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黒い私、どうか溶かされて。池袋ウエストゲートパークの話で人生を考える

ジンバブエで、私は日々自分の中の「黒い私」と向き合っている。

1.
そんなに仲良く無いジンバブエ人から電話がかかってくる
3,4回かかってくるが、すべて無視。私に用事なんてあるわけ無い。「金貸して」とかの電話でしょ。
→その人の赤ちゃんがスマホで遊んでいてかけてきたと発覚。
私、性格悪いのかなー。

2.
首都にいる知り合いにI miss youとメッセージをもらっても「はいはい、適当に言ってるだけでしょ。」と思う。
街で散々ひやかされて、「どうせ肌の色が違うからでしょ。アジア人なら誰でもいいんでしょ。」と思っていると、「同じように日本人がジンバブエに他にもいたら私は選ばれない。」という卑屈な考えに陥ってくる。
日本でもなかなか人と関わることに難しさや煩わしさを感じてしまう私は、結婚せずに34歳になってしまった。なんだかだんだん日本にもジンバブエにも居場所がなくなってくる感じがするのだ。

2.
ジンバブエの人はメッセンジャーアプリ「What's up」が大好き。
日中いつでも「Hie, how are you ?」を繰り返す。
(なぜかHiではなく、Hieなのである。)
→Good morning!とかGood afternoonに「今日は忙しかった、おやすみ」を夜に返して、メールが続かないようにしている。

3.
活動先の生徒のグラフィックデザインの作品をどうしても評価してあげることができない。ポスターもパッケージも著作権無視のダウンロード画像(低解像度)バンバン使ってきて、文字も画像も縦横比率無視して引伸ばす、必要以上に色とフォントを使いまくる。それっぽいものを印刷してきて、何を評価してあげたらいいのか心がいつも苦しくなる。同僚が「素晴らしい」って言ってる作品の感じがわからない(むしろ嫌い、、)。いつまでたっても日本と比べてしまう苦しみ。
コメントが単調になる。Well done(よくできました),Good(良い),Moderate(まあまあ)の3種類。
それなりの点数100点中90-75ぐらいを心を無にして採点している。

4.
活動先の副校長先生が「私の娘よ!」と言ってくれるが、いつも心の中で「そんなこと言うけどさ、娘じゃねえーし」と思ってしまう。

5.
人のものを盗んでいるところを見てしまったことがある。その張本人であるおばちゃんが今日私の部屋の調子の悪いという電気コンロを見てくれるといい、部屋に来た。
→ものすごい警戒して、いろんなものをしまったけど、物の見事に、私がわかっていなかったコンロの使い方を教えてくれて解決した。びっくりした。おばちゃん、警戒しまくってごめん。

私、もしかして、他人に対して、心を閉じすぎかな?

と、ここまで書いた。
そして、池袋ウエストゲートパークを見た。最高に面白い。

長瀬智也演じる、マコトは、喧嘩っ早いけど、どんなことにもストレートに突っ込んでいく。窪塚洋介演じるキングは、飄々と堂々としていてラブラブの彼女ジェシーを連れながら沢山の人に慕われてる。

ちょっと目を塞ぎたくなるぐらい暴力的なシーンもあるし、ものすごーくやってることは悪いんだけど、悪く無いというか、いい奴らなのである。
筋が通っているから、憎めない。その潔さが突き抜けていて、見ていて小気味良い。

3話続けて見て、「ああ人生って何?」と思ってしまった。
私はなんといったらいいかわからないけど自分には、突き抜け感が必要だなと思っているような気がする。多少血を流しても(流したく無いけど例えとして)裏切られても人と向き合って行く方が、人生は幸せかもしれない。

どこか自分の殻を守っているのかもしれないなと、引きこもりの変態役の若かりし高橋一生を見て自分を重ねた。
やばい、私このままだと誰とも心を開けずに、一人で死んでしまう。

「耳をすませば」の聖司くんの声優の高橋一生といい、
「いつかこの恋を思い出して泣いてしまう」の柄の悪い上司役の高橋一生といい、いつも思わぬところで登場して、味を効かせてくれるなあ。

「人生ってなんなんだよ!」と泣きたくなる夜に、ジンバブエで私は一人なのである。LINEをしたくても、日本は夜中だから音で起こしたく無いなとか余計なことを考えて気持ちを嚙み殺してnoteを書いている。

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