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日記4

12/18
 居室の私のデスクにはひとつの付箋が貼ってある。「淡々と、黙々と」10月に自分で書いた。淡々と、黙々と。私が最も苦手とすることである。
 おそらく衝動的に書いて貼ったのだろう。病めるときも、健やかなるときも、順調でも躓いていても、淡々と、黙々と。そうありたいと思ったのだろう。今一度その付箋を見つめると、手を動かす気が出てきた。研究室が変わるとかいったん置いといて、今日できることをやらなければ。

 本格的に冬だ。冷気が肌の奥まで突き刺さるようになってきた。待ってましたと言わんばかりにClairo「Sling」を再生した。冬に聴くこのアルバムは最高なのだ。

12/19
 木曜日に研究室の中間発表があるためてんやわんやである。そのうえ今日はインゴット作製に失敗した。またやり直すしかない。淡々と。

 Fla$hBackSを初めて聴いた。良すぎる。

 夏目漱石「こころ」読了。通して読んだのは初めてだった。絶望感に引っ張られそうになる。「私」は遺書を読み終えた後何を目撃して何をするのだろうか。そんなことを考えた。


12/20
 木曜日(あした(きょう))の発表準備のために30時まで研究室にいた。27時くらいに外に煙草を吸いに出た時、建物の半分くらいの部屋に明かりがついてて笑っちゃった。不夜城。

 家主の新譜を聴いた。とんでもなく良い。「かき鳴らす」という言葉がよく似合う。
tr.8「耐えることに慣れ過ぎている!」気持ち良い。
tr.11「今日はひとりでいようね」自分の葬式のエンディングテーマにしたい。なんなら骨を焼いているときに流してほしい。

 友達のやっているバンドが来年3月にひとひらを仙台に呼んでくれる。最高過ぎて言葉が出ない。ありがとう、友達。ありがとう、音楽。


12/21
 発表。疲れた。筋トレ楽しい。気に入っていたモッズコートに油汚れがついてしまって悲しい。シミ取りして洗っても取れない。とても悲しい。


12/22
 学会を聴講した。他大学の同級生が発表していてとても刺激を貰った。今日は久しぶりに早く帰った。日付が変わる前に床に入れるのが嬉しい。何にせよ今週は本当に疲れた。

 この前友人に言われた「どういう人になりたいの?」という言葉を反芻する。いま漠然と求めているのは精神的な自立だと思う。時間の使い方、自分の機嫌の取り方、他人との接し方。何かを成す努力と同様にありたい自分へと近付くためにも努力は要る。現状からの移動はいつだってエネルギーと意志がないとできないから。大丈夫、ほんの少しずつ変わってる。そう信じたい。


12/23
 北野武「首」を観た。朝9:30に映画館に行けた事に我ながら驚いた。

 昼から居酒屋で一人飲みをした。特に思うこともなく、本を読んだり机の木目を眺めたりしていた。穏やかな時間だった。天気が良かったからね。


12/24
 点と点を繋いで意味をつけるのが意志や感情で、線が巨視的に人生のようなものに見えるのであれば、2,3年前に唱えていた人生微分積分論はある程度的を得ていたのだろうか。それともまわりまわっているだけで実のところあまり進歩していないのだろうか、、、。




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