見出し画像

史上最強は厚顔無恥

 自分に「親」はいなかった、
 と認識しているほど恨みの深い私ではあるが、

 岡埜克己(父)、貴子(母)、奈津実(姉)の
 (注:それぞれ類似性関連性はあるが仮名。)
 一人一人と家の外で単独で付き合えたなら、
 それほど嫌いな人間たちではない。

 むしろ愛すべき人々のようにすら、
 思える要素もある。

 ここが実は重要事項だと思うのだが、
 家族であったとて、
 愛があったとしても、
 そこに傍から見ればほのぼのした雰囲気が流れていたとしても、

 「人を人とも思わず日々ゴミのように扱い、
  現実にゴミだと公言して憚らなかった」
 行為に対する罪は消えないし、

 「自分は少なくとも人ではあったはずだ」と、
 自ら認識できるようになりたいのであれば、
 どれほど時を経たとしても許してはならない。

 重い出だしにはなったが要するに、
 私が面と向かっては「母上」とお呼びしつつも、
 内心「史上最強とは厚顔無恥の事だな」と思ってきた、
 母について語りたい。

 → 父についてはこちら


まさしく白衣の天使

  実は私の母は看護士だ。

  それはもう、
  慈母のごとき穏やかな笑顔で日々振る舞い、
  母が担当となったならば、
  通院している間に入院中の患者さんは、
  どれほど快く過ごせることかと、
  正直仕事中の母には敬意を抱かざるを得ない。

  しかしだからこそ娘としては思うわけだ。
  人間の善意や愛情には限界があると。

  限界を超えたストレスは、
  周囲の者の中で劣っている(ように見える)者に、
  ぶつけるしかないし、

  そもそも劣っている(ように見える)者に対して、
  わざわざ分け与えたいような愛情など無い。


天性のいじめっ子

  小学生時代からの母の親友が、
  割と家の近所に暮らしていて、
  時々家にも訪ねに来てくれていたんだが、

  ちょうど点いていたテレビの、
  いじめに関するニュースを見ながらの二人の会話に、
  私は背筋を凍らせたんだ。

  「いじめなんてねぇ。そんなの、
   私たち同じクラスの子にしょっちゅうやってたわぁ」
  「楽しかったわよねぇ」
  「だってあの子たち見ててイライラするんだもの」
  「ウジウジして言いたいことも言えないし」

  おそらくは母上、
  あなた方がいじめていたその人たちっぽい子を、
  我が子に持ちしかも愛する事が、
  貴方に課せられた業であり試練であったと思うんだが。

  まぁ重い業の割には、
  100点満点とは言えないが、
  45〜65点程度の及第点は取ったのかな。


地獄の裏側

  私が地獄を味わった、
  小学校2、3年の2年間、

  母には友達が出来なかった。

  そりゃあな。
  近所の人たちに初対面から、

    「宅は支店長代理ですの。
     そちらは?」

  なんて自己紹介かました女だ。
  築かれた心の壁はそう簡単に崩せねぇよ。

  だけど母にとっては天変地異。
  これまで家長の肩書きを話せば、
  即お近づきを求めにくる人たちばかりだったんだもの。
  (つまり生育環境からよろしくない。
   そこだけは理解してやる。)

  長女は明るくて評判良くてお友達たくさんで問題無い。
  夫も毎晩忙しく働いてきて問題無い。
  じゃあ私に友達が出来ないのは、
  毎日なんだか冷たい視線を向けられるのは、
  親の私が見てもイライラする友達が出来ない次女のせいね!

  ……ってわけで地域の新興宗教入っちゃった。

  私フツーに友達いたのに。

  「この子に友達が出来ませんで」
  って入信理由もベラベラしゃべりまくったから、
  いよいよもって私学校で友達いなくなって、
  毎日正々堂々とイジメられまくり。

  だけど泣きながら学校には通ってた。
  芯から私を「ダメ人間」と思い込んで、
  土日も不機嫌な母と家にいるよりはマシだから。


しかしながら最大の教訓

  だけども母は一年ほどしてその宗教をやめる。
  なぜならば、

  「もっと寄付を」
  「お友達や親戚の方を紹介して」
  って要求される度に、

  「ああイヤですー」
  「無理です。そこまで出来ませーん。あはははー」
  って断り続けたから!

  イヤな事はイヤだって、
  思っても言っても良いんだ!

  その場では大変良くないとされるかもしれないけど、
  結果的にギリギリのところで自分を救ってくれるんだ!

  と目の前にリアルタイムで見て悟れた事は、
  その後の私の人生において最大の教訓となった。

  ……母がやめた後の地獄がもっと、
  キツいどころじゃなく精神崩壊したけどな。

  宗教団体にしてみりゃ、
  私が告げ口して母をやめさせたみたいだからな。

  そして母にしてみりゃ、
  もうやめた団体が人生に何か関係するなんて思えない。

  団体の人たちだってそりゃ母は金づるだから、
  戻ってもらいたいから母には良い顔するし、
  母には集団で自分たちが真っ当なように言うから、

  入信していた間に母親自体が私を、
  「宗教入っても友達できない、
   神様にも呪われたダメな子♪
   (だから私は悪くない)」
  と思い込んでしまっていて終了。

  ああ真剣に、
  あれは掛け値なしの地獄だったぜ(溜め息)。

  

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!