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「得意を仕事に」の呪い

一つ前の記事を書いて改めて思ったのだが、私はプレッシャーに弱いのかもしれない。

今まで自分のことを
「プレッシャーに強いか弱いか」
という視点で見たことがあまりなかったので、今後検証が必要そうだが。


いつまでに、とか
どのくらい、とか
相手から要求されるとやる気がしなくなる。 
だから毎日のタスクとしての料理に対してはやる気のムラがあるのだろう。

その代わり、自分で内発的にやりたいと思ったら、報酬がなくてもやる。
大学の時、テストに出なそうだけど自分でしっかり身につけたい部分をテスト前にじっくり勉強していて
友達から「効率悪い」と言われたことを思い出す。

報酬や罰をチラつかされるとさらに萎える。ような気がする。
罰だけでもなく、報酬でも、だ。


少し前に所属している自分軸手帳のコミュニティ内で、参加したイベントのレポートをグラレコ(手描きのイラストや文字で要約したもの)にまとめた。
とても好評で、特に似顔絵が似てる、上手いと色々な人に褒められた。

そう、私は特に売りにしていないのだがイラストや似顔絵が得意だ。

子供の頃からお絵描きが好き&得意で、小学生の頃は年中漫画を描いていた。
学校の友人に見せる用のギャグ漫画を描きつつ、自宅では墨とペンで少女漫画を描いていて、雑誌に投稿したこともある。  

中学、高校、大学でも、文化祭やイベントのチラシやTシャツなどの作ることがよくあった。

社会人になってからは、制作に関わったウェブサイトでイラストを外注する予算がなく、私が手描きした時もあったし、
送別会の記念品や寄せ書きの似顔絵を頼まれて描く機会がよくあった。
(先日、昔の職場の元上司から、私が描いた似顔絵入りのゴルフボールを見せられて驚愕した。描いたことすら忘れていたが、部署で送別会で贈ったものらしい。我ながら結構似てる・・・。)

イラストや似顔絵を褒められて、「才能ある」「イラストを仕事にしたら」と言われたことは、これまで何度もある。

でもね、仕事にはできないんですよ〜。
というかね、仕事にした途端やる気が湧かなくなってしまったりするんですよー。

友達に「ちょっと描いて」って頼まれて描く、くらいだったらホイホイやるし、頼まれること自体は嬉しいんだけど。不思議。

おそらく理由の一つは、ストイックに制作に打ち込むのが自分に向いていないとわかるから。
もう一つは、いくら得意なことでも、それを仕事にして続けていくのはすごく難しいし、そのためには別の才能が要ると知っているから。

実は、10年以上前、私が趣味で描いたコミックエッセイがちょっと話題になったことがあって。
とある堅めの出版社の編集者の人に気にいってくださり、一緒に本を作らないか声をかけていただいたことがあった。企画をいくつも持ってきてくださったり、何度も打ち合わせして声をかけてくださったのだけど、当時の私にはその期待に応えることができなかった。
とても嬉しかったし自分の本が出版できるなんて!と興奮したけど、だんだん打ち合わせが苦痛になってきた。
根気の要る作業を完遂できるとは思えなかったし、本業とのバランスを取ることができなかった。

子供の頃、あれだけ漫画家に憧れていたのにね。
他人から見たら、絶好のチャンスを逃したと思われるかもね。
最高の報酬が手に届くところにあったのに、私は萎えてしまった。

今の私だったら、あの頃より自分の強み弱みの使い方や、時間の使い方が上手くなっているから、あのチャンスをものにできていたかもしれない、とも思う。
また、書き続けていればスキルが上がって、さまざまな要求に楽に応えられるのだろうとも思う。
けれど、絵に関しては、私はやっぱりプレッシャーのない、遊びの範疇でのびのび描くのが心地いい。


「好きを仕事に」
「得意を仕事に」 
「好きなことを仕事にすれば、お金は後からついてくる」
「複数の収入経路でバランスを取る複業の時代」
昨今蔓延する言葉だが、私はこれらに対して”賛成7割、そうかなあ?3割”って感じ。

「独立」とか「サラリーマン卒業」
をトロフィーのように掲げる人も最近多い。
インフルエンサーの影響で、なんとなく、サラリーマンよりフリーランスの方がいい、的な考え方が優勢になっている

けどね、好き・得意で自分で仕事できるようになるには、働くスタイル、時間・お金の使い方に関して、自分の最適解が確立されている必要があると思う。
(私は独身時代脱サラ→起業したこともあるのでなおさらそう思う。)


5月に自分軸手帳部で八木仁平さんとのコラボで開催された
の「世界一やさしい才能の見つけ方」実践キャンプに参加した。

私は最後の「せか才ハウス」を建てるまで完走はできていないのだけど、参加してよかった。
この本に書かれていた
才能を活かして社会の歯車になろう」というメッセージには非常に共感した。
”歯車になる”というのは、必ずしも”生業にする”じゃないんだよね、多分。

ささっとイラストや似顔絵を描いて人から感謝されるのは、もちろん嬉しい。
これからもそれで人の役に立ちたいと思う。

うーん結局何が言いたいかっていうと、
「イラストうまいね〜仕事にしたら?」
とか
「得意を仕事に!」
とか、無邪気に安易に言わないで ってことかな笑

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