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まじめにJ1のことを考えているから後編

2023年以降のことを考えるにあたって、発足したてのクラブで8年間、ほぼ同じような環境にいる自分はこれからどうしたいのか?
それを探るために、あえてゼロベースで考えてみました。
できるかできないか、実現可能性は考慮せず新卒で就職するような感覚で考えてみました。

1.地域性
鹿児島でなければならないのか?
九州内ならどうなのか?
同じ九州内でも大分と長崎はどうか?
首都圏ではどうなのか?

2.カテゴリー
J1、J2、J3、アマチュアリーグ最高峰のJFL、地域リーグ、都道府県リーグ、さらにweリーグをはじめとする女子サッカー。
鹿児島のJ1を意識すれば当然、J1強豪に焦点を合わせるのが筋だが、どうか?

3.競技
サッカーでなければならないのか?
バスケットボール、野球、バレーボール、フットサル、、、球技以外のプロスポーツもたくさんあるけど、他の種目ではいけないのか?

まず3の競技については他のスポーツもありだと思えました。
勝ち負けと同じくらい娯楽性を重要視するアメリカンスポーツ(バスケや野球。究極はアメフト)の文化には、特に学ぶべきところが大いにあり、刺激的かもしれないと思えました。
昇格降格の持つ意味が大きいサッカー界にそぐうそぐわないは別として、ですね。

1の働く場所についてですが、これは家族のことを考えると、鹿児島であることが大きいです。
もちろん熊本、福岡、佐賀、北九州と新幹線1本で行けるところは魅力的です。
それ以外のところは首都圏や関西など飛行機一本で行けるのであればほぼ同条件でした。
決定的ではないけれど重要なところです。

2のカテゴリー、これは一番悩ましいところです。
J1タイトルを考えれば考えるほど、獲ったところで修業するのがベストです。
とんでもない幸運邂逅が重なってJ1チャンピオン経験クラブにもぐりこめたとして、、、
どの程度の権限を得られるかは別として、「J1チャンピオンとはこれくらいのレベルまで行かなければならない」という基準を様々な場所で経験できるのは、間違いなく財産になるだろうなと思います。
とはいえ引っかかるのは2つで、「地域リーグなどにこそ、尖った突破口が眠っているのではないか?」と「J1を知って鹿児島で活用する、それをするべきが自分なのか?」というところです。

前者についてはたとえば来シーズンから八反田康平選手が加入するジェイリースFCとか、谷口堅三選手が所属するヴェロスクロノス都農とか、元ヴォルカ鹿児島の山口純さんが運営するレイナ川内とか、とてもおもしろそうに思えるし(自分みたいなじじいを専任職員として雇ってもらえるかは別ですがそれはどこの世界でもいっしょですね笑)、それをJリーグのレベルで発揮できればさらに大きなものになるんじゃないかなって期待してしまいます。
地域リーグならではの(JFL昇格への道のりはあまりにも険しく厳しいけれど)空気感を今度は中の人として吸ってみたいなとも思いました。
それは「つよくてニューゲーム」とは少し違う感覚です。

そんなこんなもあって最終的には後者の「それをするべきが自分なのか?」に行き着いたのです。
たとえばJ1チャンピオン経験クラブで、クラブ職員としてのあり方をいろはから経験する機会を得られるとして。
それは、たとえば齊野平青空くんのような次世代の人間にこそ託すべきことのように思えました。
自分に使命があるとすれば、青空くんのような意思ある人間が大学を卒業して、3年とか5年とか10年を高いレベルで生きて多くのことを吸収して、鹿児島に帰ってくるまでの間、この場所に生きて道をつなぎ続けることなのかな、と、カッコつければ笑
もちろん青空くんだけでなく有望な次世代は大学生だけでなく現在の高校生や中学生にもたくさんいるし、ユナイテッドのボランティア「ユナキャスト」にもそういった有望株は多くいます。(仕事としてこの世界を選ぶかどうかは別にして)
自分はクラブ創成期にクラブ職員として生きることになり、外からあるべき姿を論じるのではなく中で避けられぬ現実と取っ組み合いながらたくさんの失敗と挑戦を繰り返すことが許容された境遇の人間として、その運命を最大限に活用するだけ。

そしてもうひとつ、現在のJ1チャンピオンの真似事では、鹿児島でJ1なんて無理だろうなという考えにも至りました。
鹿児島ならではの道を見いださなければ、追い抜くことはできない、近づけるだけでも十分にすばらしいとは言え。(このことは鹿児島の濃い個というテーマで論じられると思っています)
もっともチーム人件費1000億円を20年に渡って毎年つぎ込めればすべての算段はぶち壊しにできますが笑

こういう妄想をさんざん頭の中で繰り広げて、その上でこれからのクラブの方針を確認して、2023シーズン以降を鹿児島ユナイテッドFCで生きることにしました。(2022年12月末現在)
色々と迷って惑って周囲を心配させた末の結論です。
ごめんなさい。
これからは、これまで同様クラブ職員として力を尽くしながらも、外、サッカーの外へと目を向ける時間です。
サッカーの外にこそ、これから必要なものがあるはずなのです。

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