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ミーはおフランスにいろどられ

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 Pixivで公開してきた小説以外の文章を、
 noteに移して行きます。

(文字数:約1700文字)


 ひたすら緊張するでばらん。
 くっそさぶい駄洒落とも付かないようなものが
 教室を出た途端口から飛び出して来るくらいに。

 『パダン・パダン』ムズいねん。
 いや分かってたけどな。

 一音半音の上がり下がりが、
 細かくて知らんうちに音外してんねん。
 その度に先生が眉ひそめてくれはんねん。
 有難い事やけどな。

 1月から、
 「ちょっとこれやっとくかー?」
 と渡されたのが、
 同じくエディット・ピアフの
 『バラ色の人生』

 ああ。有名なシャンソンですな。
 わりと知られている。

 「知ってるやろ?」

 ええ。ピアフの代表曲でもありますから。

 なんて我ながら淡白な対応をしたけれども、

 ……激好きだ!!

 いや。単純に好きだと言うには、
 語弊があるかもしれない。
 ピアフのベスト版の中に、
 見つける以前から歌そのものは知っていたが、

 「バラ色の人生って……(苦笑)。
  ずいぶんと浮かれ尽くした女性の歌だなぁ。
  それかよっぽど自分に自信があるんだ」
 みたいな感じに思っていた。

 まぁ越路吹雪とか、
 エディット・ピアフほどにもなれば、
 納得ですけれども、

 一般の普通の女性がこれを歌うには、
 少なくとも私には似合わないね似合うはすがないね。
 『バラ色の人生』なんか私に訪れるわけがないね。

   くわーん でぃるめぷらだんせぶらー

 だけどフランス語だったら歌っちゃうよ。

   いるめぱるれとぅばー

 ほぼ完璧に耳コピしちゃってるよ。

   じゅヴぉわらヴぃあんろーぜー

 フランス語だったら何歌ってるんだか
 聴いてる方は分かんなくて恥ずかしくねぇからな!

 ちなみに意訳すると以下のような感じです。↓

   彼の腕に抱かれ
   優しく囁かれる時
   世界はバラ色に変わる

   彼が語る愛の言葉は
   いつもおんなじ
   だけど味わい深いの

   私の魂に入り込んだ
   幸せの証
   だって愛する人に愛されて
   それが生涯続くんだって
   彼は私に誓ってくれたんだもの!

   だから彼の姿を見かけるだけで
   私は感じるのよ
   胸がときめくのを

 こんな彼も旦那もいないんだけど!
 これから先も私の前に表れてくれるとは思えないんだけど!

 良いの歌っている間だけは、
 いるって事にしておくのー♪

 目の前に見えているのは冷たく暗い家の中なんだけど!
 襖の向こうから聞こえてくるのは両親の口論なんだけど!

 良いの歌っている間だけは、
 まるで世界がバラ色みたいに思っとくのー♪

 そんなやせ我慢だった大学生時代の思い出に満ち溢れた歌。
 だから単純に好きだと言ってしまうには語弊がある。
 今回ももちろん日本語版を習うんだが、
 フランス語で歌い出したくなってしまって仕方がない。

 と言うより家に帰って即歌う。

   せるぅいぷもわもわぷるぅいだんらヴぃぃ
   いるめらでぃ らじゅれ ぷらヴぃぃーあーぁ

 ノリノリで歌えてるじゃねぇか自分。
 あと歌いながら素で思ったんだが、

 何でか知らんけど私を気に入って籍に入れてくれた人がいて、
 「何か分かんないけど面白そう」だからって
 私の創作活動も一切止めないでいてくれる。
  
 今や私の人生、バラ色じゃね?

 いや。
 前々から薄々感付いてはいたんだが、
 自分わりかし過酷な目に遭ったり、
 結構貧乏だったりしてきたわりに、

 見た目に悲愴感無くね?

 「何か分かんないけど、
  いつも元気いっぱいで楽しそうー」とか、
 「自分の好きな事いつも、
  たくさんやれてるみたいで羨ましー」とか、
 人からちょこちょこ言われたりもしてね?

 『パダン・パダン』こそ私の歌だ!
 と思っていたが、
 そっちもぜひ極めていきたいんだが、

 もしかすると『バラ色の人生』の方が
 はた目には私っぽいんじゃね?

 はっきり言ってしまえば自分、
 浮かれ尽くした自信たっぷりな女じゃね?
 フツーに。

 セルフイメージ激変中。

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