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テラハは時代の教科書だった。


まず初めに。
女子プロレス選手、木村花さんのお悔やみ申し上げます。


※今回の記事は一連のネット上の誹謗中傷についてコメントするものではありません。




近況として、やりたいこととやらなくちゃいけないことが多すぎて脳内大渋滞状態に陥ってしまったので、
心を落ち着かせるために好き勝手文章書きます。
乱文駄文許してね。




一つの番組が終わった。

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フジテレビ系列で2012年から放送されていたリアリティ番組「テラスハウス」が出演者急逝の報を受け、制作中止を発表した。

ことの経緯については今更ここに記す気はありません。
今回のタイトルを見て気になって、これを読んでくれている方なら、
あらすじは抑えていると勝手に信じます。


テラハが終わってから所謂「テラハロス」みたいなものが一気に降りかかってBAD入ってる。
ただでさえそんな状況の中の本日、木村花ちゃんの相棒的存在「ジャングル叫女」さんのツイートも相まって「ああこれは本当に起きてしまった悲劇なんだなあ」って改めて実感している。

ほんとBAD入るニュースばっかだよね。




まあ一旦そういう話題は置いておいて。

テラハなんて、人との話題を合わせるために見始めたのがきっかけで、今シーズンの最新作である東京編から本格的始めた。


だからこそ今、テラハを毛嫌いしていた大学生時代の俺に言いたい。
キラキラしてるものも毛嫌いせずにちゃんと見ろ。流行りのエンタメってふつーにおもしろいんだぞ」、と。

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嫌な物こそちゃんと見てみると案外発見があるってことに最近気づき始めた
出典:A Clockwork Orange(1971)


話題作りという意味においてはマジで有能なコンテンツで、
・職場の先輩
・良く足を運ぶお店の常連さんたち
・Netflix好き界隈の友達
・マッチングアプリで知り合う女の子
みたいな感じでコンテンツ過多のこの時代にしては割と色んな場面で共通言語として使えてた気がしてる。


まあ、そんだけ色んなジャンルの人たちから好かれてるわけだから、
人それぞれ好きなポイントとかは色々あると思うんだけど、
冷静になんでテラハにハマったのか分析しました。


俺のハマりポイントはいくつかあって
一つ目は、すげー序盤の翔平くんによる「天ぷらインシデント(事件)」。

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この「インシデント(事件)」によって応援したいキャラクター、俗に言う「推し」に出会った。
俳優の卵で、コラム描いたり映画撮ったりアパレルやったり色々やりたいみたいな男の子が自分の仕事論(スラッシャーになるのが大事だよね的な話)を自信満々に語るんだけど、それを他のメンバーが「一つのことを貫けないやつは大学生みたいでダサい」って反論してちょっと口論になる展開。
確か3話目かな

彼の考え方は、他の同居人やスタジオメンバーからは叩かれていたけど、俺自身はその男の子の言うスラッシャー的な考え方に賛成する側に立っている人間だから、
こういうこと言ってくれる「新世代代表」みたいな人カッコいいなって思った。
テラハの仕組み自体全然知らなくて(「あいのり」みたいに全員恋愛しなきゃいけないもんだと思ってた)、
どういう楽しみ方をすればいいのか分からなかったあの頃、
初めて応援したい(共感できる)キャラクターを見つけて「面白いな」と思った瞬間だった。


2つ目のハマりポイントはりさこと春花の喧嘩。
1人の男の子を巡って女の子二人が喧嘩するんだけどこの喧嘩がまあマーージで喧嘩なんすよね。
人の喧嘩とかあんま見たことないから「うわ、やべー。リアルじゃ絶対見れないもの見てるわ」っていうまさに「『人の生活を覗く』っていうタブー的なところ」に触れる楽しさを実感した。
10話目くらいだったかな。

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そういう
「推しを見つける」
・「他人の生活の一部を覗くという背徳的面白さを知る」

という2つの工程を経て、
東京のどこかにそびえ立つオシャレな一軒家に外国人漫画家やイケイケ女子大生がジョインした頃、俺は一気にこのリアリティショーの虜になっていた。
(今回の東京編のメンバーで皆さんが一番応援していた人は誰だったか知りたい。)


でもそれとは別で、今「テラハロス」を体験して、こんなとこも好きだったんだよなあ、って気づいたことがある。

それは
「全方位的なトレンドを知れる」
ということだ。

「流行」って印象操作によって作られるものだと思っていて、
広告で購買意識を刺激したり、商品のイメージを作り上げたりする。


故にテラハに映っているものすべてが。
人物 (ミュージシャンの音楽性、起業とかグラドル兼OLや海外出身などの多様性ある経歴と職業)
物 (プレゼントとして渡す高級品、シェアハウスで使われている什器や内装)
ロケーション (デートスポットとして足を運ぶ物珍しい店や施設)
etc
これら全てがメディアが宣伝したがっているものなんだろうな、と思って観ていた。

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クソみたいなネット広告を見てたまに不安になる。いつかこんな広告が主流になる時代が来ませんように
出典:THEY LIVE(1988)

例えば
今の音楽シーンに対して「シティーポップの次に流行るジャンルって何だろう」っていう疑問の延長線上に
「シティーポップのムーブメントっていつ終わるんだろう」っていうことをAppleMusicのあなたにおすすめプレイリストを聴きながら考えたりする。
次のジャンルへの答え、という意味では間違っているかもしれないが
テラスハウスに「シティーポップ系の音楽をやっているバンドマン」が「カッコいいミュージシャン」枠のアイコンとして起用されているのを見ると
こういうジャンルのミュージシャンを起用するってことはシティーポップを売り出すためにお金が使われているんだ。
ってことはシティーポップの流行りはまだ1,2年くらいは続くのか、ってことになんとなく気づいたりする。


そういう例がまじでたくさんある。

「日本大好きイタリア人が憧れの国・日本で暮らす様を描いたコメディマンガを執筆する”イタリア人漫画家”」なんて人が入居すると、
「へえ、こういう漫画があるんだー。うわ、打ち合わせの場面に浅野いにお出てんじゃん!懐かし!」っていう発見とともに、
国際的な漫画及び人物が起用されるってことはグローバリズム的な、オリンピックでのインバウンドの増加を見据えて海外の人への抵抗とか無くそうみたいな社会の流れを改めて実感するし、
(オリパラ延期になっちゃたけど)

「やたらと派手なパジャマ着てるな、この女の子たち」って思って調べてみると、
「なるほどいいパジャマを着よう」ってことが流行ってんのかって知れたり、
「見えないとこにも投資して自分を磨こう」的なここ最近の風潮、確かにあるよね。って実感する。

てなわけで
出演者の着ている服で何となく今のファッションとか着こなしの流行りの方向性が知れたり、
あのシェアハウスに置かれているインテリアの雰囲気で流行りの色使いとか流行りのプロダクトデザイン的なものをざっくり知れたり、
バスケ選手やプロレス選手が入居することで今まで全く興味を持ったことなかったスポーツ系エンタメの面白さを教えてもらったりした。


ちょっと言い過ぎかもしれないけど、テラスハウスは流行りを詰め込みました的な「流行りを反映する時代の教科書」と言っても過言ではなかったと思う。
一つのジャンルに特化した雑誌を購読するよりよっぽどコスパのいいコンテンツだった。

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あんまりにも多くの情報を仕入れすぎてたまに頭が爆発しそうになる
出典:Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull(2008)


と、いうことで俺はテラハロスによって世間の流行から隔絶されたような気持になっている。
人の恋愛模様を見ているだけで受動的にビジュアルで学べる、流行についての教科書を失って、
これからは各分野において自分で検索ワードやメディアをチョイスするセンスを問われるっていう、情報の荒波の中に放り出された遭難者のような気分だ。

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どこから何に手を付ければいいかわからん
出典:Cast Away(2000)


なんか、テラハに変わるトレンドの教科書みたいなコンテンツ、、、
雑誌とかネットで知る情報はいかにもTHE広告広告してる感があって嫌なんだよ、、、読む気にならねえよ、、、
テラハ特有のあの「生活の中に絶妙にカマしてくるスポンサーの意図」感が超スタイリッシュでよかったんだよなぁ、、、


ということで皆さん、テラハにとって代わるようなトレンド情報入手の方法教えてください。
みんな何使って自分の興味ある分野の情報仕入れてる?
色々考えてたらそういうことが最近気になり始めました。
好きな雑誌とかWebとかSNSアカウントとか番組とか教えてください。


っつーことで今日はこの辺にします。
乱文駄文最後までお読みいただきありがとうございました。


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