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2人のシャレン!担当Jリーグ理事、米田さんと佐伯さん(後編は佐伯さんについて)

佐伯さんはスペインで活躍するサッカー人です

前編のとおり小林にとってはかなり大きな存在だった米田惠美さんが理事を1期2年で退任されて、その後にシャレン!担当の理事になられたのが佐伯夕利子さんでした。
自分の中での記憶では、クラブ代表の徳重さんがスペインまで視察に行った時に現地でもろもろのアテンドをしてくださった方、ということで、うっすら記憶にありました。

今ではもう皆さまご存知でしょうが、10代後半からスペインに移り住み、直近ではビジャレアルで働いてらっしゃいました。
スペインで、最高レベルの指導者ライセンスを取得して、同期には若きレアル・マドリーのスター選手だったルイス・エンリケがいて、ライセンスを取ってからは若くしてナショナルリーグ初の女性監督を務めた、、、、スペイン人ではなく日本人女性、、、、

さてそんな方が理事になられたわけです。
と言いつつ自分は直接お会いした経験がありません。
コロナ禍ゆえ佐伯さんもなかなか日本に来ることができなかったし、月1回の幹事会も初年度のようにJFAハウスに集まることはなく、ZOOMでの実施でした。
(ちなみにビジャレアルがやっているアカデミーの教育プログラムが、自分はピッチ内の専門的なところは分かりませんが、とにかく人間としての育て方がすごいんです)


佐伯さんの懐の深さとまっすぐさとやさしさ

オンラインでしたが佐伯さんと接するようになって感じたのは、良いも悪いもの含めて相手を受け入れる度量の大きさです。
自覚があるけど初対面から変なテンションでまくしたてる小林みたいな男に対してもやさしく笑顔でうなずき、しっかりとフィードバックしてくださっていて、好奇心と吸収力に感銘を受けました。(そういえば小林が42歳にして父親になったばかりで、ミルクを飲ませるとか沐浴させるとかの話もにこにこ微笑みながら聞いてくださいました)
小林個人としては、佐伯さんと接する時間もまた心地よいものとなったのです。
なにしろ世界のトップクラスを日々肌で感じている方です。
こちらの言い分に対しては懐広く受け入れて、同時に欧州に生きる迫真性のある情報をお届けくださいました。
ひょっとしたら指導者としてもそんな感じなのかもですね。

佐伯さんの印象が良い意味で激変したのは、あるジュニアチーム選手たちによる慈善活動が、まったく予想外な方向と不幸な連鎖で炎上してしまい、子どもたちが落ち込んでいるという話を聞いた時のこと。
8時間の時差ある早朝のスペインから佐伯さんは目を真っ赤にして「なんで大人の事情で、何の罪もない子どもたちが辛い思いをしないといけないんですか。許せないです」と訴えた時が、佐伯夕利子さんというスペイン在住のJリーグ理事を、もっと身近に感じた大きなきっかけでした。
この方と月1回、お話ができた時間も、小林にとっては財産です。


大きな財産は一番最後に訪れました。むしろ今になって響いています

前述のとおり、佐伯さんとは一度も直接はお会いすることなく1期2年の任期をもって退任されました。
最後の幹事会は、いつもと違って議題はなく、佐伯さんとのオンライン懇談会のような形になりました。
ピッチ外のことが担当とはいえ、みんな本質はサッカー好きなのでスペインに生きる方の話ということで活発な会になりました。
その話が良い意味で衝撃の連続だったのです。

  • スペインはかつてトップ選手でなければ最高のライセンスは取得しづらかった。そのためリーガ・エスパニョーラの監督は同じような顔ぶれが入れ替わっているだけ状態になっていた。(元名選手互助会みたいな)そこに「寡占であり職業選択の自由の阻害だ」という声が沸き起こり、門戸が広く開かれるようになり、多種多様な背景を持つ監督が輩出されるようになっていった。ちなみに佐伯さんはその第一世代。

  • スペインの労働者は2年までなら一度離れた職場に復職する権利が認められている。佐伯さんもその権利によりJリーグ理事をお務めになった。ビジャレアルも「権利だからしょうがない」とかではなく、純粋に「良い経験になるから」と快く送り出してくれたし、また迎え入れてくれる。この制度を利用して専業監督のオファーがあった時にリスクを抑えながらも果敢に挑戦する兼業指導者もいるそう。
    2年という時間は妊娠して出産して授乳してとか考えると、女性の社会進出にとっても、男性にとっての子育てにとっても良い制度ですよね。

  • スペイン(欧州全般?)では経理とか営業とか広報とかマーチャンダイジングとかマーケティングとか、専門の勉強をした専門性の高い人間がなるもので、クラブ内の部署異動とかで未経験者が就任みたいなことは基本ない。

これは考えてみれば十分に合理的な話ですが、あまりJクラブでは聞かないです。人事異動で就任して「自分よく分かっていないので」みたいなことしょっちゅうです。
多種多様な経験を積むことによって生まれることもあるので、どちらが良いか悪いかは一概に言えませんが、世界トップが日本とは異なる方式を採用していることは認識はしておいて損はないと思います。
水平思考が好きな小林は日本式の良さは十分に認識しているつもりですが。

改めて振り返って佐伯さんのすばらしさを感じます。
ご本人があまりにも自然体すぎるから、ピンとこなかった部分はあるのですが(すいません、小林がぼんやり野郎なだけです)。
ここ数週間、これから小林は鹿児島の地でどのように生きるべきなのか、色々な選択肢から検討していく中で(ありがたいことに予想外なところから身に余る評価をいただきました)ふと浮かんできたのが佐伯さんからお教えいただいた、先に列挙した事柄でした。
そういったことを意識していけば、あるいはうだつの上がらない存在に過ぎない自分にも、あるいは、、、ということです。
そんなわけで昨日鹿児島のバズリ職人から借りてきたプチ専門書を眺めながら今日を過ごしています。
プチ専門書と並行して、たくさんのインタビューを通して日本に大切なことを伝えようとして下さっている佐伯さんからもっともっと学ぼうと思います。

いつか佐伯さんにお会いする機会があった時に「ありがとうございました!おかげさまで…」と言えるように精進します。
それが自分みたいなものを優しく受け入れてくれた佐伯さんの熱い愛情に応えられる一番のことだと想うんです。

だが、すでに会社のブログで佐伯さんのこと書いてた苦笑

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