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自己破産で免責されなかった件

 こんにちは☺ 返済レスキューです!
 今回は破産手続きで免責に至らなかった案件について書いていこうと思います。質問でそこそこあるので経験上のポイントなどを説明できたらと思います。


免責不許可になってしまうのか?

◆ よくある質問

①借金のほとんどがギャンブルで免責されるでしょうか?
②クレジット枠の現金化を利用してしましました。
③年収などを偽って借り入れの審査をしてしましました。
④事業をやっていて、税金を減らすために収入を誤魔化して申告してしまいました。

◆ 免責不許可事由があると免責されないのか?

 みんなも自分で調べているようで、免責不許可事由にとても不安を覚えているようです。もちろん、免責不許可事由に挙げられているからには、良い借金とは言えないです。ただ、これについては、みんなも十分に理解していて反省している方が多いと思っています。
 そんな免責不許可事由に抵触すると、免責不許可となってしまうのでしょうか?

 結論とからいえば、そんなことはありません。これに関連する言葉で「裁量免責」という言葉があります。裁量免責とは、裁判官の裁量によって免責不許可事由があるとしても裁量免責を相当する事情があれば免責が許可されるものです。
 つまり、免責不許可事由があり、破産手続きで免責を目指すには、この裁量免責を目指すことになります。

免責を目指そう!!

◆ 裁量免責に必要なこと

 破産申立書の書類の中には、報告書(陳述書)に免責不許可事由に関して申告する部分があります。これらの最後に「本件に関して免責不許可事由があるとしても裁量免責相当である事情」を書く欄が設けられています。
ここに何が書けるか?がポイントとなります。

①免責不許可事由の該当性

 例えば、年に1回しかやらない競馬(日本ダービーや有馬だけなど)でも免責不許可事由に該当するのか?というと、これが債務を負担する原因とは考えられないことから、ギャンブルをしていたとしても、単に趣味の範囲であり、免責不許可事由には該当しないことなどを説明していきます。

②反省していること

  • 弁護士に依頼後は一切ギャンブルをしていない

  • 家計の改善に努め、収入の範囲で生活することを心がけている

  • ギャンブル依存症の治療(GA)に通っている

  • クレジット枠の現金化など、その場しのぎにしかならないことをして、借金を増やし、債権者に迷惑をかけてしまったこと深く反省している

  • 返済のことで頭がいっぱいになり、借り入れの審査を通したいと思うあまり、虚偽の申告をして借入をしてしまい、正常な判断ではなかったと反省している

  • 見通しを立てずに買い物をしていたことに気づき反省している

③手続きに協力的であること

  • 資料収集にも協力的に取り組んでいる

  • 毎月の家計収支の報告も自ら行っている

④経済的更生を強く誓っていること

  • 急な出費があっても借入に頼ることなく生活ができるよう少しずつ貯金をしている

  • 家計の改善について家族の協力も得られるようになった

  • 返済に追われた苦しかった毎日を忘れず、二度と借金をしないことを誓っている

◆ 裁量免責で大切なこと

 端的にいえば、過去の行為に関しては、それほど大きな問題にならないことが多いと思います。大切なことは、弁護士に依頼後「債権者にこれ以上に害を与えない、嘘や隠し事をしない、手続きに協力する」この3つに尽きると思います。また、このどれかをしてしまった場合は、すぐに依頼している弁護士に相談し、可能であれば再生手続きに変更することもあると思います。

これまでにあった免責不許可事由

◆ 免責不許可となることはほとんどない

これまでにギャンブルや現金化、虚偽の申告による借り入れや偏頗弁済に至るまでいろいろな案件を申立てましたが、免責不許可となった事例は2つです。ただし、免責が不許可になった理由は明らかにはならないので、あくまで感覚的なものに留まります。私の主観だと誰が見ても「それは不許可になるだろ!」と思うものだと思います。

① 管財人と揉めた(説明義務を果たさなかった)

 管財人から、とある疑いをかけられ、説明することなく、逆切れし、管財人からの連絡にも応答しなかった結果、免責不許可となりました。

② 隠れてギャンブルをしていた

 管財事件の場合、郵送物が管財人に転送されて、中身を確認してから依頼者さんに返却されます。その際に申告のない銀行から「お金借りませんか?」のはがきが届き、口座がないか管財人が調査したところ、破産手続き中も競馬をやっていました。また、その他にも、まとまったお金の受け取りもあったことから、資産隠しもあり、免責不許可となりました。

まとめ

 いかがだったでしょうか?
 破産手続きによる免責許可はおよそ98%と言われていますが、破産手続きの免責制度の趣旨として、債務者の早期経済的更生や再起の機会を与えることがあります。これは自由で公正な社会経済秩序と個人の尊厳を保障する国のためでもあります。自由競争を基本とする日本では、格差社会が出現する可能性があり、これを解消して、債務者が再度競争社会に復帰する方法として、破産や免責の手続きがあります。
 このため、社会的に国が認めることができないほどのことをしなければ、免責許可を得ることは可能だと思います。
 免責不許可事由が理由で破産を躊躇している方は、ぜひご相談ください✨



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