見出し画像

yuriyuri1003とhikaringo0525

一から説明します。これは、女優の石田ゆり子と石田ひかりのInstagramのIDだ。私は帰国子女でも何でもないが、どうも石田姉妹というと「小さい頃、お父さんの台湾駐在時代に、日本人会でよく会ったあの美人姉妹ね!美人なだけじゃなくて、二人とも水泳すごかったよね。そうか、あの二人、女優になったんだぁ……」と、頭の中で勝手に「幼なじみ妄想」をしてしまうという稀有な芸能人だ。(石田姉妹は、実際に幼少期に台湾に住んでいた)
芸能人なのに、なんか友達としての既視感がある。

さて、ご存知の通り、この姉妹は、女として対照的な生き方をしている。姉のyuriyuriはアラフィフにして独身。都心の洗練されたマンションで、犬一匹と猫二匹と暮らしている。本人も「猫stagram」と呼んでいるように、Instagram投稿の9割は猫の写真が占めている。それも、なんと本文はyuriyuri目線ではなく、我輩は猫である目線。「ねえねえ、お母さん。僕は猫じゃなくて、らいおんだよ。もっと大きくなりたいから、今日もかっこいいおやつ下さい」という具合。猫に「お母さん」と話しかけられるテイの文体に、最初は正直「マジか。誰かyuriyuriを支えて!」と思っていたものの、毎日観察していると、yuriyuriは全然大丈夫なんである。

フランス料理研究家夫妻と共に、フランスの旅にフラリと出掛けてみたり。親友だという板谷由夏をはじめとする女友達と、見栄も張らない、無理もしない楽しい付き合いをしてみたり。たまに夕陽の写真と共に、「色々悩むこともあるけど、明日も頑張ろう」などと、yuriyuriだって人間なんだ感も出したり。素直にyuriyuri頑張って!と思うよね。

私が注目しているのは、hikaringoの方だ。典型的な妹キャラで、「ちゃっかり」という言葉がピッタリなイメージのhikaringo。NHK勤めの包容力のある旦那様と二人の娘に囲まれ、湘南に住んでいる様子。「やっぱりhikaringoは着実に色々得ていた」という納得感。毎日作るお弁当や、子供たちとの日常の投稿は、「はいはい、Yes!hikaringo!」という感じなのだが、ずっと定点観測していると、「hikaringoって、実は面白いんじゃね?」という発見が。

まず、hikaringoは自分のことを基本「ワシ」もしくは「ワテ」と呼ぶ。「ワシはこれから『ニッポンの芸能』の撮影へ」みたいな感じ。ハッシュタグの付け方も秀逸で、この前最終回を迎えた連続ドラマ「屋根裏の恋人」で共演した今井翼君に触れながら、「#ひかりとつばさ #のぞみはおらんか #こだまはおらんか 」などというキレを見せたりする。

そう、その、ドラマ「屋根裏の恋人」である。「設定」という点では、近年希に見る異常さだった。
簡単に言うと、hikaringo演じる主人公が住んでいる鎌倉のお屋敷の屋根裏に、昔hikaringoの恋人だった今井翼君が住み着いており、そのことは家族の中でhikaringoしか知らない。hikaringoはたまに屋根裏に上がっては、今井翼君と背徳の情事をかます、というもの。実際、夫も子供も住んでいる自宅の屋根裏に昔の恋人が住み着いちゃったとしたら、24時間、全身全霊で「出て行ってくれ!!」と叫ぶだろうに、hikaringoは、最初こそ「出て行ってったら!」みたいに今井翼を追い出そうとするものの、翼が断固として帰らないからって、結構すぐにその状況を受け入れる。

翼も翼で、夫は仕事に、子供たちは学校へ行っており、昼間、家には専業主婦のhikaringoしかいないのに、おとなしく屋根裏に潜んでいるんである。だけど油断すると、たまに階下のダイニングテーブルで、パンをかじってたりもして、hikaringoの肝を冷やしたりする。ドラマでは描かれないけど、翼はきっとトイレもお風呂も借用しているに違いない。
とにかく、いくらドラマといっても、ちーがーうーだろー、ちがうだろー!!という感じで、どうにもこうにも感情移入が出来ないんである。

さて、女優というものは、今、自分が出ているドラマや映画について、心の底ではどんなに「つまんねえ」と思っていたとしても、表向きは「すっごく素敵な作品に仕上がってます。皆様、是非ご覧になって下さい!」と言い切るものだと思っていた。が、hikaringoは「屋根裏の恋人」の異常性についてもちゃんと認識していて、「第三話のワシ。テカテカのシルクのパジャマ着て、屋根裏に行くところが、特にあり得ないんで、見てね」というようなことを教えてくれるのだ。

ある日のhikaringoのInstagramには、hikaringoの(そしてyuriyuriの)お母さんから送られたLINEのスクショが載っかっていた。お母さんは、ドラマ撮影で忙しい娘の為に、hikaringo邸に泊まって子供たちの面倒や、家事を手伝っているようだ。
「プラスチックゴミ、出しておきました。変なドラマだけど、有終の美を飾れるように最後まで頑張って」といったような内容だったと思う。

すごい!hikaringo、自ら出ているドラマについて、自分自身も、そして母親までもが「変なドラマ」だと思っていることを暴露!そうだよね、芸能人だって自分の作品を、薄々おかしいなと思いながら演じてることもあるんだよね、という気付きを与えてくれたhikaringo。
今、一番信用出来る芸能人かもしれない。

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?