キズグスリ

『あ……』
気づいたら指に血がにじんでいた。

紙で切ったのかな……
痛いなぁ……

こういうキズって、気づくと痛いんだよね…
気づくまでは痛くないんだけど……

紙の束は手紙……
燃やせばいいのに
燃やさないで読み返して破って捨てていた…

未練がましい……
こんなところを、あの人は嫌った……
疑い深くて弱い私を……

沢山かわした言葉の数々は
全て亡かったことになった

滲む血と手紙の束を交互に見つめた……

『やめた…』
手紙の束をバケツに捨てると水を流し込んだ。
血が滲む指も洗った。

『キズグスリは何処だっけ……』
見つけて手に取ったキズグスリと一緒にみつけた
あの人の目薬……
『…これもポイ!!』

キズグスリを塗って絆創膏はって……

『お茶しよ〜っと』

手紙の束はふやけていった……
想い出も言葉も全て………

6

へこたん

想 心

#恋愛小説になるもの。経験だったり妄想だったり……
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