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ヘルッシュとアリアの想い国

  ヘルッシュとアリアの想い国

    序

 生まれて今までずっと
 すべてのものと同化している自分が
 己の存在することへの疑いを
 決して持つことはなかった
 だがある日突然
 すべてのものから切り離された己自身によって
 己が存在することへの疑問を
 自ら強く抱き始めた

 なぜ私は存在するのか 

 人はすべてにおいて自己中心的に物事を捉える
 その結果
 己は死ぬる者であることを知りつつも
 自らは永遠に存在するものと錯覚をする
 死が直前に迫っているにもかかわらず
 無言の中で思い込んでしまう

 あらゆるものに終焉があり
 そして終わりが告げられたとき
 そこで初めて不連続となることを
 
 人は知ることになる

 完成なる名において
 人は不連続より連続を重んじようとするが
 それは人の為に
 存在が連続を擁護するからである

 いったいそこに何があるというのだ
 どのような意味があるというのだ

 そもそも
 宇宙は連続も不連続をも嫌うものである
 だが誰もがそれを理解しようとしない

 1  君は何処にいるの
            時間と空間より

 ヘルッシュは電車に乗っていた
 ボックス席の窓際に座って
 電車と平行に流れる上り線のレールを
 じっと見つめていた
 レールはどこまでもどこまでも
 遅れまいと諦めもせずに追い掛けて来た
 「何故追い掛けて来るのだ
  そんなに無理しなくてもいいのに
  私は構わないのに」
 レールは今も寄り添うように走り続け
 ヘルッシュはそれをただ見つめていた

 「おまえは誰だ
  私に何を求めるのだ」
 突然何者かがヘルッシュに問い掛けてきた
 その声のする方に目を遣ったが姿は見えなかった
 その声の主が誰なのかヘルッシュはすぐに気付いた
 それは何かに押し出された己の内なる声であった
 
 レールは相変わらず付いて来た
 ヘルッシュは何かに取りつかれたように
 目を閉じることを忘れたかのように
 レールをじっと眺めていた
 突然目の前を通る電車によって視界が遮られ
 ヘルッシュは我に返った
 目を外から車内に向けると
 ボックス席にはヘルッシュ以外だれもいないし
 電車の走る音だけで
 人の話し声は聞こえてこなかった
 「この車両に乗っている人はいるのだろうか
  自分以外誰もいないのでは・・・」
 急に暗くなった
 電車はトンネルに入ったのである
 窓の外は暗闇に包まれた
 時折トンネルの外灯が通り過ぎていった
 ヘルッシュが目を外に向けていると
 どこからかヘルッシュを呼ぶかすかな声が
 聞こえたような気がした
 「ヘルッシュ」
 こんどははっきりと聞こえた
 その声の持ち主はアリアだった
 「アリア・・・
  君だね・・・」
 ヘルッシュはアリアを捜した
 暗闇の中を何処をどのようにさ迷ったのか
 灯りの点いた一軒家の前にヘルッシュは立っていた
 「アリア 」
 叫びとともにヘルッシュは目が覚めた
 「アリア ・・・・・ 」

 ヘルッシュはいま自分が置かれている状況が分からなかった
 ただアリアの名を呼ぶだけであった

 ヘルッシュは当てもなくさ迷っていた
 そして呟いた
 「アリア 君はいったい何処にいるの」
 静寂と闇の中 星だけが輝いていた
 「私はここにいるわ あなたの傍よ」
 空気はすこし冷たかった
 「あなたはいつも何かを追い求めている
 それが何であるのか 
 私にはまったく分からないわ
 でも 私はいつもあなたの傍にいるわ」
 ヘルッシュはまださ迷っていた
 そして呟いた
 「アリア 君はいったい何処にいるの」
 「ここにいるわ あなたの傍よ
  ・・・ごめんね ヘルッシュ 私が・・・」
 ヘルッシュは気を落とすかのように目を下の方へとやった
 何も見えない空間の中を目だけがさ迷い
 当てもなく歩く自分の居場所さえ分からなかった
 ヘルッシュは呟いた
 「僕はここにいる それなのに 自分の居場所が分からない
 アリア 君はいったい何処にいるの」
 「さあ ヘルッシュ こっちよ」
 はっきりとしたアリアの声がヘルッシュの耳の中で響いた 
 辺りが急に明るくなった
 アリアが目の前にいた
 ヘルッシュは夢から覚めたかのように実感した
 アリアは微笑みながらヘルッシュを導くように手を取り
 野原の真ん中へと連れて行った
 そこは暖かく春の日差しで輝いていた
 「わあ きれい」
 そこは紅紫色の蓮華草の花が一面に咲いていた
 本当に きれいだね」
 ヘルッシュはアリアの方へと目を向けた
 アリアの微笑んでいる顔には優しさが溢れていた
 突然アリアはしゃがんで
 この蓮華草の絨毯の上に仰向けに横たわった
 「わあ 気持ちいい」
 その言葉に誘われるようにヘルッシュもアリアの横に寝転がった
 「気持ちがいいね」
 地面からのほんのりとした冷たさが少し火照った体には
 心地好かった
 アリアは目をつぶりその心地好さに全身を委ねている様だった
 時間は止まっているように感じられた

                                         つづく


 宇宙

 我々人の脳は物事を見たり感じたり
 そして思い想像し考える
 これらすべて究極化数の世界のことである
 人が脳の中で描いたことはすべて事実のことではあるが
 だからといってそれは存在とは別のものである
 今あなたの前に人がいるとする
 あなたにとってその人は自分の目の前に存在するものと感じる
 確かにその人はあなたにとって存在するものと考える
 それは人の脳の自然数的思考によってであり当然のことである
 だが
 存在という概念を実存化数的思考においてつまり
 相対性・同一性においてその人を見ると
 その人は存在しないのである
 我々の宇宙の存在は実存化数によって表わされる時空そのもの
 だけである
 時空のもつ連続性その一部である単純な閉連鎖から
 人の脳のような複雑に絡み合った(物質的・電流的)閉連鎖を
 もたらし
 脳のその閉連鎖よる相対性・同一性によって人は複雑な反応を
 起こす
 その反応が脳において系統づけた自然数的思考となり
 それによって自己の存在への認知となる

  

 そもそも人は ある時刻(時間)には ある場所(位置)に
 ある’もの’が存在しているものであると感じている
 (いや考えている) 
 そして 
 ある者はそれらの関係を数式化して力学として捉えた
 さらに
 それらの’もの’が すべて相対的に存在しているものと考えて
 宇宙には絶対運動なるものは存在しないという仮説を立てた
 (相対性原理)
 また
 アインシュタインは時間と空間 とを相対的に扱うために
 基準として光の速度(光速度不変の法則)を取り入れた
 相対性理論を創りだした

 それに対して プランク定数を基準に置いた量子力学では
 ある時刻(時間)においてその場所(位置)がはっきり
 しない’もの’ 
 又は 
 ある場所(位置)においてその時刻(時間)がはっきり
 しない’もの’の存在を考えるようになった
 これは言い換えると
 測定において座標と運動量とを同時に確定することは
 できないということで
 不確定性原理と言われているものとなった

 だがしかし
 上のどちらもが時刻と場所(時間と位置)そのものを
 ’もの’の存在の原点として考えていることである
 つまり
 点(数量)をもってして’もの’の時刻と場所(時間と位置)
 を捉えているのである
 ある時刻(時間)ある場所(位置)
  これらはすべて点(数量)として表されている
 そして
 それらの時刻(時間)それらの場所(位置)が互いに
 相対的関係を持って存在していると考えている
 このことが大きな誤りを招き
 いくつかの不可解な法則や理論を創り出した

 実は時間も位置も点(数量)として捉えてはならない
 のである
 時間も位置もそのもの自身を相対的に捉えて初めて宇宙の真実の
 姿が見えてくるのである
  ・・・・・・

           忘れ得ぬ愛しき人(***)


             雪ふみて    
          あつき心に          
       春をまつ  
   
                  ハルオ



           五
         矢 口 隹
           王
 
        吾唯知ヲ呈ス  

  
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  「 ’偏見’を捨てなさい
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    強い’探究心’を持ち
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    そうすればきっと正しい答えが見出せる 」               
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   「 知らないことは 決して恥でも無能でもない
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                  筆者より
    "What you don't know is neither shame nor incompetence
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   「 Ask, and it shall be given you ;
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     knock, and it shall be opened unto you ;  」
                   Matthew 7:7
   「 求めよ そうすれば 与えられるであろう
    捜せ そうすれば 見いだすであろう
    門をたたけ そうすれば あけてもらえるであろう 」
                   マタイによる福音書 7:7
                            (口語訳)