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卵落下事故から読み解く責任転嫁の姿勢

今朝、冷蔵庫を開けると、ふと開いているヨーグルトの残りの量が気になり持ち上げてみた。
すると、何かが"グシャ!"という音を立てて落下した。私は一瞬、目を逸らしたくなったが、その音のする方を直視した。あぁ...卵だ。残り5個となった卵パックが落下し、1個は無事だったが1個は半壊、残り3個はお亡くなりになっていた。
私はヨーグルトの隣にあった卵が落下したことを悟った。


ああぁぉぉぁぁあううゔゔ!!


何者かに刺されたような断末魔を聞きつけ、近くにいた彼女が駆け寄ってきた。私は無惨な姿になった卵をレスキューすべく、そのまま口で卵を吸い上げて食べようかと思ったが、私は朝食を食べない。

卵が落下した瞬間、私の心は一瞬イラッとしたと同時に、彼女のせいにしている愚かな自分に気づいた。彼女は「危ないと思ったんだけど、無理やり冷蔵庫に入れてしまった、ごめん。グスン。」と言ってきた。

彼女は仕事に行く直前だったため、後始末を手伝えず私が後片付けをした。片付けながら、瞬時に私の現実読み解きが開始する。


なぜこのようなこと(現実)が起こったのか?もちろん、ちゃんと卵を冷蔵庫に入れてなかった彼女にも原因がある。
とはいえ、私がヨーグルトを持ち上げたから卵が落ちることになったし、冷蔵庫を開けた途端、卵が落ちてきたわけでもない。
大切なポイントは、卵の状態がどうあれ、卵落下事故を引き起こしたのは私であり、十分注意していれば事故は防げたかもしれない。

にも関わらず、一瞬彼女のせいにする心の動きをしたのを私は見逃さなかった。イラっすることは悪いことではない。一段階人のせいにしてしまうことも悪いことではない。大切なことはその心を自覚し、その後どう生きるかだ。
私は落下して無惨な姿になっている卵とじっと見つめ合い、「卵さんは俺に何を伝えたかったの?」と問いかけた。すると、「あなたの心に責任転嫁(人のせいに)する姿勢があるタマ!」と言ってきた。

うぅ...私は一瞬怯んだが、その言葉を受け止めた。あぁ、私には責任転嫁の心があるのか、、と反省させられた。だからこそ私は彼女に、「俺がヨーグルトを持ち上げたせいだから、原因は俺ね。」と伝え、彼女にはなんの責任もないと言った。



そう、私は卵落下事件の全責任を背負ったのだ!!!!!


そうなれば、新しい卵を買いに行くのは私の使命だ。加えて、食費を出すのは彼女の担当なのだけれど、卵は私のお金で買うことにした。そうしないと、言ってることとやってることがおかしくなる。一致しない。

私はスーパーに行き、ドヤ顔で卵1パックを買い、「凄いだろ」という視線を店員さんに投げかけた。気が触れてると思われたに違いない。

ここで私が私自身のお金で卵を買うという行為は店員さんへの態度を除いて、「私は何が起きても、人生の責任は自分で取ります」という未来への宣言でもある。


そして、この話には続きがある。

その後、部屋の中の物を整理していると収納ケースを動かそうとした時、隣りにあった花瓶にぶつかり、危うく二次災害を引き起こすところだった。
難なきを得たが、私の現実読み解きセンサーが反応する。それは先ほどの卵さんに言われた「あなたの心に責任転嫁があるタマ」という言葉だ。今度は花瓶さんに聴いてみると、「あなたのどういうところに責任転嫁の姿勢があるのかビン!そこを具体的にしないと、花瓶の中のものをぶち撒けるビン!」と言われ、私は「あわわ...」と怖れのあまり追究することにした。

人間が動く動機は『愛か怖れか』らしいが、この時の私は完全に怖れに支配されていた。

もう後片付けしたくない、私は後片付けのために生きてるのではない!!!!!!!



さて、追究の結果、私が責任転嫁しているところは2つあった。

1つは彼女とのセックス。彼女は性交痛がひどく(ひどかった)、セックスに対して消極的である。しかし最近は、彼女の努力(もちろん私も)もあって、少しずつ痛みは軽減していっている。
(性交痛にも意味があるけど、ここでは割愛)

とはいえ、全く痛くないわけではない。だから、消極的になってしまうのも分からなくはない。けど、それにしても頻度が少ないのではないか。そこを私は密かに不満に感じているところがあったのだ。
不満に感じているなら、それを言えばいいし、私から仕掛ければいいだけのこと。彼女も別に拒否してるわけでもないし、努力もしてくれている。つまり、私が勝手に不満に感じ、この不満は彼女のせいだと想っている心が少しでもあるということ。
つべこべ言わずにセックスしろ。普段からセックスだ。普段から前戯だ。セックスの時だけ優しくするのではない。普段から優しくするんだよ。スローセックスだ。スローのセックスだ。もちろん、すべての動作をスローにするのではない。はい。

もう1つは洗濯。
彼女は洗濯が嫌いだと公言しており、私は別に嫌いでも好きでもない。だから、私が率先して洗濯するようにしていたが、あまりにも私ばっかりやっていることにどこかで不満に感じていたのだ。

私が勝手にやっていて、彼女に洗濯させる隙を与えていないだけなのに、勝手にやって勝手に不満を感じ、それを彼女のせいにしている心があるなんて違う。ダサい。
だから、私は彼女のせいにするぐらいなら、そこは頑張らず、協力して洗濯することにした。


そう、私の師匠は卵と花瓶。もうぶち撒けないでください。

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