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小室哲哉『Running to Horizon』

 小室哲哉さんのソロ楽曲『Runninng to Horizon』が、
 自分で自覚していた以上に大好きだった、
 という話をしたい。

(文字数:約1400文字)


  アニメ『シティーハンター3』のOP曲で、
  ファンからは当時賛否両極論だった気がするが、
  それはおそらく多分に小室氏の、
  個性あふれる独特な歌いっぷりによるものだっただろう。

♪ぅねぇむぅれなぁい ごぜんんにぃじぃ
 いらぁだぁちが どあをたぁたぁくぅ
 はしぃれなぁい おおかみぃたぁちぃ
 うぅやぁみにつぅめをたぁて さぁまよぉっているっ

『Running  to Horizon』冒頭歌詞を純粋に音として拾った状態

  不快に思わせたなら申し訳無いが、
  つまりは歌詞のみに寄らない「声」の表現が存在する事に、
  小学生低学年女子が気付かされたという話でもある。

  そして当時の小室氏が私には可愛くてしょうがなかった!

  貴方の楽曲は貴方が歌い上げるには体力が足りないのよ!
  貴方食が細いんだからもっと食べなさいお食べなさい!
  あぁ偏食家で出来ねぇんだったなこのワガママ野郎め!
  (ほとんど母的なファンの愛)

  しかしアニメ放映時、
  私に衝撃を与えたのはサビの部分。

Wow Wow Wow 標識の無い道
Wow Wow Wow 優しさただ求め
Wow Wow Wow 弱さと向かい合う
Wow Wow Wow そんな君はいらない

『Running to Horizon』1番のサビ

  えっ、あかんの?(驚)
  弱さと向き合ってちゃあかんの?
  そうか。優しさをただ求めるためでは、か。

  ……と文脈に気を配って
  歌詞をじっくり読み込むようになったのは、
  振り返ればこの曲からだったかもしれない。

  アニメの楽曲だとて侮れはしない事は、
  今でこそ概ね知れ渡ってきた要素だが、
  当時のアニメ楽曲はまだまだアニメ楽曲然としていた。

  その中で『シティーハンター』は、
  新宿に暮らすアウトローな成人男性が主人公だったため、
  内容も楽曲も大人の視聴に耐え得るように作られていた。
  田舎の小学生女子にはどうあろうと格好良かったわけだ。

  そしてアニメOPでは通常公開されない2番。

凍えた風に身をさらせ
林の影に目を凝らせ
隠れた道を探し出せ
銀色のドアを見つけ出せ

Running to Horizon
Carry on Lonliness
星座の消えた空

標識の無い道
正しい地図だけを
手に入れたがってる
そんな君はいらない

『Runninng to Horizon』2番歌詞

  どうですか。
  この小洒落てる割に、
  一行ずつをじっくり味わえば結構泥臭いメッセージ。
  (ちなみに歌詞は小室みつ子さんだが。)
           ↑同姓だが夫婦でもなく血縁関係も無い。

  そうだよなぁ。
  星座の消えた空の下、
  標識の無い道で、
  正しい地図だけを求めてちゃ生き延び切れねぇよな!
  うん。間違ってない。

  そしてあくまでも、
  「そんな」君はいらないだけであって、
  「君」の全体を否定しているわけではない。
  むしろそれ以外は肯定されていると思ってもいい。

  もっと幼い頃から見た目に言動の隅々まで、
  否定され尽くして育ってきた私には、
  むしろ雄々しく励まされた感じがした。
  ありがとう!
  (こんな聴き方してた奴も相当に珍しいと思うが。)  

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!