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今年の振返りは、人に話を聞いてもらうことにした。ユン・ウンデさんのインタビューセッションで、気持ちが軽くなった話

「話されたいことをお話しください」
ユンさんから質問を投げかけられると思ってそれに答えていくつもりだったが、インタビューセッションの始まりはこれだった。
「話したいことがあって申し込んだのですよね?」とユンさんに実際に言われてないのに言われたような気がして、私は急に自分の無知さが恥ずかしくなった。セッションを申し込んだ時点で私には話したいことがあったのだ。自分で自分の欲求にさえ気づいていなかった。質問を用意してもらっていて、それらに答えていけば、なんとなく自分が知りたい答えに辿り着けるのではないかと思っていた。

元ライターであり、もの書き&インタビュアーであるユン・ウンデさん。約1000人にインタビューをしてきた彼のインタビューセッション(オンライン、90分)を申し込んだ。

インタビューセッションとは、
その人の話を“その人の話”として聞くこと
インタビューセッションは、問題や悩みを私が勝手に解決するのではなく、それに対するご自身の言葉の使い方を変えるための関わり方をします。
ただ感じていること、思っていることを声にするだけでいいです。

ユン・ウンデさんのHPより引用


なぜこれに申し込んだのかというと、今年の出来事を振り返るためである。
2023年は、私の人生にとって、昨年結婚した夫との同居開始や家のリフォームなどのライフイベントが多く、賑やかな一年だった。それぞれの月の出来事をノートに書き出してみたものの、なかなか一本の線につながらないように感じて、自分1人では棚卸しをすることに行き詰まりを感じていたからだ。他人を利用してでも、この大事な2023年を整理しておきたかった。約1000人にインタビューしてきたプロのインタビューも一度受けてみたかった。

話したいことを話す。順番やまとまりなど、気にせず話した。十分話し終えたと思ったら、しばし沈黙を少し味わう。すると、絶妙なタイミングで適宜ユンさんが質問をしてくれる。それの繰り返しだった。
ユンさんの質問は、すぐに答えられるものと、私にとっては考えさせられるものと両方だった。それによって、何気なく発した言葉から自分の考えについて深堀りすることが出来た。ユンさんの言葉を借りると、私は自分で勝手に作り出した不安に水や肥料を与えて育ててしまっているようだった。アドバイスというよりは、淡々と別の視点やユンさんの知っている現実を教えてもらった。言いづらいことを言い終えた後の私は、それらの言葉から希望を感じて、気持ちが軽くなった。私が思いもよらないところで、ユンさんは私の話す内容について時々笑ったので、最初は驚いたが、なんだか私も面白くなった。

セッションが1時間ぐらい経ったころ、私は一通り話し終えた感じがした。
「私が今日話したかったことというのは”自分と世間とのズレが気になる”ということだと思うのです」と自分の口がそう言った。セッションの中で、多数派と少数派という言葉を何回も私は使った。私は自分が色んな場面で少数派であることを自覚していて、それは時々苦しい。声を上げることも、面倒くさい人と思われるのではないかと思うと喉元がぎゅっと詰まる。
ライターの記事で例えると、万人受けするパンやコーヒーやラーメンの紹介記事はたくさん見られるが、危険な農薬や機械を使った米栽培が主流な中、手作業と無農薬で米栽培する農家を応援する記事は読まれない。でも私が書きたいのは後者だ。「世間とズレた人の記事が読みたいというニーズもありますから大丈夫」とユンさんは言った。

ジャッジをせず、ただ聞いてもらうことで、わたしはユンさんを通じて、私は私の話を聞くことできた。そこには、自分のジャッジも入らなかった。私の考えを知ることができてすごく嬉しかった。私がこの一年新しく取り組んだことは数えきれないくらいあったが、全てが自分の生き方に沿っていた。つながっていないと思っていた点と点が、線につながった思いだ。セッション後は、音声と映像データをもらった。また来年の今頃聞いたら、どんな話に聞こえるだろうか。私の今の小さな不安や悩みなど笑えていたらいいなと思う。

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