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「アトツギラボ」始動!

2023年の夏頃から温めてきた企画をようやく実行に移す時が来ました。
予算があるわけでもなく、法人があるわけでもない。
自分にあるのは、パッションとアトツギ仲間の存在。それだけで十分。
自分だからこそできることは何か?そんな自問自答を繰り返しながら、試行錯誤の末に「まずはやってみる」の精神でスタート。
今回はプレ的に実施した【アトツギラボ vol.0】の様子をお届けします!


アトツギラボとは?

対話型の交流を通じて、アトツギの奥底にある意志を言語化し、共有・発信することで、「預かったものを未来に託す」ための支えになるような場を目指しています。ここでは「対話」と「言語化」にこだわっています。対話はただの情報交換ではなく、価値交換。お互いの価値を交換することで、新たな気付きや発見が生まれる。そして、言語化してみて、現在地を確かめる。
なぜ継いだのか?継ぐ・継がないの意思決定に必要な要素って何?という継ぐ意味や使命感。継ぐ・継がないの究極の二択以外に選択肢はないのか?会社を継がなくても(事業承継しなくても)家業を未来に残せる方法はないのか?選択肢の広がりや多様な継承の仕方。こうした問いを深掘りして、言語化していくことに意味があるんじゃないか。自問自答する、内省する時間がアトツギとしての幹を太くしていくんじゃないか。そんな仮説を立てています。
「アトツギラボ」というコミュニティ、プラットフォーム、仲間、関係性、居場所…色々な側面や要素があるので、内省、実証、壁打ち、協創ができる場として深めていきたい。そして、アトツギを取り巻く多様なステークホルダーが地域ぐるみでアトツギの挑戦を応援し続ける環境づくり(エコシステム)を実現したい。そんなことを考えながら、走り出します。

ここに至るまで

2023年は、一般社団法人ベンチャー型事業承継の山野さんはじめ、社団の皆さんと出会ってから、エヴァンジェリストとして活動するようになりました。アトツギ甲子園 Be Ambitious事業、行政や民間主催のアトツギ支援プログラムへの参加、全国のアトツギ支援者とのネットワーク形成(定期的なオンライン会)、第4回アトツギ甲子園地方大会・決勝大会の現地観戦など、新しい景色を見まくった1年でした。熱量あるアトツギさんやアトツギ支援者にたくさん出会い、刺激を受けまくって、自分も何かしたいと強く思うようになったのは自然な流れ。同時に、自分だからこそできることは何か?を考え続ける日々。

アトツギ甲子園決勝大会の様子

そもそもアトツギって?

そんな中、「そもそもアトツギって何なん?」とふと疑問が湧きました。家業がある親元に生まれた瞬間から「広義のアトツギ」だとすると、物心ついた時から青年期くらいまでは、家業なんてよく分からない、継ぐか・継がないか分からないという「あとつぐかも」という状態。そこから継ぐという選択をすれば「狭義のアトツギ」、様々な事情で継がない(継げない)という選択をすれば「あとつがず(あとつげず)」。1度選択をすればずっとその状態かというと決してそうとも限らない。そう考えると、事業承継者・承継予定者だけがアトツギではないなと気付き、アトツギを広い概念で捉えるようになりました。

ちなみに、一般社団法人ベンチャー型事業承継では、アトツギをこう定義されています。『「先代から受け継いだ価値を、時代に合わせてアップデートすることで、その次の世代に託す時まで、存続にコミットする個人」 アトツギになるのは、家族でも社員でも第三者でもいい。 でも次の世代の誰かに託すまで、預かった価値を存続させるために挑戦を重ねる人。』

出典:アトツギファースト

かっこいいアトツギ

アトツギってかっこいいなと思ったのが、私がアトツギワールドにどっぷり浸かることになったきっかけ(この経緯は改めて別の記事で紹介します)なんですが、「かっこいい」ってすごく動機付けになる感情だなと思いました。
家業の強みと自身の強みを掛け合わせて新たな挑戦をし続けるアトツギベンチャー(狭義のアトツギの進化系)はもちろんかっこいい。家業を継がなくても(正確には継げなかった)自分なりの継承の仕方を体現しているアトツギさんもめちゃくちゃかっこいい。こうした“かっこいい”アトツギさんとの出会いから、アトツギには選択肢の幅があること、自分なりのかっこいい継承の仕方があるってことを知ってもらいたい(特に、あとつぐかもの人に対して)と強く思うようになりました。

アトツギラボ【vol.0】

さて、色々と思ったこと・考えたこと・感じたこと・やってみたいことをどう形にしていくか。【vol.0】ではなんとなく京町屋でやりたいなと思っていたので、ここに決めました。

大西常商店(京都市下京区)

2023年8月に代表取締役社長に就任された大西里枝さんの株式会社大西常商店です!扇子の製造卸や販売をしている会社で、(大西さん自身がとあるステッカーでバズってはるというのはさておき)京扇子が並んでいる店頭の奥には昔ながらの町屋の景色があり、畳の空間が落ち着きを与えてくれます。今回は2階のお部屋をお借りしました。

温かみのある畳のお部屋

アトツギラボは2部構成。第1部がラボタイム、第2部が交流会。ラボタイムは対話と言語化を重視した時間です。まずは参加者の心理的安全性を確保するために、参加者全員で自己紹介タイム!参加理由や今の思いを語ってくれました。「恩返しがしたい」「地域の役に立ちたい」「なんとなく継いだけど、継いでから覚悟した」それぞれ違うけど、遠からずなのが面白いところ。

参加者全員で自己紹介

そして、アトツギラボの趣旨や思いを参加者の皆さんと共有した後に、大西さんから話題提供その1。京扇子の歴史、会社の概要や継ぐことになった経緯をお話いただきました。これを踏まえた最初の問いが「なぜ継ぐことになったのか?」3グループに分かれて、アトツギ自身の継いだ経緯や継ぐ理由について対話を開始。

大西さんからの話題提供

続いて、話題提供その2は“失敗談”。大西さんからは外部に言えないような失敗談まで赤裸々に語っていただきました。「失敗したことあるか?」という問いに対して、「失敗するためにはもっと挑戦しないといけない」「失敗しないために古参社員への根回しを徹底している」等の話で盛り上がっていました。

グループで対話

話題提供その3は、“夢や今後やりたいこと”。「京扇子だけを売っていくのではなくて、日々を彩る「暮らしの文化」を伝えていきたい」と話す大西さん。メディアに強い大西さんならではの夢が詰まっていました。最後の問いが「夢(やりたいこと)は何?」です。初対面の人に夢を語る場なんてそう多くないと思いますが、アトツギという共通点があり、熱量が高まってきたからこそ、参加者みんなが熱く語る姿がそこにありました。

みんなの熱量がすごい

最後は振り返りを兼ねて全員でチェックアウト。今後アトツギラボでやってみたいことや期待することを話して、第1部は完。「夢を話す場が珍しくて、普段考えないことを向き合う良い機会になった」「真面目なテーマを恥ずかしがらずに話せるのがよかった」「月1で経営定例会をやってみたい」など、ポジティブな発言がどんどん出てきて、これからがますます楽しみになる時間でした。

2024年3月22日(金)アトツギラボ【vol.0】
(年度末の忙しい時期に13名のアトツギさんが参加!)

第2部は交流会。参加同士がお互いを知り、親睦を深める良い機会となりました。ちなみに、デリバリーで注文したオードブルは、京都で飲食店を経営する2代目アトツギが店主のELOVEにお願いしました。こういう部分もアトツギにこだわっていきたい。

和菓子の製造販売、餅や赤飯の製造小売、自転車やダンボールの製造販売、繊維やゴムの専門商社、町寺の副住職、八百屋、海外向け卸売・製造支援、物流・運送、不動産賃貸、自動車部品の製造、男性化粧品ブランド

今回参加のアトツギさん

今後の妄想

熱量あるアトツギ同士が語り合う場。私が見たかった景色の一つです。
月1経営報告会、合宿、職場や工場見学、あとつぐかも向けコミュニティの醸成、既存又は新規ビジネスの壁打ち、協働イベントの開催、、etc
さて、このアトツギラボがどう育っていくのか。どんなコミュニティになっていくのか。アトツギの皆さん、アトツギに関わる皆さんと一緒につくっていきます。
この記事を見たあとつぐかもさんがアトツギって面白いかもって感じてもらえるように、アトツギさんが繋がりたいと思ってもらえるように、継続的に発信していきます。アトツギの未来は地域の未来。

to be continued…

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