると考えた方が良いかも。これら料理等を描写する場合はそれなりの工夫が必要でしょう。
★では唐辛子の本意とは何か、と考えると、おおよそ二つの方向性がありそうです。一つは、印象的な赤さ、(調理前だとしても)念頭にある辛さがキーとなって、少し心がざわつく感じや不穏さ。もう一つは、唐辛子を育て、収穫し、干している穏やかな農村風景を描いたもの。この二つを出発点に、連想力も取り込んでイメージを広げられればと思います。

季語六角成分図に関する注意事項


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