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のどが痛いときに

のどが痛くなると、風邪の前兆だな、と感じます。いわゆる「のどからくるタイプ」です。
人間は呼吸せずにはいられないので、どうしたって鼻を通る空気に乗って、いろいろなものが鼻からのどへと入り込んで来ます。このとき、鼻水が出て、ウイルスやら花粉やらを押し出してくれればいいんだけれど、自分はここの免疫が関門とならず、のどまで「敵」がやって来てしまうようです。
のどが痛み出したときに、すかさず飲んで効くことが多いのは「銀翹散」。

タイミングが合うと、ピタリと症状が止まります。そうなるかどうかは、それぞれの体質によるので、自分には合っている、としか言えません。

のどが痛むとき、うがいをしていたこともあるのですが、うがいが功を奏した、と感じることが少なくて、疑問に思っていました。

その疑問に答えをくれたのが、この本。

外から入ってくる「敵」を退治しようと最初に働くのは、鼻の奥かつのどの上、つまり「上咽頭」という部分で、中にはここを「Bスポット」と呼ぶ医師もいらっしゃいます。上咽頭は、うがいをしようと水を含み、上を向いてガラガラやってしまうと、うがい液が届かないところになります。そういう訳で、のどが痛いな〜と感じたときに、うがいをしても、そもそもうがい液が患部に届いていなかったので、効果があろうはずもなかったのでした。という訳で、この本の著者である堀田先生は、上咽頭炎を起こしていたら、鼻の穴とのどの2方向から、長〜い綿棒の先に薬液をつけて、グリグリと患部をこすって炎症を鎮静化させる治療を行っておられるそう。慢性的にここが炎症を起こしていると、いろいろな症状に波及していくようで、肩こりとか頭痛とかも治る人がいるようです。元々は腎臓が悪い方の治療法として思いつかれたそうで、腎臓と上咽頭炎の関係はぜひ本書をお読みください。東洋医学的にもなんか繋がっていそうです。

で、意外と血がダラダラ出る、というハードなこの治療に怖気付いてしまう場合、家庭で簡易にできる方法が、「鼻うがい」だと言います。

これには、以前、冬になると鼻炎がひどくなって始終鼻をつまらせて苦しかった自分にも身に覚えがあります。当時はリンデロンというステロイド剤を処方され、鼻の中に噴霧しておりました。これが劇的に効くのですが、炎症で腫れた血管を無理して収縮させ、鼻の詰まりを除くと、今度は心臓がばくばくしてくる、ということにあるとき気づきました。そりゃそうだ、血管を収縮させるんだからな。で、血縁関係のある人がやたらと心臓疾患持ちの自分としては、これを続けてたらまずいんじゃないか、と思い、必死に別の方法を探してたどり着いたのが「鼻うがい」。当時は、ヨガマスターの教え、ということで、グラスの微温湯を片方の鼻の穴を押さえ、反対の穴から吸い込み、押さえてる方の鼻の穴から出す、という、読んだ瞬間「そんなことできんのかっ!??」というものでした。しかし、心臓麻痺で死にたくないあまり、いちかばちかでやってみたら、できるもんですね、これ。で、数か月くらい、気がつくとは続けていた訳です。期間は忘れました。というのも、気づいたら鼻づまりがなくなっていたからです。以来17年くらい経ちますが、再発無し。すごくないですか、鼻うがい。

で、今はそんなヨガマスターの教えを、もっとスマートにできるようにした製品があるんですね。

上記の本の堀先生もオススメしておりましたが、歯科で子どもの口呼吸の問題を追求していたある先生も絶賛しておりました。いや、絶賛するから、どれほどの高機能製品かと思ったら、気が抜けるほど簡素な製品なんですけどね。まあ、薬液(って言っても塩水なんだけど)の配合が絶妙なんだろうなと思うのと、鼻の穴に当てる部分とか、お湯を押し出す本体部分の凹み具合とか、水量とかなんとか、いろいろ設計的に優れているんだろうな、と思います。今はこれを使って、外から帰ってきて、ちょっとのどが「いがっ!」とするときは、すかさず鼻うがいしております。すると、悪化せずに済んでいる、ような気がします。

ちなみに、堀先生の本を読むずっと前に、上咽頭炎を治療するBスポット療法を教わったのは、次の本。

インフルエンザにかからないようにするには、寝ている時に濡れマスクをすると良い、と説いています。基本的には、口呼吸をやめて鼻呼吸を習慣化し、さらに寝ている時の鼻の中の湿り気を適度に保つことで免疫力が働きやすくする、ということだったかと思います。風邪が悪化するのは真夜中のある時間帯だから、寝ている間の手当が効くのであると。

上咽頭で敵を抑えられないと、上気道に炎症が進み、「風邪」となる訳ですが、インフルエンザも新型感染症も、初期症状はいわゆる「上気道炎」なので、まずは入口の「上咽頭」で抑えて上気道に炎症を進めさせない、と。そう言う理屈は、とても理にかなっていると思う今日この頃。非常に安価で、合う人には結構劇的に結果を残すので、ご興味ある方は是非。

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