「初期衝動」~ALL YOURSに袖を通すときに思い出すことば・私イッセーナガサワ(27)の場合~


こちらの企画への参加記事です。



ALL YOURSのセットアップを1着持っている。
・「着たくないのに、毎日着てしまう」ジャケット / ダークネイビー
・「着たくないのに、毎日着てしまう」パンツ / ダークネイビー

ほぼ毎日を在宅ワークで過ごす日々を送ってはいるが、
現地視察やクライアント訪問などしっかりキメたい時にこのセットアップを着ていく。

昨年、25年間住み慣れた地元である故郷・群馬を離れて、
日本の首都・東京に移り住んだわけだが、
今でもこのイケてるセットアップを着ると、
故郷・群馬で感じた初期衝動を思い出す。

故郷・群馬での決意と現在の東京での視野を繋ぐもの、
それがALL YOURSだ。



2年半前、2019年の年明け。
地元の公立大学を卒業し、新卒で入社した新聞社に勤めながら社会人2年目を終えようとしていた僕は、
地獄のような感情を抱いて新年を迎えていた。

社会人になることで、かつ、新聞社の社員として様々な場所に顔を出していくことで、
自分の中の「地元でずっと会社員をやりながら暮らしていけばいいや」という価値観が揺らぎ、もやもやしていた。

このまま地元のそこそこ名の知れている会社にずっと身を置き続けて、
歳をとっていくのでいいんだろうか。
いつか、自分の人生を振り返った時に「あのときこうしていればよかった」という後悔はしたくない。

そんな感情から「何か自分の殻を破るようなことに挑戦したい!」と考えていた。
ただ、そう考えていた…

そう。「何かしたい」「何者かになりたい」と考えていたものの、
何かやりたいことがあるわけでもなく、
「現状に不平を言いながら何も行動を起こさない」という一番質の悪い奴に自分がなっていたということに気づき、
どうしようもない自己嫌悪に陥るという最悪のコンディションで年明けを迎えていた。


そんな矢先に高崎の街を歩いていたら、チラシを見つけて偶然出会ったのが、
ALL YOURS木村昌史代表によるクラウドファンディングについての講話だった。


この講話に参加して、大きな刺激を受けた僕は、
当時、友達とひっそり始めていた「山奥の廃工場をリノベ―ションして秘密基地にする」という遊びの資金を集めるためのクラウドファンディングを立ち上げることに踏み切ってみた。



「これにまったく支援が集まらなければ自分のやってることは大したことじゃないんだな」
「支援額がゼロのまま終了したら、キャンプファイヤーのプラットフォームが存続する限り消えないデジタルタトゥーを抱えたまま生きていこう」
など様々な恐れと不安の中で確かな”楽しみ”も抱えてこのクラウドファンディングをはじめた。

そしてその結果、
廃工場をリノベ―ションするためのクラウドファンディングは友人・知人など身近な方々からの支援を多く集める形でなんとか目標金額に達成し、
プロジェクトを成功させた。

「自分が世の中に発信したことが多くの人に届いた」
「自分の作ったモノや考えたコトが人の心を動かした」

そんな感動をこのクラウドファンディングへの挑戦で確かにつかみ取った。
そして、今までの「こうしなくちゃいけない」「こう生きるべきだ」という思い込みが音をたてて崩れ落ち、
自分の中の世界が一気に開けていく気がした。

そしてそれから2年と少しが経った今、
僕は群馬から東京に住む場所を移し、
新聞社から広告関係の会社で働いている。

このコロナ禍のおかげで思うように動けていない部分も多々あるが、
この選択によって自分の中の世界は確かに広がった。

群馬にいたときは想像できなかった出会いや経験も少しずつではあるが、確かに積み重ねている。

これもひとえに2年前のもやもやを吹き飛ばしてくれたALL YOURS木村昌史氏が高崎で行った講話のおかげなのである。

あの講話を聴いた日の帰り道に感じた「何かが始まるかもしれない」という不安が混じりながらも計り知れない楽しさを感じた初期衝動。
その初期衝動が突き動かした未来の先に、今、僕は立っている。

ALL YOURSの服に袖を通すとき、僕はあの日の帰り道に感じた初期衝動を今でも思い出す。

トレンドのファッションで身を固めた若者が溢れる渋谷を歩いていようが、
スーツでカッチリ決めたビジネスマンの溢れる東京駅を歩いていようが、
ALL YOURSのセットアップを纏った僕は、故郷・群馬で感じたあの初期衝動を忘れることなく歩き続けることができるのだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?