新生活ジモティー体験記

みなさんご存知だと思われるジモティーが、この新年度のシーズンだと宝の山になる。

引っ越しシーズンともあり、不用品がジモティーにバンバン更新されるので、私ようなミニマリストはジモティーを利用しまくって、コストを抑えている。

引っ越しで家電を持っていくとデカいので料金も高くなるし、重い家電を動かして運んだりすると、自宅に到着してから動かなくなるようなリスクも有る。

そういうのを諸々考慮して、引っ越しのタイミングで新しい洗濯機や冷蔵庫を買い替える人も多く、捨てるのに金かかるなら、誰かに0円で売るとか、どうせなら利益を出したいから数千円で売るみたいな人が増える。

ジモティーの魅力でありリスクでもあるのが、対面で売り手と買い手のやりとりが発生するところで、私は一応これまで良い人にしかあったことがない。

しかしながら先日、ちょっと気になる人と会った。品物はドライヤーで、価格は500円。そのドライヤーが同じタイプの最新型だと家電量販店で2万くらいするものだったけど、私が譲ってもらったのは、いくらか何年も前のモデルなので、中古と考えると500円が妥当かなというところだった。

かなり気になっていた点は、対面でやり取りする前のメッセージの段階で、相手の返信時間が朝4時とか、そういう時間帯によく返ってきていた。

そして返信速度が異常に早いので、どういう人なんだろうと気になっていた。私のプロファイリングだと、良いドライヤーを持っていて、それを500円くらいで売りに出してしまう。そして昼夜逆転したような生活で、常にスマホと向き合っている。

「完全に水商売の人だな。」と、ほぼ99%想像がついた。もちろん性別はメッセージのやりとりで、女性だとわかっていたので、いつも男性としか対面でやりとりしたことなかった自分としては、変な緊張感があった。

駅を待ち合わせ場所に指定されて、歓楽街というか、想像通りの飲み屋街の最寄り駅で、自宅の最寄駅よりはルートから外れてしまうけど、まぁ電車賃数百円払っても700円くらいでドライヤー買えるならいいだろうと、階段を下って待ち合わせ場所の改札までたどり着いた。

一人明らかにだれかを待っている人がいる。その人は女性だったが、ほぼ私の母親と年齢が変わらないくらいのお婆さんだった。

私としてはかなり意表を突かれたけども、お声掛けして2~3言お話して、お気をつけくださいと、500円玉を渡して、足早に帰路の電車に飛び乗った。

お婆さんはかなりくたびれた様子で、今で言うコミュ障のような感じだった。疲れ切った様子で、あんまり人付き合いがよく無さそうだけど、なんでジモティーなんかで500円のドライヤーを売ってるんだろうと疑問に思った。

自宅に着いて、ドライヤーを確認したら、自分が想像していたより4~5年くらいモデルが古くて、なんか外観をキレイに掃除した形跡もないし、ホコリが溜まって、ずっとどっかに置きっぱなしみたいな感じに見て取れた。

そしていざ使ってみようとコンセントを刺して電源を入れたら、見事に無反応だった。「あーこれは、一本取られたな」と完全に詐欺られたと思ったけども、よく見るとドライヤー本体のすぐ下のコードが明らかにズレているというか、塩化ビニルが不自然だったので、そこをクネクネいじっていたら、電源がつくようになった。

ジモティーの商品説明には、「故障など無く問題なく普通に使えます。」と書いてあったが、おそらく動作確認とか何もしてないんだろうなと思う。そう考えると、あのお婆さんに対してメッセージで言ったほうがいいのかなと思う反面、そんな500円のためにわざわざこのボロいドライヤーを売りたい人の心理ってなんなんだろうと思い始めた。

深夜2時や朝方4時にメッセージが来ることを考えると、清掃員だったりそういう仕事についているのか、もしくは歳で夜寝れないのかわからないが、なんかクレームを言う気も失せてきた。

自分として不用品を売りたいと思うときは、まだ使えそうだけど、俺はもう使わないな。というタイミングで、それなりにキレイなものを売る。汚いものとか役に立たなそうなもんを売るときは、明らかにそれを明記しておく。

トラブルになって、変な人間関係ができてしまうのが怖いので、なるべく繋がりを作りたくない。

大体の場合、特にこの引っ越しシーズンで多いのは、家族連れみたいな人が、次の家にこれ持って行くの面倒だから売ろうとか、新しい家に引っ越すタイミングで、とりあえず前の家からいろいろ持ってきたけど、必要ないから売ろうみたいなことが多い。

なんというか、金目当て第一優先じゃないというか、不用品を処分することを前提に気持ち程度に価格を設定している感じになっている。

それがあのお婆さんからは感じられなかった。ガチで500円を求めている感じがして、不安というか勝手に心配になったりした。

人からなんかを譲ってもらうというのは、結局そういう想いを受け継いでしまう感じもある。もちろん数年経てば薄まるが、大切に使っていくうちに自分も愛着を持つようになるし、次の人にも大切に使ってもらいたいなという考えも生まれる。

あのドライヤーをお婆さんはどこから入手したのかわからないが、とにかくあんまり気分が良いものではなかった。もちろんドライヤーはちゃんとつかっていきたいが、なんとも言えない気持ちになる。

もちろん他にはテーブルをくれたり、物干し竿をくれたり、かなり買うのが面倒なものを貰って生活が豊かになっている感じもある。家電や大型の家具などは基本的にリサイクルショップが狙って買い付けてしまうので、あんまり素人だと車がなければ手に入らない。

でもたまたま近所でラッキーがあるので、そういうときは自分も狙っていきたい。

新生活が始まって2週間くらいで、大学のときほどワクワクもなくなったし、最初に都内で一人暮らしした時よりも慣れてきている。

家具家電がなくても落ち着いて生活が出来ているし、そんなに焦ってない。ただ、税金が戻ってこないので、もう少し早く戻ってきて欲しい感じはある。

今の会社はたまたま給料日が早いので、家賃の支払いのタイミングでちょうど生き残れそうな感じもする。やっぱり引っ越しはお金がかかりすぎるので、ジモティーのようなサービスは自分にとってはありがたい。

本来全部を何から何まで新品で揃えたら、破産しないまでも、貯金には相当ダメージがあったに違いない。

ジモティーのサイトは地味で、私も過去にバイトの採用面接を受けたことがある。オフィスもこじんまりしていたが、ITっぽいなんだか自由な社風だった。

自分としてはもっと楽しんでジモティーを使えたらいいのだが、不用品処分は格安だと、業者が一斉に持っていってしまい、それをまた業者がキレイにして値段を釣り上げて売るというサイクルになっている。

私としてはもっと個人間でのやり取りとか、そこからコミュニティみたいな感じで助け合えるような地域社会になればいいと思っているが、現代ではなかなか難しいようにも思う。

トラブルがあったらとか、お金のやり取りで問題があったらとか、ストーカーとかいろいろ考えると、ジモティー側もなんか面倒なことに巻き込まれるのは嫌だから、自己責任ですよ。とか警察行ってください。と言ってくるんだろうと思う。

昔より犯罪率が減少しているとはいえ、変な犯罪は増えてきている気もする。ネットは効率化をもたらす反面で、人の心をおかしな方向へ向かわせるツールにもなり得る。

我が家は今のところ、ネット回線を引いていないので、平日はスマホのデータ容量がオーバーしない程度にネットを見るしか無い。YouTubeなんかも見れない。そうなると、自然と早く寝て、心が多少健康になる気がする。

やはり4月からガラッと生活リズムが変わって思うのは、睡眠は大事で、人との繋がりは大事ということだと思う。具体的に言えば、助けてくれるような人との繋がりと言い換えられる。

少しずつ本業を頑張りながら、副業でお金を稼いでいきたいし、自分の生活は全然満足の行く状態じゃないので、もう少し壁の厚い家に引っ越せるくらいの収入を得ていきたい。

ここのところ、ずっと人生に絶望していた私だったが、生活リズムや行動を変えると、気持ちも少しずつ変わるものである。鬱感99が94くらいに改善したくらいだが、それでも無いよりマシというか、希望も1か2くらい出てきた感はある。

とりあえず今は我慢の時だし、2日で仕事を辞めるなんてことにも現状はなってない自分を褒めたい。仕事以外の私生活が落ち着いて、給料が入ってルーティンになって、貯金オーバーする心配が薄れれば、また少し人生が変わっていくかもしれない。

今日は冷蔵庫が届くので、やっと納豆や牛乳を買える生活が出来るようになる。

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